7月26日 迷子と隠れた名店?
「ねぇねぇ、一緒に町を歩こうよ!」
朝、朝食の席で不意にルナ(人型で向かいの席でベーコンにかじりついてる)が切り出す。
「町ってこの町?」
「うんっ、引っ越してきたばかりでまだ知らない場所が多いでしょ?だから、探検したら面白いんじゃないかなって。」
「レイ、出かけるのでしたら日傘を持っていってくださいね。帽子も忘れないでください。」
ミゾレもルナも出かけることを決めちゃってるような口振り・・・まぁ、たまには町を歩くのも楽しいかな
「うん、じゃあ準備してから出かけようか」
「では、今日の夕食は私が作っておきますね。昼食は弁当を持っていきますか?」
ミゾレはお留守番する気かな。夕食はありがたく作ってもらうことにして、昼食は見つけたお店で食べるつもりなので弁当は断っておく。服は・・・ミゾレに選んでもらおうかな
「レイ、可愛い~♪」
「むぅ・・・服、違うのにしていい?」
「だめです。せっかく選んだのですし、今日はこの服ででかけてください」
「えぇ~・・・」
ボクの服装は白のワンピースに麦わら帽子、ピンクのポーチを肩から下げ、日傘を持って、靴はサンダル。
「早くでかけようよ~」
落ち着かない様子のルナも同じ服装だけど、帽子はかぶってなくて日傘も持っていない。そんなルナに引っ張られるような形で家を出ることになった
「ええと・・・ここ、どこ?」
「さぁ・・・?」
意気揚々と出発して色々見て回って時間は夕方にさしかかる頃。周りは知らない景色・・・
「レイ、地図は持ってこなかったの?」
「忘れてきちゃったみたい・・・」
ちゃんとポーチに入れたはずなんだけどな・・・
「えぇ!?じゃあ、ご飯どうするの?」
そっち!?家に帰るとか、そっちの心配はしないの!?・・・でも、まぁたしかにご飯のこと考えないと・・・。と考えながら歩いていると、ちょうど近くにお店を見つける。ええと・・・『流星』?
「とりあえず、このお店に入ろうか。」
「うん、ボクもうおなかペコペコだよ~・・・」
平日な上に中途半端な時間だからか他にお客さんはいないようだけど、店内の雰囲気はとても良いように感じる。ルナは雰囲気とかどうでも良さそうにしてるけど・・・。
「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」
店員さんの数は少ないみたい・・・。この人が店長さんだったりするのかな?とりあえず、席についてメニューを開く。色々な料理があって、どれも美味しそう。しばらく悩んで、ボクはオムライスとティラミス、ルナはスパゲッティを注文。
「ねぇ、レイ。地図、持ってないって言ったけど、ちゃんとポーチの中探したの?」
「うん、探したはずだけど・・・あ。」
ポーチの中をよく探すと2つに仕切られていて、探していない方にはちゃんと地図とコンパスが入っている
「・・・レイっておっちょこちょいだよね」
「むぅ・・・。ちゃんと探したはずなのに・・・」
「お待たせしました、『とろとろオムライス』と『茄子とトマトのミートソーススパゲティ』です」
そうこう言っているうちに料理が運ばれてきた。
「このオムライス、レイが作ったのより美味しいかも。」
「プロの人と比べないでよ・・・」
スパゲティはすごく美味しくて、ティラミスもスイーツ店で買うものよりも美味しいくらいだった。
お会計を済ませ、店を出る。ちゃんと地図があれば迷うこともなく、日が暮れる前には家に着くことができた。『流星』、また機会があれば行きたいな~
綺崎ケンイチさんより、ビストロ『流星』とその方達をお借りしました~。不具合等ありましたら、お知らせください