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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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御領主様との邂逅 5

 ナーラダ村で時々見かけることのある、兵隊さんの姿が、あたしの所から五十メートルくらい離れたところに、十人纏まって立っている。皮鎧に所々鉄の板を取り付けて、幾ばくかの強度を上げた物を着込んでいる。因みに、デニム家の鎧よりは、少しだけお高い物だ。

 何だか違和感を感じる。デニム家の方が、位は上なのに、私兵の装備の方が良いなんてね。となりに、皮鎧を着ている家の兵隊さんが居るんで、兎に角可笑しく感じる。

 マッキントッシュ子爵の領地に、大きな鉄の採掘場があるなんて聞いたこともないし。もしあれば、きっと奥様の裁量で、直轄地に指定しているはずで。そんなに安く鉄製品を手に入れることなんか出来るわけが無いんだ。

 あまりにも当たり前になってしまっていたから、此れまであたしは気が付かなかったのだけれど。彼の装備なんかは、ナーラダ村を含めた十の町村の規模からは可笑しい気がする。もしも、私兵全員にこの鎧が行き渡っているなら、子爵の領地の税収は、一寸あり得ない数字に成っている。

 その辺りも含めて、あたしにこの貴族の処に向かうように、奥様が言ってきたのかも知れないね。

 あたしとしては、一寸複雑な気持ちになる。何しろ、結構昔から世話に成っても居たから。顔を合わせることなんか、全くなかったとは言え。末端の役人には、合っても居たし。中には人の良い人間も居たからね。あくまでも個人的付き合いの中での話し出し。有り難がるような事でも無いけれどね。

 前回の遠征で、こう言った違和感に気が付いたから、あたしを送り込むことに為たのかも知れない。

 あたしは、乙女ゲームさくらいろのきみに・・・のさいに、この辺りもお隣さんから、押しつぶされるから。兵隊さんが少しでも強くなるのには、賛成なんだ。このあたリは、彼奴らの通り道には違いないから、無理のないことなら、兵隊さんを強化しておくべきだと思う。

 しかし、奥様は一寸違った考えを持っているみたいでね。全体的に邦が富んで、兵隊さんの力が強くなるなら、其れは歓迎するらしいけれど。相談もなく、其れも、違法な方法で強化することには反対らしいのよ。

 どちらかと言えば、兵隊の強化よりも、村の復興の方が大事だと考えている。何より、お隣さんが攻めてくるのにはあと暫くは掛かるから。もう少し余裕があるかもしんないしね。

 お隣さんが、攻めてくるようになる、一連のイベントは若しかすると起こらないかもしんないし。何よりトリガーを引く、悪役令嬢なんか何処にも居ないのだから。邦の内情が不安定になることもないだろうし。何より、今回は父ちゃんが味方に居るからね。

 たった一人の英雄で、物事が決るようなことはないのだろうけれど。英雄物語でもないのだから。此れはリアルな現実で、それに見合う何かが必要だって事だって判っている。

 それでも、足を引っ張る人間が少しでも減れば、戦にならないで事をすますことが出来る。

 誰だって、勝てるって判っていなければ、戦争なんて遣りたくはないと思う。お隣の帝国だって、勝機があればこそ攻めてくると思うのね。

 乙女ゲームさくらいろのきみに・・・の内容からだと、何も判らないのだけれど。ただ、悪役令嬢マリアが王都で、暗躍したことが引き金には成っていたはずで。本人は、自分の恋心に正直に行動した結果、王国に、取り返しの付かない内乱を勃発させて、マルーン邦を孤立させてしまい。そして、王都まで攻め上がられてしまったんだ。



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