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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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食事会は踊る 10

 タイプでは無いけれど端正な顔を眺めながら、あたしは何処まで話そうかしばし思案する。本当は彼に話す積りなんか無かった。適当に話をして、穏便にこの時間を凌ごうと思って居たんだよね。今そのことを後悔している。全く良い案が浮かんで来ない。何処かに居るかも知れない神様って奴が居るなら、ここで良い案を出して貰いたいもんだ。


 あたしの方で、色々と嘘を付いている手前、どこまで話したら、信じてくれるのか見当もつかない。何より、あたしが帝国の現状を知っているって事だけでも、どう説明したら良いか分からない。隣の国の内情を知っているなんて、話したら、結構警戒されるだろう。


 何しろ、マリアの奴なんかそういった事に、精通しているような人間ではなかったから。なんちゃってマリアとして、如何なのって事に成るかもしれないし。もしかしたら、リントンさんの影の人達より、情報を持っているって事に成るかもしれないし。最悪、可笑しな事を言いふらす気印だって思われるかもしれない。


 ちなみに、この界隈にも悪魔付きなんて言葉がある。あたしに言わせれば、狂犬病に、罹った気の毒な人の事なんだけれどね。それに、心の病に陥った人たちの事なんだけれど。この世界では、悪魔付きって警戒されるんだ。


 可笑しいと言われる様に成ると、誰もまともに話を聞いたりしなくなる。多少、あたしも予言めいた事を口にした事もあるから、その事を指して可笑しいって成るかも知れない。あたしがそういう目で見られるなら、気にもしないのだけれど。妹である、マリアがそうだなんて思われるのはまずい気がするのよね。


 何とか取り繕って、マッキントッシュ卿の下に起こっている、可笑しな出来事に注視させる様に話さなければ成らない。誰か頭の切れる人変わってほしい。


「あの一件で、マッキントッシュ卿に興味を持って、調べてみたら。色々と可笑しな出来事が、気になりだしたのよ。もしかすると、彼は暴発するようになるかもしれない」

「どういう事」

「まず、先代のマッキントッシュ卿がお亡くなりに成った頃から、行動が理解できないくらいに、可笑しくなっているの。洪水被害に遭っているにもかかわらず。領民の生活に対して、気を遣うでもなく。兵を集め出している。何処か破落戸と変わりないような兵も散見しているわ。何か企んでいるのではないかしら」

「それに、あの橋の事だって、私を狙った物としか思えないのに、犯人の特定には及んでいない。反意が有るとしか思えないわね」


 あたしは必死に、何とか心にもない事を口にする。嘘ではないけれど。証拠も見いだせなかった。何より、令嬢の立場で、領主の政策に物をいう事なんかできない。可笑しいと思うなら、実家に帰って、実権を持っている奥様か、旦那様に言うしかない。あたしが単なるメイドだからだけでは無い。令嬢である、マリアですらそういった権限を持って位はいないのだ。


 領の中での執政の責任は、領主に在って、王族ですら細かな執政については口を出す事が出来ない。領民をどう扱おうと、領主の定めた法律の下にある限り。他者が口を出す事が出来ない。それだけ領主には権限が許されている。




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