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7月28日 月精霊ルナの優雅(?)な一日

今回はルナちゃん視点でのお話です~

「はぁ・・・」


「レイ、ため息なんてついてどうしたの?」


__ため息なんぞつくと幸が逃げるぞ?


朝起きてから、レイの元気がない気がするな~。


「どうしたって・・・今日、水着コンテストの日だから・・・」

そういえば、今日は水着コンテストだっけ。レイが町になじめたらいいなって思って勝手に応募しちゃったけど、すごく嫌がってるみたいだしやっぱり勝手に応募したのはまずかったかな・・・。でも、応募しちゃったんだしちゃんと参加してもらわないとね♪


「勝手に応募しちゃったからさ、終わったらミゾレと一緒にごちそう作って待ってるよ」


「そんなもので釣る気?まぁ、ここまできて断るのも悪い気がするから参加はするけど・・・。別に、ごちそうに釣られた訳じゃないからね!?」


そう言いながらもうれしそうにしてるレイ。素直じゃないけど、そういうところがかわいいと思うんだ♪


「じゃぁ、レイの好物を用意してるから、がんばってきてね!」


「むぅ・・・仕方ない、行ってくるね」


__妾が同行してやろう。感謝するじゃ!


「はいはい・・・別に頼んでないんだけどな~・・・」


「いってらっしゃ~い」


さて、と・・・。レイにはシルフィがついてるみたいだし・・・レイの水着は気になるけどそれは今度でも見れるから今日は町を見て回ろうかな。








「ふんふふ~ん♪」


朝の清々しい空気の中、軽い足取りで歩く。今日の服装は白のシャツとホットパンツ、チェーンのついたお財布。レイが知ったら「ボクもこういう服がいい!」なんて言いそうだな~と考えつつ、すれ違う人に挨拶をしたりしながら気の向くままに町を進んで行く。もし迷子になっても元の姿になれば大丈夫だからと、いつもは通らないような狭い道にも入ってみたりする。お昼ご飯はどうしようかな~。


__あら?ルナ、今日は一人なのね


「あ、ウェズ。今日はレイとは別行動だよ~」


__珍しいワね。レイにはちゃんと誰かがついてるの?


ウェズがふわりとボクの肩に乗る。雲みたいな質感なだけあって、すごく軽いように思える


「うん、ちゃんとシルフィがついてるよ」


__そう、ならいいワ。ちゃんと見てるのよ?


「うん、わかってるよ・・・」


__わかってるならいいワ。それでも、しつこいくらい言っておかないと、もしものことがあってからじゃ遅いのヨ。


「うん・・・」


__さて、と・・・ワタシはそろそろ行くことにするワ。レイのこと、よろしくネ


「うん、わかってる。レイのことはちゃんと守るから」


__それじゃあね


そう言って消えるウェズ。レイのことを守る、と決意を新たにして・・・まずは食べ物屋さんをさがそうかな。あ、この前行ったお店がいいかな。う~ん・・・距離があるし、一旦狼に戻っちゃおっと。ええと、そこの路地なら人気がなさそうかな・・・


路地裏で狼に戻り、人に(多分)見えないのを良いことに宙を蹴って空を飛ぶ。これでも一応高位の精霊だし、空を飛ぶことくらいはできるんだ。


__あら?ルナ、今日は一人ですの?


途中で蒼龍に声をかけられて足を止める。


__む、アクアはお散歩?


__えぇ、そんなところですわ。ルナもお散歩ですの?


__うん、まぁそうかな。今からお昼ご飯にしようと思って、この前見つけたお店に移動中だよ


__そうでしたの。せっかくですし、ワタクシもついていきますわ。といっても、ワタクシはお昼は済ませてしまいましたし、小さき姿になりますの。運んでくださるかしら?


__仕方ないな~・・・ほら、乗ってよ。


小さくなったアクアを背中に乗せ、『流星』の方に駆ける。








ビストロ『流星』を見つけ、近くで人気のない場所に着地、周囲に気配がないことを確認してから人型になる。今日はお昼時だからか、以前より店内に活気があるように見える。


「おっじゃましま~す」


ん?何か視線が集まってる気がするけど・・・気のせいかな?席に座り、メニューは見ずに前頼んだのと同じオムライスを注文。運ばれてくるまで暇なので、アクア(小さい龍の姿のまま)とおしゃべりしながら待つ。・・・視線が集まってる気がするけど気のせいだよね?


__いまさらですけど、貴方、不審に思われてると思いますの。


「ん?何でボクが不審?」


__だって、ワタクシは今人から見えないのですのよ?だから、普通の人には貴方が一人でしゃべってるように見えますの。


「あ・・・そっか。忘れてたよ・・・」


まぁ、多少変に思われても困ることはないし、いっか。結局周りの視線を気にすることもなくおしゃべりを続け、運ばれてきたオムライス(アクアと話してる時に運ばれてきた。運んできた人が怪訝な表情をしてた気がするけど、気にしない)を食べてから店を出る。


__いい雰囲気のお店でしたわ。今度人型で来てみることにしますの。


「うん、このお店気に入ってるんだ。・・・といってもまだ2回目だけどね」


__あら、そうでしたの?常連なのかと思いましたわ。・・・と、ワタクシはそろそろ行きますわね。それでは、ごきげんよう


「ん、またね~」


さてと、夕飯の材料買いに行かなきゃ。レイの好物は魚介類と果物だったから、スーパーで買い物しようかな。

さっき降りた場所まで戻り、狼に戻りスーパーに直行。そろそろ日も暮れるし、お買い物は手早く済ませた方がいいかな~





__おっ、ルナじゃねーか。買い物か?


スーパーの前で手乗りサイズの朱雀フレイに声をかけられる。


「うん、今日の夕飯の材料を買いに来たんだ。」


__そうか、暇してるしオレもついていくか!


手乗り朱雀を肩に乗せ、スーパーに入る。





__なぁ、レイの好物って果物と魚介類全般だろ?ならさ、イカよりタコの方がよくねーか?今日は安いみたいだぞ。


かごの中を見て、肩のフレイが声をかける。


「う~ん・・・でも、商店街の方だといつもこのくらいの値段だった気がするよ?あれ?違ったかな~?」


ミゾレならちゃんと値段を把握してるんだけどな~・・・


__う~ん・・・オレはこう言うのは詳しくないからな。おっ、アジの干物、割り引きされてるぞ!これなら確実じゃねーか?


フレイに言われて見ると、消費期限間近の干物が割引きされている。うん、この値段なら果物も買えそう。


「うん、そだね~。じゃあこれと・・・あとは果物だね」


フレイと会話してるとき、周りから視線を集めてる気がするけどここでも気にしないことにする。そんなことより、今はお買い物に集中しないとね!


__今の季節はなにが旬なんだ?


「さぁ・・・?ええと、イチゴはどうだろう?」


果物の旬には詳しくないな~・・・。出かける前に調べておけばよかったかな。


__イチゴは春だろ?ええと・・・柿じゃねーか?


「柿は秋でしょ・・・。あ、トウモロコシは夏だよね!」


__それ、野菜じゃねーの?スイカならいいんじゃねーか?


肩の上で足踏みするフレイ。こう言うところが何となく鳥っぽいな・・・。


「スイカも野菜って聞いたことがあるんだけど・・・」


__甘いからいーんじゃねーか?それに、オレもルナも他に思い付かねーんじゃしゃーないだろ。


フレイの言うことも確かかな。他に何があるって言われてもわからないし・・・


「う~ん・・・じゃあ、スイカにしようかな」


スイカに決めてお会計を済ませる。うん。ちゃんと予算内に収まってる。完璧だね!








__さて、と・・・そんじゃオレは帰るとしますか。ルナも早く帰れよ?


「うん、わかってるよ」


フレイと別れ、家路を急ぐ今日はそこら中で視線を感じたな~・・・。気のせいかな?・・・ま、いっか。

綺羅ケンイチさんより、『流星』お借りしました~。精霊達が常連さんになる予感です~。

ルナちゃん大暴走の回でした。レイ君、不思議ちゃん確定の予感・・・。「濡れ衣だ~!」と叫ぶ様子が目に浮かぶようですが、気のせいでしょう(笑)

実は、今回いままでで一番文字数が多かったり・・・。主役はレイ君ですよ?ただ、ルナちゃんが暴走して、話が長く・・・。書いていて楽しい回でした。

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