表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/1217

ドッペルゲンガーの初仕事 3

 あたしは父ちゃんが来る間に、馬の背にくくりつけていた荷物袋を下ろした。袋の中に突っ込んである、鍋と木のカップとあたし特性のスプーンもどきを取り出した。塩分と糖分を取らせれば少しは良いかもしれない。後身体の要所を冷やして安静にさせておけば、とりあえず回復するだろう。勿論無理はさせられないかも知れないが。

 お嬢様つきのメイドさん達が、あたしのことを眺めている。あたしは一寸いらっとして、彼女達の方を睨む。どうしたら良いか解らないのだから、仕方が無いのだろうけれど。それなら声を掛けてきたら良いのに。

「綺麗なタオルを六枚貸して。それとお嬢様を他の人に見えないようにしたいので、大きな幕か衝立になりそうな物を用意してくれないかな」

 あたしは、使用人としては先輩に当る彼女達に、仕事を頼むことにした。普段ならばてきぱきと、仕事をこなす彼女達も、こういった非常時には、どうすることも出来ないのだろう。本当ならあたしも、彼女と同じようにしていても、可笑しくは無かったのだけれど。前世でたまたま、熱中症で倒れてしまったおじさんの解放をした事が遭った。その時は、テレビ番組で解説していたことを思い出しながら、必死に介抱して、救急車を待ったことを覚えている。

「おい。お嬢様はだいぶ悪いのか?」

 父ちゃんがやって来て声を掛けてくる。あたしが真顔で言っているのに気付いたみたいだ。

「うん。だいぶ衰弱してるし。ただ水を飲ませて、休ませるだけでは簡単には回復しないかも知れない」

「リコちゃん。砂糖と塩を持ってきたわ」

 メイドのドリーさんが、小さな小瓶に入れられた塩と砂糖を渡してくる。

「ありがと。助かる」

 あたしの水袋から、鍋に水を注ぎ込み、砂糖少々と塩を入れてスプーンもどきでかき混ぜる。やがて砂糖と塩が水に溶けた処を、スプーンもどきですくって味見をした。あまり旨くは無いが、とりあえずただの水よりは有効な代物だろう。ちゃんとテレビ見ておくんだったな。此れで良いのかどうなのか解んねえ。

 

読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ