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え、あたしスペア

あたし達の軟禁状態は継続中だけれど、待遇はかなり改善している。何しろ、屋敷の側に建っている宿の部屋に案内された。いまはニックも同じ宿の部屋に居るらしい。ちなみに、部屋の扉を守っている兵士が一人。それを気にしなければ、それなりに良い部屋には違いない。寝床はちゃんとした毛布とシーツが使われており。わらの寝床では無いだけましである。

 ガラス窓では無く、木戸だけれど、しっかりした作りになっている。まだ雨は降っているが、さっきよりは、雨音が小さい。木戸には鍵がかけられており。少々工夫しなければ外を見ることは出来ない。おとなしくしていれば、快適に過ごせるのだろうけれど、こんな扱いには腹立つ。せめて、自分の居場所は確認しておきたい。

 部屋の明かりは、壁にぶら下げられたアルコールランプだけで、決して明るくは無かったけれど、あたしにとっては昼間のように明るく感じられる。あたしにはそうゆう魔力があるのだ。意識さえすれば、猫並みに闇の中で、動くことが出来る。

 父ちゃんが言うのには、あたしの瞳は闇の中で青白く光るらしい。ゲームの中で、あたしが成り済ましたマリア・ド・デニムは明かりの無い中で、ヒロインを追い詰めていたのを覚えている。その後で、ヒーローに返り討ちに遭ったりするのだけれど。キャラクター説明に、猫のように夜目が利くと説明されていたのを覚えている。キャラクターとして、それなりに特徴をつけたのは判るけど、弱すぎねーと思った。どうせならチートでも良かったと思う。

 此れじゃほんとに獣腹なんて、言われるのに納得してしまう。双子だからと言って貶められるような物ではないと言うことは、現代日本に生まれて、ちゃんと教育を受けていれば、常識の範疇であるが、全く知りうることの無い人間にとっては違うのである。とは言っても、あたしもそうだと教育されたから、そういう物だと思っているけれど、其れをちゃんと説明できるかと言われると、全く自信が無い。なぜそうなのかと言うことを、確かめたことは無いから。

 あたしは此れからどうした物かと考えている。マリア・ド・デニム伯爵令嬢を助ければ、彼女がそのまま悪役令嬢になって、良い感じにストーリが進んで、内戦イベントや隣国のディアニア王国との戦争イベントを乗り越えてくれると思っていたけど、どうもそうは成らない感じになってきた。

 どうも墓穴を掘ったかも知れない。どうやら、あたしにマリア・ド・デニム伯爵令嬢の影武者兼護衛にしようって、お偉いさんが考えて居るみたい。

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