表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

247/1220

残念な父親 14

 触り。

 ここに居る者達が、全力で逃げ出したくなるような雰囲気がここに召喚された。少なくとも若い使用人達は知らないことで、デニム家の秘密の一つである。そのようなことは決してこんな処で、口に為て良いことでは無い。まだ子供であるマリアが知って良いことでは無かった。

 アリス・ド・デニム伯爵夫人は、らしくない動きで夫の前に進み出る。よく見ると彼女の靴が、デイモン・デニム伯爵の靴を踏みつけている。家族枠に居る者で無ければ、このさりげない攻撃は気付かないだろう。立派なドレスのスカートに隠れて、使用人達の立ち位置からは見る事が出来ない。

「デイモン様。本当にお久しぶりですわ。色々とお話がありますのよ。お疲れでしょうけれど、サロンにてお話ししとうございますのよ」

 奥様は抱きつきながら、更にデニム伯爵をふんでいる足に力を入れている。

「ぐえ」

「貴方。なんと言うことを仰るのですか?子供達は知らないのですよ」

と、奥様が小声で咎めている。

 この小声はあたしの耳だから聞こえた。勿論その気にならなければ、聞こえたりしない音声だけれども。今は聞こえた。

 あたしの隣に立っているマリアは、あたしの顔をまじまじと見詰めている。その視線は、驚きに満ちている。とんでもないショックだろう。一人娘だと思っていた、彼女には受け入れがたい事だろう。

 あ、此れはあたしも表情を作らなければいけないかな。あたしも知らない事に成っているのだから、取りあえず驚いたような表情を作っておく。そうしておかないと、マリアと付き合いづらくなるかも知れない。


 


読んでくれてありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ