表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。  作者: 木山楽斗
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/81

第34話 嬉しそうなお兄様

 私とレティは、お兄様に呼び出された。

 それは、私達が家庭科同好会に入ったことが、お兄様の耳に入ったからである。


「それで、お兄様は、どうして家庭科同好会に注目していたのですか?」

「ああ、そのことか……」


 お兄様から、トルカのことを黙っていたことを謝罪された後、私はそう質問していた。

 お兄様は、家庭科同好会のことを注目していた。その理由がなんなのか、私達は聞いていないのである。


「もしかして、お姉様の友達のトルカさんがいるからですか? あ、ティアナさんの可能性もありますか」

「いや、そういう意味ではない。確かに、ルリアの友人とソラシア家の娘は個人的に気になる存在ではある。だが、それだけで一つの部活に注目することはない」


 レティの質問に、お兄様はそう答えていた。

 その質問は、私も少しだけ思っていたことだ。だが、お兄様が個人の立場で、部活を特別視しないと予想はできた。

 どうやら、私の予想はおおよそ当たってはいたらしい。


「俺があの部活に注目していたのは、あの部活が作られた経緯にある」

「経緯ですか? 確か、去年できた部活だと聞きましたが……」

「ああ、家庭科部というものは、我が学園には存在していなかったからな……」


 お兄様が注目しているのは、家庭科同好会が作られた経緯であるようだ。

 あの同好会は、ティアナさんが料理や裁縫をしたいという望みを、トルカが叶えようと思い、作ったものである。


「故に、彼女達は自ら部活を作ることを選んだ。その精神は、見上げたものだ」

「確かに、中々できることではないと思います」

「そうだ。そもそも、我が学園では初めてのことだ」

「え? そうなのですか?」


 お兄様の言葉に、私は驚いた。

 すごいことだと思っていたが、まさか、初めてのこととは思っていなかった。

 トルカやティアナさんが、かなりすごいことをしていたようだ。


「我が学園は、設立時にいくつかの部活動を用意しておいた。大抵の者は、その部活に所属する。または所属しないということを選んでいた」

「はい……」

「だが、トルカ達は、その現状に満足せず、自身達がしたいと思ったことを叶えるために、動いた。その心意気は、敬意を表せるものだ。結果的に、部活にできるまでの人数は集まらなかったが、それは関係ない」


 トルカ達のことを語るお兄様の表情は、とても満足気だ。

 恐らく、お兄様が求めている生徒は、トルカ達のような人たちなのだろう。


「そんな部活に、お前達が入ったことを、俺は嬉しく思っている。お前達の部活動は、有意義なものになるだろう」

「はい。きっと、そうだと思います」


 お兄様の話を聞いて、私は益々家庭科同好会に入って良かったと思った。

 そういう経緯でできた部活なら、お兄様の言う通り、有意義な活動ができるはずだ。


「さて、お前達が入ったことで、家庭科同好会は家庭科部になる訳だ。つまり、かなりの資金を投資できる」

「え? 資金ですか?」

「ああ、同好会と部活では、学園側から出る資金の額がかなり異なる。恐らく、今までの数倍になるだろうな」

「そ、そうなのですね……」


 お兄様は、私に対して嬉しそうにそう語る。

 どうやら、同好会から部活になると、かなりメリットがあるようだ。

 それにしても、お兄様がこんなに嬉しそうにするとは、余程家庭科同好会に入れ込んでいるのだろうか。


「お兄様、ひょっとして、お姉様が入ったから、かなり優遇しようとか考えている訳じゃありませんよね?」

「俺は、そんなことを考えることはない。ただ、規定に従ってことを進めるだけだ」


 レティの質問に、お兄様がそう答えた。

 私がいることで優遇することなど、お兄様にはない。妹が入っているからといって、特定の部活を優遇することはないのである。

 家庭科同好会も、個人的に気にかけていただけで、特に優遇していた訳でもないのが、その証拠だろう。


「でも、なんだかとても嬉しそうなんですけど……」

「それは、気にかけていた部活が正式になり、しかも妹達が入ったことでそれが起こったのだ。これ程、嬉しいことはない」


 お兄様は、とても喜んでいた。

 本当に嬉しそうで、こちらまで嬉しくなってくる。


 こうして、私達はお兄様に喜ばれるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ