表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/1216

我儘娘のお願い 4

「その我儘って何を言ってるの?」

 アガサが、興味津々と言う表情をしながら聴いてきた。話し好きの彼女が、そのままスルーしてくれるわけも無く。何時ものごとく聴いてくる。

「リタを第二次救援隊の所へ一緒に、連れて行くって言うんだ。俺としては、連れて行くのは反対なんだが、リコは言いだしたら聞かないからな」

「リコちゃんは、あの子のこと特別可愛がっていた訳でもないんだろうに。何でまた」

「村の衆は、今は余裕が全くないだろう。親を亡くして一人に成って、面倒を見てくれる大人が居ないのに気付いたんだと」

「でも村長は、ちゃんと配給を渡していたはずだけど。芋の煮物ばかりで飽きるだろうけどね」

 アガサが、視線を村長の屋敷の方に向けた。今、村の女衆達は炊き出しを村長の屋敷の庭で作っている。でかい大鍋で、芋を煮ているのである。毎日芋ばかりではあるけれど、まだ食うことが出来るだけましだ。

 村長の屋敷には、小さな石窯はあるけれど、村の衆に行き渡るほどパンを焼く事は出来ない。動物を狩ることは出来るけれど、その肉も村の衆に行き渡らせられるほどは捕れないだろう。そうなると、最も手頃なのは土室に保存していた野菜の類いを使うことになる。つまり芋の煮物と言うことになる。しかも味付けは塩だけと言うことになった。

「リコは言いだしたら聞かないから、気の済むようにしてやろうかと思う。本当は、村に居た方が楽だとは思うんだが。少なくとも、飯を食うのはこの村の方がましだろう」

「だろうね。下の村がどうなっているのか解らないけれど。ここより酷いことに成ってるかも知れないしね」

 家の娘は、言いだしたら聞かない。実際、マリア・ド・デニム伯爵令嬢をにしたって、リコが言い出したことだ。しかも襲撃時期と場所を、ピンポイントで指摘しやがった。双子だから解るのかも知れないと思って、半信半疑で言うことを聞いたのだが。真逆、本当に誘拐事件が起ころうとは思いもよらなかった。


 


読んでくれてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ