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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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一寸したトラブル 6

「マッキントッシュ卿。どれくらいで直せますか。見た限り人が通る分には、何の問題も無いように思えますけれど。どれほど危険な状態なんでしょうか」


 あたしは、マッキントッシュ子爵が頭を上げるのを待って、一番知りたいことを質問する。答えは何となく分っているのだけれど。一応効いておかないと、少し不自然に成るからね。

 予定では、領都ベレタの中にある子爵邸に、あたしは泊ることに成っているのよね。正直馬車を領都の城壁 の中に入れられないのは、少し不用心で怖い気がするし。何しろ、四頭立ての馬車の中には、この辺りの復興に必要な、資金があるから、出しっぱなしにはしておけないし。何より、持ってきた全部のお金が、マッキントッシュ子爵に渡される物でも無いし。

 一応の予定として、もう一人の子爵の所へ行くことに成っている。そっちは、かなり気になっているのよね。恐らくあそこが、奥様が帝国の野蛮人達に殺された場所だから。国境沿いにある最も重要な、要塞を司るイーモン・アーチディル子爵に会えるのが楽しみすぎるのよね。

 こんな事を言うと不謹慎だけれど。描かれている映像を、生で見ることなんか、滅多に出来ることでも無いし。彼の砦が落ちなければ、マルーン邦が踏みにじられることは無かったのだから。

 確か彼のゲームの中で、何処のスチルにもいなかった人物が、防衛の要を任されている。この人が、奥様と共に戦っていたのなら、必ずマルーン陥落のスチルに入っているはずで、立場的には奥様のとなりあたりに居なければ可笑しい。いくらモブとは言っても、国が滅びる劇的な瞬間なんだし。

 本来なら、何気なく馬車のまま、マッキントッシュ子爵の御屋敷の庭まで入ってから、荷物をほどく予定だった。

 出来れば、あたしが持ってきた荷物を、これだけの野次馬の目にさらしたくは無い。このお金は、デニム家にとっても結構大きなお金だ。前世の様に、印刷すればお金に成る物でも無いしね。

 このお金が問題ではある。このおもみで、橋が落ちる可能性があるって訳で、こうして領都を目の前に為て、足止めを食らっているって訳。勿論、人が一人通るくらいなら、何の問題も無いけれど。流石に、大量の金属を乗せた、四頭立ての大きな馬車だと危ないって判断だと思うのよね。

 こうしている間にも、日が暮れてくる。真っ暗に成ったら、其れこそ危なくて仕方が無い。馬車を領都の城壁の中に入れられないと、何かと危険な事があるかも知れない。お金を小袋に分けて、持ち込むことは出来るけれど。目の前に、お金が歩いていることを知られたら、若しかすると奪いたいと考える人間が居るかも知れない。

 だからと言って、このまま馬車の中に、置いておくことも一寸出来ない気がするし。若しかすると、偶々柱が駄目になったのでは無くて、故意に壊された物だったら、一寸何かある可能性がある。どっちも危険で、本当にどうしたら良いんだろう。


 





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