プロローグ「炎の剣聖」
黒海の底、地獄の断頭台が燃え盛る中1人の男が処刑台へと登っていた。断頭台から見渡す地面は燃え盛る炎で溢れかえっており、地獄絵図である。
その男が処刑される時間は午前9時30分である。
男の名は、ポール・ビアード、年齢は47歳。
アルティアンの海兵として捕らえられた。戦争により、海底人としての誇りも男は失った。
海底軍人としてアトランティスの復興の為に、男は動いていた為に捕まってしまった。
「おい、何か言い残す事はねえか?」
髭面の男は、ポールの首に、剣先を突きつけた。
「せめて、家族に合わせてくれ。頼む。最後でもいい1度でいいから家族に。」
「無駄だ。お前は終わりだ。裏切り者は殺すっていうのがあのお方のやり方だからよ。どんなに喚いたっってあるのはお前の死だけだからな。」
髭面の男の後ろから全身を炎に包まれた男が颯爽と歩いてきた。
男は、ポールの頭を掴んだ。すると凄まじい熱にポールは、痛み回った。
「やめろ、離せ。俺の命を殺さないでくれ!!。あとは家族の命だけは、頼む。」
すると男は、剣先から炎を出すと脅した。
「ぎゃあぎゃあうるせえんだよ。じゃあ、てめえのその面も俺と同じように、焼き尽くしてやろうかぁ??んぁ。見ろ、これが俺と同じ炎に統べる者。地獄の断末魔の叫びっていうのがな。お前の家族もどっちにしろ焼き討ちだろう。」
男は剣先から炎を振りかざすと、ポールの身体は焼き尽くされた。凄まじい、やけどのような高音の炎が全身に回った。
高温の炎は、身体全体を覆い尽くした。燃え盛る炎の中、ポールは断頭台から、地面へ落下した。
処刑された何人もの海兵がそこで、焼き討ちにあった。
焼き討ちにあった海兵達は皆第二次黒海大戦の捕虜としてこの国に捕らえられた海兵達だった。
断頭台から落下した、ポール・ビアードは燃え盛る炎に焼かれ呻き声を上げた。
ポールは死ぬ瞬間息子達、家族の事を思い浮かべた。黒海帝国の統一の為、兵士として戦場へ駆り出され、無惨にも消え去った命。
そんな中、捕虜として捕らえられた100人近くの兵士達が、断頭台から焼き討ちの刑にあった。
「ははは、いい声してやがる。水の底に、こんな暑くて、世界の終末と共に俺の人生にとって最高な時間だろうな。」
「さすがベリュドラ様。ベステフィル帝国の悪の帝王、炎の剣聖として新たな帝王になるんですからね。」
髭面の男は、ベリュドラの副臣、ガズディークである。ベリュドラは全身を炎に包まれその素顔すら明かされていない。ただし黒海の3つの帝国のうち、ベステフィル帝国の悪の剣聖として恐れられている。
「この捕虜共は皆殺しだ。いずれは俺たちの勢力に負け、屈服することになるだろうよ。全ては黒海帝国を手数に収め最強の帝王となる為にな。」
ベリュドラという1人の男の野心が大きく動き出そうとしていた。