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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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カテーナ領主夫婦 6

 今あたしはすっぽんぽんである。何故かというと、お湯で身体を綺麗にして、ガルバドス夫妻との晩餐のために、お風呂を使わせて貰えることになったからである。


 テンション爆上がりの、クリス・バートランドさんとメイドのサリーさんに、有無を言わずに、着ていたドレスを逃がされ。下着まで剥ぎ取られて、温めのお湯に投げ込まれてしまう。この二人なら、あたしが本気で逃げれば、簡単に逃げることが出来るんだけれど。そうも行かなくて、彼女達に身体を洗われているところだ。


 因みに、ジェシカ・ハウスマンさんはこの二人に、命令を出しながら、あたしの様子を観察している。なんか、実験動物を見ているような視線が、取っても気に入らないんだけれど。未だにあたしの事を、訳の解らない面の皮を持った、不審人物と思って居るみたいだから、その辺りは仕方が無いかな。


 言葉にはしないけれど。マリアを助けたのも、なにか腹に一物があると思っているに違いないと思うのね。実際、こっちにも思惑があるから、ハウスマンさんの見立ては、あながち間違っちゃいないけど。マリアを助けたいと思っていることは、信じてくれても良いと思う。


 このメイド二人は、あたしが使った残り湯で、身体を洗う予定らしい。久しぶりのバスタブでの入浴は、女の子としても、テンションが上がる物らしい。この間まで、月の物があった、クリス・バートランドさんは得に、入浴できるのが

嬉しかったらしい。


 この砦の貴賓室には、立派なお風呂専用の部屋が用意されている。バスタブなんかは、陶器製の白いバスタブなんだ。因みに、こう言ったお風呂を利用できるのは、この砦の主であるガルバドス家の人か、客人くらいらしい。他の使用人さん達は、樽一杯のお湯で、身体を洗うのが基本だ。


 デニム家の使用人も、ほぼ同じ労働条件で、働いている。平民の生活よりは、これでもかなり良い環境だと思う。実は、あたしもこの立派なバスタブには、一寸嬉しかったりしているんだよね。貴族階級の生活で、こう言った贅沢が出来ることが、かなり羨ましかったりする。


 あたしの身分は、いわゆる村娘が、縁あってデニム家のメイド《下級使用人》になっただけだ。其れも、マリアを助けたお礼の意味合いが大きい。偶々、あたしの顔がマリアにそっくりだったことで、こんな役回りが回ってきただけ。彼女の言うことを聞いて、無難にマリアを演じていれば良い。そう思っているのが、丸わかりなんですけど。


 何でか判らないけれど。あたしにこの遠征隊の指揮権がある。この遠征に出るときに、奥様から直接指揮権を持つように言い渡されているのよね。だから、色々とめんどいことを遣る羽目に成っているんですけど。何処まで、好き勝手出来るか判んないけれど。


 この砦は、取っても重要な場所だし。落とされないようにした方が良いに決っているから、気がかりなことを、彼に話しておこうかと思っている。当然のことだけれど。帰ったら、奥様にこの事は報告させて貰うつもりだ。




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