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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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ちょっとの善意 (余計なお世話)

 この子の面倒見られる者が、この村にはいないかも知れない。今のところ自分と自分の家族を守るのに、手一杯の状態だろう。ましてやこの子の母親は、決して好かれていないかった。どちらかと言うと、嫌われていたかも知れない。

 其れは仕方の無いことかも知れない。キャサリンは、小さな子供を抱えて、この村で男に死なれたのである。其れは本当の事かは疑わしかったけれど、この村に来てそれほど経って居らず。最低限の畑も、持ち合わせていなかった。村のコミュニティの中に、入れない彼女は、ここで生きるすべを最も手っ取り早い方法を取った。

 其れでは村の女達の仲間には慣れない。もしかすると、彼女と自分の旦那にあれやこれやがあるかも知れないのだから。村の女達に助けて貰えるわけが無かったのである。

 あたしには、前世の記憶もある。その頃の友達の中には、色々と事情のあるこのいた。不良を遣っていると、リタのような環境にいた、子もたまには見かける事があった。実際に男とお泊まりをして、遊ぶ金にしていた奴もいた。

 だからキャサリンに対して、あたしはこの村の女衆のようには思う事は無いのだけれど。十歳にも満たない子供が、こんな事を考えて良いとは、認めてたく無い。ただ、このまま村に置いておくのも危ない気がする。

 飢えて死ぬか人買いに身売りすることになるか。人買いに買われると言う事は、奴隷になると言うことである。勿論、奴隷になれば暫くは衣食住に困らないですむ。運が良ければ、どこかのお金持ちに買われて行くこともできるだろう。

 でも、運が悪ければ文字道理の玩具となるのだ。其れは決して幸せな人生とは言えないだろう。

 あたしは、なんか嫌な気がした。この国には、最低限の保障なんて無いことは解っているけれど。

 そんな立場になっている子は、この子だけでは無いことを知っているのだけれど。何しろこの国のてっぺんにいる人間の頭には、平民など税を払う駒でしか無いのだから。生かさず殺さずに使うだけなのだ。

 今もこの国だけでも、人買いに買われていく者がどれだけ居るか解らないのだから。あたしが、たった一人をどうこうしたところで、何も変りはしないのだけれど。知っている者だけでも、なんとか出来ないだろうか。こんなに幼い子供が、世の中の闇に飲まれて行くなんて、何だか辛すぎる。

 ゲームなのに酷すぎない。ゲームに描かれていない悲劇は辛い者ばかり。あたしは信じられない気持ちで一杯に成った。

 

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