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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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長い夜

 大きな天蓋付きのベットに一人、あたしは寝側っていた。昼間のことが頭の中で、未だにワルツを踊っている。上手く考えが纏まらない。

 マリア・ド・デニム伯爵令嬢さえ殺さなければ、悪役令嬢マリアが、誕生しないから。帝国の侵略戦争は始まらないと思っていた。でも、其れは大きな勘違いだったって事は、始めから判ってたことだったのに 気が付いた。既に、侵略は始まっていて、もう後戻りの出来ないところまで来ているのかも知れ無い。

 以前にあった領都の鼠退治から、もっとずっと前からこの邦は狙われていた。マルーンだけではない。きっと王国そのものが狙われている。その手始めが、マルーン邦の、守りの要になっている、カテーナ砦を落とす。その際に、奥様が居ればなお良かっただろう。あのスチルの通りに事が成れば、帝国は随分楽が出来る。

 あたし達の乗る馬車が、橋と共に落ちたなら。マッキントッシュ卿にとっては、この上にない恥だ。彼の面目にかなりの疵に成るだろうし。立場が危うくなるだろう。其れが狙いで、鼠が動いていたのかも知れ無い。これも憶測でしかないのだけれど。

 あの領都カテーナも、今となっては帝国の支配地域と接する重要な、国境の街と言うことが言えるのだから。港町を奪われてしまっていることが、色々と面倒なことに成っている。

 マッキントッシュ卿の執政も、あながち間違っていないのかも知れ無い。ただ、領民の生活を蔑ろにすることは許せないことなんだけれどもね。何しろ、あのおっさんの支配地域に、あたしの大事な村の衆も住んでいるのだから。

 再来年には、マリアは王都の学園に入学することになる。その際には、アンソニー・ガルバドス君も入学するそうだ。流石に、兄弟そろって王都には行かせられない。だから、嫡男のエンデ・ガルバドス君は王都へ行かずに、この領に残った。そう彼の口から説明を受けている。

 有るちゃ有ることだけれど。心証はあまり宜しくない。だから、マリアと名乗っているあたしに一生懸命説明をしてきたんだろう。彼が、マリアのことが好きだって気持ちは、伝わってもいるしね。だからと言って、応援したいとも思わないけれども。

 ここへ来る前に、マリアの口から、彼のことを聞いていないから。若しかすると、彼女の方は気にもしていなかったのかも知れ無い。少なくとも、彼女のタイプとは違っていた気がするし。良い男の子だとは思うのだけど。頑張りましょうの判子を押したいくらい何だよね。

 さくらいろのきみに・・・で描かれている時間軸は。再来年からの話しだ。つまり、あの乙女ゲーム通りに進むなら、この砦が落ちるのは再来年と言うことに成る。

 つまり、エンデ・ガルバドス君はこの砦共々。悲惨な死期を迎えることになる。弟君は王都に居るわけだから、生き延びられる可能性があるかも知れ無い。最良のエンディングの中には、帝国との交渉に成功した王族のお陰で、何とか王国だけは残るのだから。




 

 

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