表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

219/1219

十三歳の春 25

だいぶ厳しくなってきました。少しお遅れがちになります。


「今日も何時もの通りに、サロンで授業なのよね。御父様がお帰りになるのですもの、授業はお休みにならないのかしら」

と、マリアが声を掛けてくる。彼女は勉強をお休みしたいのだろう。そう顔に書いてあった。

 あたしもその意見には同意だけれど、伯爵様とあまり会いたいと思わない。何しろ彼は間違いなく顔だけ男の駄目な人だったはずで、奥様に領都の経営を任せっぱなしで、都会で面白おかしく暮らしている。なにしろ妾を二人も囲っているらしいのだ。使用人達の噂話なので、勿論その事が本当かどうかは解らない。でも、全くの出鱈目でもないだろう。

 ゲームのスチルの中に、一寸だけモブ的に登場していたのを記憶しているけれど。悪役令嬢マリアが御父様と呼んでいたことから間違いないだろう。黒髪に黒い瞳に整った顔立ち。大人の色気が匂い立つような美形だった。

 あたしは乙女ゲームの常として、ほとんどの登場人物が美しくなっている。だって、やっぱり綺麗な者を見ていたいのは当然だしね。何しろ二次元の世界なのだから、いくらでも美しく描くことが出来る。綺麗であるに超したことがなしね。

 一応、伯爵様はあたしにとって、父親と言うことになるのだけれど。全く実感が湧かなかった。奥様に対しても自分の母親だという実感を、感じないで居るのだから、当然だと思う。やはり、あたしの中で、父ちゃんと母ちゃんはあの二人なのだ。

「旦那様がお帰りになるのは、午後の三時頃ですから。其れまでは時間があります。午前中が空いているのだから、その時間を有効に利用するべきですわ」

 侍女のドリーさんの物真似をし手見せながら、マリアの肩にそっと触れる。お勉強を怠けていて、こうかいしているお姉さんとしての意見を言ってみる。素のあたしの言葉よりドリーさんの物真似の方が、説得力がある気がする。しかも、角が立たない。

「似てルー。流石ドッペルゲンガー。もしかして、ドリーにも化けることが出来るの」

 マリアがニコニコ笑いながら言った。今日のお嬢様は、上機嫌なので有る。




読んでくれてありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ