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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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脳天気な晩餐 20

 扉の黒い染みが、大変興味深かった物ですから。思わず足を止めてしまいました。

 ジェシカ・ハウスマンさんは大変正直に、危ない事を口に為た。此れって結構怖い事なんじゃないかと思う。木製の扉の染みが、血痕とは限らないから、尋ねてみても良いのかも知れないけどね。その辺り、私も興味のあるところだ。

 お爺ちゃん領主の死因になんかも、興味があるんだけれど。検死なんかもしていないだろうし。だいたい彼のお爺ちゃんが亡くなって、随分経っているだろうから。その時に、彼のお爺ちゃんを診ていた医者にでも、尋ねないといけないだろうし。本音は面倒い。

 私がその辺り調べる様な立場でも無い。一応気になるから、聞くだけ聞いておこうかな。


「以前賊が入りましてね。その際に、警備の兵と斬り合いに成ってしまいまして、あらかた掃除させたのですが、流石に落ちなくなりまして。孰れ扉ごと、交換するつもりでおります」


 マッキントッシュ卿がそんなことを言ってきた。どことなく違和感のある説明で、かえって怪しく感じられる。そう言う事も有るかも知れないけれど。そうなると、此所の警備はとんでもなくザルだって言うことに成る。

 ま、ザルと言えなくもないか。正直、あたしでも出入り自由な気がするから。兵隊さんの練度は、あんまり高そうでも無いし。新兵とまでは言わないけれど。警備としては、感心しない物があるから。そのお陰で、あたしは気軽にお出かけできそうだって思えるんだけどさ。

 装備は立派だけど、練度は低い。こんな事では、万が一お隣さんが攻めてきたとき、大夫困った事に成りはしないかって思うのよ。

 あたしが御屋敷勤めをし始めて、初めて知ったのだけれど。マルーン王国には、小さいけれど港があったらしいのね。その港は、あっさりお隣さんの実効支配地域に成ってしまっているんですって。その港への道が、この領都ベレタから一本道で繋がっている。

 そんでもって、ベレタから下流に降りていくと、その先にバタラ砦がある。其処の主は、奥様の従弟に当たるグレイドネス・デニム子爵に成るんですって。この旅の最終目的地は、其処に成るんだけど。恐らくその砦が、奥様が立てこもっていた、砦なんじゃないかって思っているんだ。

 此れは考えすぎかも知れないけれど。もしこのベレタの街が、いつの間にかお隣さんの支配下に成っていたら。守りの要に成っている、バタラ砦が完全に包囲されることに成る。

 ゲームさくらいろのきみに・・・のマルーン陥落のスチルの場所が、其処だったら。どうにも成らないことに成ると思う。

 何より、奥様の住まう御屋敷は、その最期の場所ではない以上。次に可能性があるのは、防衛の要所であるバタラ砦だ。ベレタが確りしていれば、そう簡単に後れを取ることも無いとはおもう。そう言う意味でも、このベレタは重要な場所なんだ。

 此れは、リントンさんに聞いた話だけれど。港のとの間に、小さくても良いから砦を作るべきなんだけれど。中々実行させることが出来なくなっているそうだ。

 何よりこの間の、大水による被害が大きくて、新たに砦を作ることが出来なくなっているからね。何より、資金不足はどうしようも無いことなんのだろう。ただ、気になることは金が無いはずなのに、どうして屋敷の周りに城壁を作っているんだろう。

 此れって、領民から家を守るための様にも見えるんだけど。




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