5話 夢の中で
ご無沙汰してます。やっと続き、書けました。
今回は4人それぞれ書いていきます。
まずはハルヤのターン。
眠った気はないのに、寝ている・・・のかな?
どこかなーここ。
ゆるやかに風を感じるが、周囲には何もない。
ただただ揺らめく白い泡のような金色の波のような、
壁でもないのに壁のような、わけわからない空間が広がっている。
そこに、胡坐を組んでハルヤは漂っていた。
足が地に着いていないが、不安定な感じはしない。
あったかくてポカポカして、気持ちいい・・・。
はっ。夢の中でまで寝そうだった。いやだって、気持ちいいよ~ココ。
あれ、今、起きたのは・・・うん、突かれたからだ。後ろから肩のあたりを、ほっそい何かで、ツンツンと。
・・・ゆっくりと恐る恐る振り向いてみる。目の高さには何も見えなかった。やはり白い壁のようなものが後ろにもずーーーっっとある。
『こっち』
声のほう、上を向いてみると、薄くピンクがかった人型のような影があった。
「うげっ!」
うええ、のっぺらぼうとか無理!無理無理!!
『ちがう・・・わたし・・・神・・・』
ごくん、と唾を飲み込んだ。これが神?なんか色素も肉感も、周りの壁に同化しそうなくらい、うっすいんですけどー?しかもちびい。ちび。おれよりずっともっとチビ!!ガキンチョサイズ!これのどこが神?神さまって強くて大きくて存在感バッチリ!!って感じじゃないの???
『ちから・・・取られてる・・・半分以下・・・』
しかも話がカタコトですよ。いいのかコレ。というか、声に出してないけどオレ。
『わかる・・・神・・・だから、あたりまえ・・・』
ああそう、便利でいいけど。で、何なの?何の用なの?
『呼んだ・・・あなたたち・・・わたし・・・』
ああ、あんたが呼んだのか。っていうか、他の3人は?
『一度に・・・会うの・・・今・・・無理・・・一人ずつ・・・』
それって、力が半減してるから?
『そ、う』
ふーん、なんとなくだけどわかった。力が足りないから、一度に全員とは会えないわけね。
で、何の用?
今度は神さまがこてっ、っと頭を傾げた。
『事情、・・・の、・・・説明・・・」
ああ、そっか、そうだよね、必要だよね。っつか遅!!もうこっち来てから半日以上経ってんだけど!!
今ごろかい!!なんで来てすぐとか、いやそもそも、こっちに来る途中で説明とか、それがセオリーじゃね?親切なし?親切にしてくんないの?勝手に呼んどいて?
『ちがう・・・回復・・・時間・・・必要・・・』
ジト目で見ていたら、なんか切なげに言い訳された。ま、いっけど。で、説明、よろしく。と脳内で言ったら、ちょっと神さまに唖然とされました。なんか雰囲気的にそんな感じが伝わってきた。なんだよー、人がせっかく、話すすめてやってんのに。文句も1回で終わらせたのに。もっと文句言ってほしいのか?
『ちがう・・・話す・・・』
はい、そうしてください。
『異世界・・・より・・・悪魔・・・来て、・・わたしの、半身・・・夜の、女神・・・捕まった・・・』
夜の女神?捕まってんのか。じゃあ、その神さまを助け出せばいいのか?
こくんと頷きが返る。この女神さまは体もちっちゃいが、仕草もちっちゃい子どもみたいだ。
『ちなみに、キミは昼の女神?』
『太陽・・・の、女神・・・朝も昼も夕方も・・・わたしの、領域』
ああ、そう、それはまた長いね・・・というか、お疲れさまというか、うん。
『助けて・・・異界の、ちから、命、必要・・・』
うーん、それで、助けたら帰してくれんの?オレたちの世界へ?
『夜が、戻れば・・・全になる。・・・帰せる・・・』
おお!やった!! じゃあ、帰れるんだ!! よっしゃー!!
『助けて』
おー!わかった。そうする。んで、帰る!!
『帰す・・・わかった・・・約束。』
よし、約束だ!
はー、良かった。これで帰れないとかじゃなくて。いろいろ詳細は省かれているけど、それでもともかくも帰れるとわかれば、それだけでもうれしい!!
ああ、なんかほっとした・・・・・。よかったあああ・・・!!!
ぽおっと、頭上の子ども?が光りだした。両手を包んでいる。まばゆい光が一瞬、強まり、すぐに消えた。
『あげる・・・武器・・・入れ物・・・いろいろ、入ってる』
へえ?武器? ふわふわと浮かんで飛んできたのは、どうやら指輪のような形をしてる。丸い輪っかの金属のようなものだ。ひょい、と右手で受け取める。
『勝って・・・倒して・・・異界の、悪魔・・・夜の、助けて・・・』
りょーかい! そしたら帰してくれよな!!
『約束』
おっけー!!で。そいつどこにいんの?
『謎・・』
は?なぞ??わけわかんねー。つまり、居場所がわからないってこと?どこにいるのか、その、敵さんも夜の女神さんも、わからない?
『なぞ・・・』
あっそう。そうですか、・・・丸投げかよ!!つっかえねー!!という評価が響いたらしく、うなだれたポーズ、って世界超えても共通なんだろうか・・・こう、首が下を向いてて、っていうか、肩ごと下に落ちてるというか俯いてるというか・・・。
『能力、は、たくさん・・・あげる・・・』
ちょっと泣き出しそうな神さまである。まーいっか、チート能力もらうのは、問題ないだろうし。
ぽんぽんぽん、と色とりどりの光の玉がおれに向かって飛んできては、おれの体に触れるか触れないかの所でシュッと消える。どうやらこれが能力・・・というか、この場合はスキルかな?・・・っぽい。ありがたくもらっておく。ここは遠慮したら死ぬパターンだ。生きて日本に帰るためには、もらっといたほうが絶対イイ。
そうして、25個を数えたあたりで(暇だったので数えてみた)打ち止めになった。
『これで、今は・・・いっぱい。わたし・・・が、もう、・・・・無理・・・」
そんなわけでここで終わりのようだ。それはいいけど、説明してもらわんと、ぜんぜんわからないんですが。使いこなせるのかなー?かなりたくさん、もらっちゃったけど。
『自然と・・・わかる・・・わかる、機能・・も、付けた・・・』
あ、そりゃどーも。ありがとう!さすが神さま!やっぱチートだね!
『お願い・・・』
そう言って、うっすらとしていた神さまは、さらにうっすらとなり消えていった。
残されたオレは、やっぱり気持ち良くて眠くなって・・・寝落ちしたら、今度は普通にベッドの上で目が覚めた。
けっこう軽いノリになってしまった、ハルヤ。
うーん、もちょっと、こう・・・なんか違うんですが、
勝手に動くって、こーゆーことですかね~。
週1更新目指してますが、かなりまったりになりそうです。
ご容赦くださいませ。