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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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試験の結果発表 4

 デニム家の馬車は決して、乗り心地の良い物では無い。何故って、この場者にはサスペンダー的な物が付いていないかったからだ。因みにあたし達の荷馬車には、簡易なサスペンダーが付いている。

 あたしが餓鬼の頃、父ちゃんの荷馬車での旅で、あんまり乗り心地が悪いんで、村の鍛冶屋さんにお願いして作って貰った。代金は、猪一頭だったと記憶している。

 其れがあたしの初めての、獲物だったから、彼のオッちゃんに色を付けて、無理遣りお願いした物だ。此れは内緒だけれど、彼のサスペンダーは村の荷馬車には、全部付いていたりする。

 今度奥様に提案してみようかな。何しろこの世界に、特許なんて言う考え方が存在していないから。あたしの懐が潤うようなことはないんだけどね。乗り心地が良くなるのは、取っても良いことだと思うし。

 これだけ立派な馬車の中で、クッションだよりで揺れに耐えているのも、どうかと思うから。其れだけでも解消できれば良いしね。

 此れまで色々とアイデアを出しているけれど、お金に繋がったことはない。何処かのラノベでは、莫大な報酬があったみたいだけれど。アイデアに対する正当な報酬を保証するような、法律が存在しないらしいから、如何したってこんな事に成る。

 この国の平民の識字率が、壊滅的に低いから、法律を理解していないから何だけれど。その辺りは仕方が無いことなんだと思うよ。

 無い為ろあたしでも、読み書きも計算も出来たから。昔住んでいた国の、教育水準は驚異的なことだったんだと思う。何しろ少なくても、中卒程度の学力でも、この世界の基準から言うと普通に貴族程度の学力だったからね。あたしがこうして、なんちゃってマリアを出来ているのも、賢者様のお陰でもあるし、前世の記憶のお陰でもある。

 この世界の考え方の中に、特許って言う物が無かったのは、ちょっと意外だったな。若しかすると、もう少し発展しているところでは、そう言う考え方によって、法律が決められているのかも知れないけれどね。

 実はそう言った法律を作ることが出来る立場に、奥様はいるのだけれど。あたしはそう言う考え方を、奥様に話すことを躊躇為て居るんだ。あたしと奥様との間にある、この距離感で、話を聞いて貰える物なのか、一寸判らなかったからね。

 奥様があたしの顔を見詰めている。少し心配している表情をしている。不思議な事なんだけれど、奥様はあたしの事を気に掛けてくれている。

 あたしは単に、マリアの命を助けただけなんだけどね。見た目がマリアにそっくりなだけで、彼女の娘って訳でも無いからね。あたしの事を捨てたって事は、間違いの無いことだと思うし。今更母親だって顔をしてくれなくても良いからさ。あたしの母親は、死んだ母ちゃんだけだし。

 頭では判っているんだ。其れがどうしようもなかったことだってね。あたしの中のそこにいる、もう一人のあたしが納得しないんだ。たぶん、其れが悪役令嬢マリア何度と思う。彼女が納得しなければ、きっとあたしもなった苦難課しないんだろう。


「そろそろ、休憩にしましょうか」


 奥様がそんなことを言った。気が付けば、あたしのお腹も結構すいてきている。

 窓から、外を眺めると、位森から隊列が出たところだった。背の低い木立が所々立っている場所に出た。人の手が入って場所まででたから、ここからは危険な動物が出にくいだろう。


「隊列を止めなさい」


と、奥様が号令を掛ける。こういう時の奥様の声は、其れほど大きくはないけれど、何処までも通る声だ。

 昔、友達が演劇部にいたんだけれどね。彼女も決して大きな声を出していないのに、マイクを使わないで体育館の端まで、聞こえたのを記憶している。因みに、彼女は女優になりたいって言ってた。成れていると良いなって思うよ。



 

  

 

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