ようやく追い着いた 2
あたしは馬の速度を加減しながら、第二実際救援部隊の後方に、近付いて行く。あたしらに気付いたのか、騎兵が二騎此方に向けて掛けてくる。一寸だけ挨拶したことのある若い兵士二人である。警戒半分迎えが半分と言った処だろうか。
言ってある人数で無いので、あたし達を警戒するのもの当然かも知れない。リタのことは知らせていないしね。遠目では私らのことが、マリア・ド・デニム伯爵令嬢を襲った連中と見分けが付かないか。少し慎重すぎない。
だいたい三人だけで、あの大人数をどうにか出来るわけが無い。あの部隊の責任者である、マリア・ド・デニム伯爵令嬢の心理状況に、かなり露骨に影響を受けていた。今のところは、すべての部外者に対して警戒を為なければいられないのだろう。その割には、初めて会ったばかりのあたしに対して、思いの外受け入れられていたように思う。
あたしは命の恩人なので、仕方なく受け入れなければならなかったのだろう。本当は姉妹だから、意外に相性が良いだけなのかも知れないけれど。憎まれ口を利きながらでも、あたしの事を本当に嫌っている感じはしなかった。
「良く追い着いてこられた。一応決まり事ですので、所属と名を名乗ってい頂きたい」
迎えの騎兵二人は、十メートルは慣れたところで馬を止めると、誰何の声を上げた。実に軍隊式な声である。多少は父ちゃんに対して、気後れしている様子だった。デニム伯爵家の私兵団とは言え。実力が物を言う世界みたいなので、二百メートルの的を狙い撃つ実力は侮れない物がるのだろう。
「第二次救援部隊所属。ナーラダのハーケンだ。」
「予定より人数が多いようですが?」
騎兵の一人が、リタの方を見ながら問いかけてくる。彼らが警戒している理由が、リタの存在なのだろう。ちっちゃい女の子が一人増えただけでも、警戒を為なければいけないとは情けない。あたしはアフォかと言いたくなった。
寒いですね。風邪を引かないように気を付けましょう。
読んでくれてありがとう。




