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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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けだるい夕暮れ 3

 結構盛大な晩餐会に成った。晩さん会の会場は、結構な広さの、ホールに幾つかのテーブルを並べて、そこで食事をしながら肩の凝らない、情報交換をする。それが主な目的に集まりとなっている。


 ここにやってきた貴族たちは、伯爵家に繋がる小領主たちで、いざとなれば私兵を連れて、はせ参じる盟約を結んでいるそうだ。たぶん、二年後の戦争で、命を落とす人たちだ。


 ちなみに、マッキントッシュ卿の姿はない。先代は居たらしいのだけれど。今の領主は、ガルバドス家との関係は上手く行って居ないらしかった。


 ガルバドス伯爵家に世話に成っている、各地の小領主が一堂に会する晩餐会だ。領主と成っている下位貴族たちは、この機会にマリアと縁を繋げ様としてくる。


 それも当然かもしれない。今回のお使いで、遠征隊が運んできた、結構な資金は、この人たちにも分けられる事に成る。それだけでも有り難い物だろう。


 あたしの懐から出たものでも無いから。かなり気まずいものでもあるのだけれど。


 あたしの隣には、今回珍しく着飾っているジェシカ・ハウスマンさんが居る。ややくすんだベージュ色のドレスに、胸元を飾るのは、繊細な装飾を施した、銀のネックレス。黒髪を編み上げて、襟足をきれいに見せている彼女は、大人の女性の魅力をふんだんに、知らしめて余りあるものだった。


 主より目立ってどうするんだ。内心突っ込みたいと思いながらも、あたしは彼女のわきで、少し子供っぽいマリアのドレスを着こんでいる。あたしのために作られた、ドレスはこういった正式な、晩餐会の席にはいろいろと不都合があるらしく。ハウスマンさんに却下されてしまっていた。


 いいんだけれどね。ここにいるほとんどの貴族たちは、みんなどことなく胡散臭い男どもで。間違いなく、薄汚い中年のおじ様たちであったから。あたしとは、話がかみ合う事は無かっただろうし。いやらしい視線にさらされたいとも思わなかったから。


 昔はこういった爺とも付き合っていたけれど。それが心から楽しかったとは言えないものだったからね。ハウスマンさんが避雷針に成ってくれていたから、結構助かっている。さすがに、今のあたしは乙女でもあるわけだしね。


 実際、マッキントッシュ卿のところでの、晩餐会では恰好つらい目にも合っているから。食事後半に成って、ハウスマンさんGJとサムズアップしてしまいそうになった。


 


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