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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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145/1216

一寸休憩 4

 あたりの石を拾い集めて、燃え始まった焚火の周りに石を並べて、簡単な囲炉裏にする。以前使った事のある石が、残っているので集めるのは簡単である。

 あたしは荷物の中から、鍋を取りだし手足元に置いた。その鍋に、アガサおばちゃんが用意してくれた干し肉を、ナイフで刮ぎ落とす。ここに調理道具など無い。簡単な料理とも言えない物だけれど。干し肉には塩が含まれていいる、この塩気は肉が悪くなるのを防いでくれる上に、良いあんばいに鍋の味付けになる。

 塩辛いが簡単スープの出来上がりとなる。後は適当に食える野草を、鍋に入れて一煮立ちすれば出来上がり。今回は、アガサおばちゃんの好意でパンが添えられている。十分上手い遅い昼食となるだろう。

 たぶん此れは村長の家にある石窯で焼いた物だ。あの小さい石窯で焼けるパンは旨いけれど、数を焼くことが出来ない。せいぜい家族と使用人分のパンが焼ける程度である。今のナーラダ村で、手に入れることの出来る、少ないパンをお弁当に為てくれたのである。実際あたしは芋でもふかして入れてくれれば有難いかなと思ってた。

 今、村の衆が主に食べている物は芋だった。それで食いつないでいるのである。パンが食べられるというのは贅沢と言えた。

 アガサおばちゃんが何を持って、これほどの好意を示してくれるのかは解らないけれど、とても有難いことだと思う。彼女だけの好意で無いことも想像が付く。村の女衆達の特別な好意の表れなのだ。あたしは何かでこのお返しを為なければいけないなと、心のメモに書き込むことにする。

 あたしから少し離れて所で、へばっていたリタが料理の匂いにつられて近付いてくる。こんな状況で、これだけの食事ができるって言うことは、かなり幸運な事で。幸せだとあたしは思う。

 日本の弁当の常識と比べれば、大変質素な物だと思うけれど。村に住むような平民にとっては、此れでもご馳走と言っても良いだろう。

 あたしは刮ぎ落とした干し肉を、鍋の底で軽く炒めながら、父ちゃんが水を汲んでくるのをまった。汲んできた水を使って、干し肉を煮れば簡単スープが完成する。後は適当に食える野草を一緒に煮込めれば一寸贅沢な食事になる。


読んでくれてありがとう。


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