表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。  作者: 木山楽斗
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
63/81

第49話 威厳を持って

 私は、プリネさんを追って下の階に来ていた。

 上の階は、レティが行ってくれているので、私はこちらを探すのだ。


「あれ……?」


 下の階に下りてきてすぐ、私はプリネさんらしき人を見つけた。

 またも、周りを気にしながら、歩いているようだ。やはり、プリネさんは何かを気にしながら歩いているらしい。

 そして、こちらの階に来たということは、プリネさんは家庭科部に向かった訳ではないということである。薄々そう思っていたが、今日も家庭科部にはいかないらしい。


「追わないと……」


 幸いこちらに気づいてはいないようなので、私はゆっくりとプリネさんの後をつけた。

 その道筋から、恐らく校舎裏に向かっているような気がする。

 校舎裏というのは、あまりいいイメージがない。人気のない場所というのは、一人で行くには少し怖い所だろう。

 そんな場所に、プリネさんが向かっている。そのことが、私を緊張させてきた。何かがある。そんな気がするのだ。


「あっ……」


 そこで、私は身を隠していた。なぜなら、あの貴族達が現れたからだ。

 彼女達は、プリネさんの後ろから、同じように歩いて行く。

 やはり、いいことは起こりそうにない。ここは、どうすればいいのだろうか。

 考えられることは、いくつかある。


 一つは、このまま彼女達を追って、その現場を押さえること。

 そうすれば、彼女達も迂闊なことはできなくなる。ただ、一人で彼女達に立ち向かえるのかは、少し不安だ。


 もう一つは、ここで引き返し、レティと合流すること。

 その方が、彼女達に対する効果は高い。だが、それには時間がかかってしまう。


「行くしかないよね……」


 結局、私は前者を選択することにした。

 レティを呼びに行っている内に、彼女達がここを移動しないとも限らない。

 ここは、現場を押さえるこが先決だ。レティなら、きっと上の階を見終わった後、こちらに来てくれるだろう。そのため、この選択で問題ないはずである。


 私は、意を決し裏庭に足を進めていく。

 すると、声が聞こえ始めた。何か言い争うような声だ。いや、一方的に言っているだけという方が正しい。


「あなた、自分が何をしたかわかっているの?」

「あの部活は、公爵令嬢が集まる神聖な部活なのよ。そんな所に、あなたのような平民が加わろうなんて、許されることではないのよ?」


 それは、プリネさんを責める言葉だった。

 やはり、彼女達はプリネさんを攻撃していたのである。彼女が、公爵令嬢が二人も入っている部活の見学をしたため、攻めているのだ。


 恐らく、昨日も似たようなことを言ったのだろう。プリネさんが、あの時間に教室から出てきたことを考えると、私達が部活をしていた間、責められていたはずだ。

 その長い時間を考えると、胸が痛くなる。自分よりも地位が高い者達に、集団で攻められ続けた。その体験が、プリネさんをどれだけ傷つけたのだろか。

 私は、一度呼吸を整える。彼女達の前に出ていかなければならない。それには、公爵令嬢としての威厳がいる。

 気高く力強くならなければ、彼女達に押し負けてしまう。それだけは、避けなければならない。


「あなた達! 何をしているのですか!?」


 私は大きな声を出しながら、彼女達の前に出た。

 すると、そこにいる人々の視線が私に集中する。


「あ、あなたは……」

「ルリア・フォリシス様……」


 私の登場で、数名の貴族達の表情が変わった。

 やはり、堂々と出てきてよかった。そのおかげで、私が公爵令嬢であり、彼女達よりも上であるということを示せている。

 これでなければ、効果がない。彼女達にわからせなければならないのだ。自分達がしていることが、どういうことかを。


「平民の方を、寄ってたかっていじめる。あなた達には、貴族としての誇りというものがないのですか?」

「うっ……」

「このことは許されないことです。私は、公爵家の人間として、あなた達に然るべき措置を行います」


 私の言葉で、ほとんどの貴族達は参ったような表情になった。

 私の地位は、彼女達よりも上だ。よって、この宣告はかなり効果がある。


 こうして、私は彼女達の前に立つのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ