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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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なんちゃって探偵 2

「レイはどう思う」


 多少は頭を使って見せろ、この呆け。あたしは内心の言葉を飲み込んで、話を振る。此奴がただの兵士ならこんな事振ったりしない。元王族なんだから、こう言う嫌なことだって教育されているだろう。結構中世ヨーロッパでは頻繁に遭ったって、餓鬼の頃の授業で聞いた記憶がある。

 その先生は、世界史の先生で、流石に顔なんかは忘れちゃったけど。話し好きで、結構お茶目なところのある先生だった記憶がある。その頃のあたしは、意外かも知れないけれど、結構成績も良かったんだよね。若しかすると、あの頃が一番幸せだったのかも知れないな。

 こうして思い出すと、結構良い先生に当たってる。おっさんの命を助けたときの知識だって、先生の特別授業のお陰だから。思い出すと、一寸堪んない気がするけれど。あれは人助けのためだから、ノーカンだからさ。昔は、結構遊んでいたから、今更なんだけどね。


「正直、死体の検分 が出来ていないのがいたいですね。流石に掘り返すわけにも行かないでしょうから。お抱え医師から、詳細を話して貰えば、幾らかは判るでしょうが。決定的な物は出てこないでしょう」

「流石に無理なことかな」

「もし掘り返すことが出来たとしても、恐らく劣化が激しすぎて、毒による物なのか、病死なのかを判断できないでしょう。兎に角、医者のことを拷問に、掛けることも出来ませんし。そう言った知識も、此方にはありませんからね」


 そのくらいの事は判っている。既に埋葬されてしまっている以上。其れを掘り返すような、不敬なことは出来ない。ましてや、貴族の遺体なのだから。

 彼のお爺ちゃんのことを調べるのは、そう簡単でも無いって事か。奥様なら、死体の検分を命じることが出来るかも知れないけれど。其れだってかなり無理があるみたいだし。何より、此所には科学捜査のできるような人は何処にも居ない。

 魔法の存在は信じられているけれど。実際に魔法使いみたいな人間を見たことが無いしね。きっと、迷信の類いなんだと思う。

 昔にも、降霊術めいた物は有ったけれど。其れだって、こっちで其れが出来るとも思えないし。だいたいあれだって、気の迷いみたいな物だしね。幽霊は目撃したことあるけれど。話が通じる物でも無いみたいだったからさ。お爺ちゃんに、直接聞くことなんか出来ないだろうしね。


「それよりは、橋を落とそうとした者の、あぶり出しの方が先決だ。此れは間違いなく叛意が感じられることだから。若しかすると、御嬢のことを狙ったのかも知れないだろう。そっちから責めるって手だって有るだろう」


 レイのやつが、実に腹黒な表情で提案してくる。さすがは王族の端くれ。実に腹黒な感じがする。何しろ、此奴は陰険腹黒隠れキャラだからね。


「若しかすると、元領主様を死なせたやつと、今回の事件は繋がっているかも知れないだろう」


 考えられることを、レイは言ってきた。フォレ・ド・マッキントッシュ卿を毒殺したのが、嫡男のアーノルド・マッキントッシュなら、話は早い。でも、その事には少し違和感がある。

 もしあたし達が気が付かなくて、馬車ごと水堀に落ちるような事が遭ったとしたら、その程度ではあたしは死なないだろうし。マッキントッシュ家にとって、減点に成るだけで。卿の得には全く成らない。折角デニム家からの援助を貰えるのに、もしかしなくても台無しになるかも知れないから。

 少なくとも、あたしならそんなことは絶対にしない。だって損じゃ無い。







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