表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/1215

お姉ちゃんは悪役令嬢?2

 誘拐犯達は、この状況を打開するべく、顔を出したあたしと父ちゃんに視線を向けてくる。勿論あたし達は、逃げ出せる隙なんか与えるつもりもない。致死性の毒を使わないでやったのだから、有難いと思ってくれないと困っちゃう。


 まだ森の中には、ニックの兄ちゃんが隠れて待機している。ちなみにさっき尻に矢を打ち込んだのが、ニックね。父ちゃんは、良い感じでロープを引き上げるのが役目ね。この辺りの段取りは、あたしの計画通りだ。


 で、父ちゃんは隠れていた反対側から、短弓に矢を番えて、尻に矢が生えてる奴に、弓を向けている。麻の動議に木綿のズボン、腰には紐で結んだ鉈をぶら下げている。ちなみに短弓とは言っても、熊みたいにでかい男が、自分の体格に合わせて、作った代物である。あたしの短弓の3倍はでかい。この距離で撃たれれば、革の胴着なんか意味をなさない。因みに、あの鏃には毒は塗られていない。


 あたしも弓に矢を番えて、ゆっくりと馬車の後方に回り込む。太股に矢が刺さっているやつの顔色が、だいぶ青ざめてきている。毒が効いてきているのだろう。


 ニックが隠れていたところから、顔を出してきた。もしもの時に、援護してくれるのが彼の役目だ。


「嘘だろ」


 太股に矢が、側まで近づいたあたいの顔を睨み付けてきた。短剣をこちらに向けてはいるが、まともに使えそうにない。だいぶ毒が効いてきているみたい。無力化していると考えても良いかな。


 あたいは弓を下ろして、厚手の幌をめくる。果たしてお宝がそこに居る。黒いの髪の少女が、無慈悲な縛り方をされて転がされており。良い生地で縫製された、クリーム色のワンピースはこれまでの旅路でずいぶん汚れている。特にひどいのは、股間のあたりだ。お漏らしをしたのか真っ黒に汚れていた。


「死んじゃいないだろう」


 猿ぐつわをかまされている彼女は、苦しそうに声を上げて、こちらに顔を上げた。その相貌はあたしにそっくりでとっても可愛い。(乙女ゲームさくらいろの君に・・・)の設定では秘密だけど、一卵性双生児だったから、とってもそっくりなのだ。容量にとっても優しい設定だ。


 それを利用して、ゲームでは、あたしがマリアに成り代わって、デニム伯爵家に乗り込んで。そのまま令嬢として、攻略対象たちに会うことになる。それからの話は、とっても悲惨な事に成っていく。


 


 

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ