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プロローグ
「ゴ、ゴメンなさい〜〜〜」
そう叫びながら遠ざかる女学生を見送りながら、
「あぁ、今日で何度目だろうか」
などと私はどうでもいいことを口ずさむ。
言っておくが、彼女は特に私に対してやましい事など何もしていない、善良な一般的な女学生であり、私自身何もやましい事など断じてしていない。
悲しみを胸に秘めながら、私は晴れて高校2年生に進級し、新たなクラスメイトに心踊らせながら、教室の前に立つ。
自慢では無いが私はボッチだ、この学校に入学してからの友達獲得数は0であり、正確には中学校入学からの友達獲得数が0だ、だが今日からは違う、この新たな教室で真の心の友を獲得し、ボッチ童貞を見事卒業してみせる。
教室の中からは楽しげな喧騒が聞こえてくる。
「ふふふ、今日から俺もこの喧騒に混じるのか」
などと呑気な事を考えながら教室の扉を開く。
ガラ
シンと静まり返る教室、生気を失った目で机を見つめる生徒、一部の生徒にいたっては、小刻みに震えながら涙目になっている。
あぁ今年も駄目そうだな、と学園最凶の不良扱いされている、拳豪将軍こと私『足利総一郎』は愚考する。




