プロローグ 災厄の女神の死闘
「はぁ、はぁ、なぁ〇〇〇天界の騎士ってこんな奴らばっかりなのか?」
一人の青年は何もない空間に問いかける
[そんなわけなかろう。こやつは、下から数えたほうが早い騎士だ。]
驚愕の事実をたたきつけられ青年は呆れた顔をする
[さぁ、来るぞ!!]
「何他人事みたいに言ってくれてんだよ。俺が死んだらお前も死ぬだろうが。」
騎士は躊躇なく魔術を放とうとするが、魔術は発動しなかった
騎士が戸惑う。それも仕方ない、先ほどまで詠唱していた魔術が憑依元により止められたのだから……
「お、止まった。やっと制御したか、遅いってのセラの奴自分が手ぇ出したんだから早くしろっての。」
青年は言葉とは裏腹に安心した顔をしている
[さぁ、今のうちに我を召喚するのだ。]
「仕方ないな、俺一人だとこのまま死ぬしな。」
[早くするのだ!セラでもずっと抑えるのは無理があるのだからな。]
「わかってるってば!」
青年は息を一つ吸い込み詠唱を始める
《我は乞い願う 神々の中の一柱 災厄をもたらし眼前の敵を 冥府へと誘えーーーっ!!!!》
「来い!!グリム!!!俺の体使っていいからこの敵何とかしてくれ!!」
[元よりそのつもりだ、アスタいや、マスター!]
アスタと呼ばれた青年の体にグリムと呼ばれた災厄の神が憑依する……
ちょうどその時天界の騎士は魔術を発動させた。
[ふむ、セラはそろそろ限界か。任せろすぐ引き剥がしてやるのだ。]
魔術がアスタの体を直撃する
だが、無傷だった、いやその表現は間違っているかもしれない
なぜなら、見た目はアスタ本人の体だが、中身が変わることによって神になっているのだから
[天界の騎士よ、いやオルトリンデ。久しいな、天界大戦以来か……]
オルトリンデは初めて口を開いた
[お久しぶりです。災厄の神]
[貴方様のことだ、自分を操れずに憑依したのだろうが相手を間違えたな。すまないが、ここで消えてもらうぞ!!]
オルトリンデは大剣を構えグリムへと突進する
[今のは聞きづてならないのだ、マスターは我が唯一認めた魔術師だ!]
[そして、消えるのは貴様のほうなのだオルトリンデ]
グリムはオルトリンデに対して詠唱を開始する
《我が手から出るは 冥府の炎 我が敵を焼き払え!!》《デス・クリムゾン》
冥府の炎はたちまちオルトリンデを焼いた
だが、その瞬間グリムの体に異変が起きた
[やはり、あ、貴方……様と、その魔術師の体は……あっていなかったようですね……]
[ふ、ふざけるな!我とマスターの深淵は似ているのだ。こんなことあるはずがない!]
グリムは死に物狂いで魔術の詠唱を始める
《我は災厄を起こす者 今ここに神の力を持ってーーー》
そこで詠唱は途切れた
ぱたりとグリムが倒れたからだ
[マスターの体が倒れるってことは……くそ!魂は消えたのだな。]
[ここでとどめと言いたいですが残念ながら私の憑依元も死んでしまったようです。]
そういうとオルトリンデは光に包まれて消えた
[すまない、マスター……我はもう眠たい、少し寝るのだ。]
そう言い残してグリムは1000年の眠りについた
*****
《我は乞い願う 今召喚するは神々の一柱 災厄の女神よ ここに顕現せよ》
「さぁこい!災厄の女神グリム!!!」
なんなのだこの間違った魔術は……
まるで、マスターのような
でもマスターはいないのだ
仕方ない、召喚に応じてやるのだ
[我を起こしたのはそなたか?我は災厄の神グリム召喚に応じて顕現した]
再び召喚された災厄の女神は不敵に笑った
初めまして
今日より連載させていただきます
√るーとといいます
プロローグはグリムという災厄の女神のお話になってます
そして、この話はこれから先のお話のフラグとなってます
誤字脱字たくさんあるかもしれませんが
温かい目で見守っていてください
これからよろしくお願いいたします