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―Ⅱ―

逃げた女性の名は佐易サエキである。今日は田中と食事に行くつもりであった。 「どうした。」


 田中は佐易に訊ねた。佐易が思い詰めたような表情をしていたからである。佐易はボソリと言う。


「…怖い事があった。」







「…なるほど」


 レストランにて、田中は佐易から先程起きた出来事の一部始終を聞いた。


「そりゃヤバい奴だな。妄想に狂っちゃてるな。そいつに何があったか知らんが、怖いな。」


「一応会社員みたいなの。名刺を受け取っちゃったんだけど…」


 田中は名刺を眺めた。


「第八株式会社?」


「知ってるの?」


「友達が勤めてる。」


「そう…」


 しばし沈黙が漂い、レストランの中学生の話し声が聴こえてくる。「なあ、おまえ彼女いるの」「いねえよー!」「うそだ!あの時」


 やがて、田中は口を開く。


「なあ。」


「何?」


「友達に訊こうか?彼の事。」


「え、いいの。」


「それくらい、何て事ないさ。久しく彼とは飲んでなかったし。」


 田中は名刺を財布にしまう。

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