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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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ある意味聖地巡礼 4

 朝の空気は、少しだけ水気を感じる。視線を上に向けると、雲が大半を占めていた。今日の処は降ってくることは無いだろうけれど。明日は如何だろうな。既に春の陽気では無い。どちらかと言えば、初夏に入ろうとしてるのだろう。マルーン邦は、あたしが住んでいた日本と違い。梅雨のような物は無い。殆ど乾いているから、そう言う意味では過ごしやすい夏がやってくる。


 それでも、雨が降らないわけでも無い。降るとなれば結構雨が降る。昨日のうちに、此所に着くことが出来て良かった。領都ベレタで予定外の足止めにあってしまったから、雨が降り出すんじゃ無いかと心配はしていたんだ。梅雨のように降リはしないけれど。如何しても、馬車を使った旅には困難な物に成る。


 今頃は領都デイロウの方で、雨が降っているだろう。若しかすると、王都の方は此所よりも暑くなっているかも知れ無い。あっちの地形はいわゆる盆地になっていて、そう簡単に外敵の侵入を許す地形にはなっていない。ただ、マルーン邦の在る場所からなら、比較的なだらかな地形で、唯一大きな軍勢を送り込むのに、適した地形になっている。


 マルーン邦が落ちれば、王都への道が真っ直ぐ開けることになる。だから、帝国は執拗に、マルーン邦を攻撃してくるし。王国は、必ず援軍を送ってくるようになっている。


 其れが悪役令嬢マリアが起こした騒ぎで、王城周辺で起きた変事の収拾に追われて、援軍を送ることが送れた。其れが原因で、マルーン邦が落ちた要因になった。これが、乙女ゲームさくらいろのきみに・・・の中で、ユーザーに説明された設定だった。だから、あたしが王都に行かなければ、少なくともあの事件は起こりようが無いのだからって考えたのよね。


 何しろ、マリア・ド・デニム伯爵令嬢は生きているし。ナーラダのリコは彼女のメイド件身代わりはしているけれど。全くの別人なんだしね。


 侍従の少年に連れられて、あたしはこの御屋敷の玄関口に向かっている。そこに、明らかに一張羅を着込んだ、兄弟の姿を見付けた。二人の雰囲気がどことなく不穏に感じる。まるで、昨期まで喧嘩をしていたような雰囲気がする。


 確か、あたしの事をエスコートしてくれるのは、エンデ・ガルバドス君の方だったはずだから、何故弟君がいるのが判らない。しかも、未だに喧嘩の雰囲気を引きずりながら居る。


 あたしを呼びに来た、侍従の少年が困り顔を浮かべるのが一瞬見えた。直ぐに真面目そうな顔になったけれど。何となく事情を察した気がした。其れで、この侍従の少年が呼びに来たんだろう。


 本来なら、あたしの事を誘ったエンデ・ガルバドス君が、迎えに来る方がシンプルで良かった。其れが出来なかったのは、弟君が後から、入ってきたのかな。其れも、直前になって。二人とも其れなりに準備をしているところを見ると、弟君は確信犯なんだろう。


 あたしとしては、この砦を見て回りたいと、思っても居たし。案内してくれるなら、其れも悪いことでも無いから。二人一緒でも何の問題も無いのよね。エンデ・ガルバドス君の思惑は、少し判らないけれどもね。





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