7月24日 おすわり
朝、空腹で目が覚めたら、目の前に銀髪美少女の寝顔。
「・・・どういう状況・・・?」
うん、何でルナがボクのベッドで寝てるのさ・・・。ちゃんと部屋があったはずなんだけど・・・と、そこまで考えてから昨日のことを思い出す。
「レイ、起きたようですね」
「あ、ミゾレ。昨日は迷惑かけちゃったみたいでごめん・・・」
「気にしないでください。レイが病弱になったのは私たち精霊のせいですし・・・」
「病弱言わないでよ・・・」
事実だとしても病弱って言われるのはちょっと・・・。と、そんなことより・・・
「何でルナがここで寝てるの?」
「レイが心配だからといって離れなかったのですよ。・・・こうしてみると、双子のようですね」
「双子、かぁ・・・。確かにボクとルナって似てるよね」
「ボクとレイは一心同体だからねっ」
「ぅひゃぁ!?」
ぴょこりと突然跳ね起きるルナ。びっくりした・・・。
「レイ、今すごい声でたね~♪」
満足げな表情なルナがクスクスと笑いながらその場で宙返りしていつもの狼姿に戻る。
「むぅ・・・ルナ、いつから起きてたの?」
__レイが起きる前からだよ~?
「えぇっ!?じゃぁ、わざわざボクがおきるまで待ってから驚かしたってこと?」
__ふふっ、驚いた表情のレイ、可愛かったよ♪
「かわいいとかゆーなっ!」
まったく・・・ルナのいたずら好きは相変わらずだな・・・
__レイ、そろそろ学校の準備をした方がいいのでは?
いつの間にかちっちゃくなってるミゾレに言われて、遅刻するほどではないけど急いだ方が言い時間になっていることに気付く。
朝食を食べている席で、ルナが少し緊張したような面持ちで口を開く。
__ねぇ、今日さ、ボクも学校にいっていいかな?
「騒ぎを起こしたりはしてほしくないんだけど・・・」
と、いうか・・・一昨日、見に来たって行ってなかったっけ?・・・まぁいいや。
__むぅ・・・レイが心配だから見に行くって言ってるの!人型になる気もないし、ちゃんと大人しくしてるよ!
そういわれると断りづらいよね・・・。騒ぎを起こさないって言ってるし、見に来るくらいなら良いかな。
「じゃあ、見に来るのはいいけど大人しくしててよ?」
__うん、わかった!
話もまとまったし、学校に行こうかな・・・
__レイ、日傘を持っていってください。今日も暑いので、水分の補給を忘れないように、無理な運動はしないでくださいね。
なんか、最近ミゾレが保護者みたいだな・・・
数学の授業中、内容は一度習ったことがあることだし、数学は得意な方だったから授業内容はわかっているようなものだ。でも、だからって集中しないのはだめだと思うんだ。思うんだけど・・・
__くぁ・・・思ったより暇だな~・・・。
黒板の横に大きな銀の狼が”おすわり”しながらあくびをしたり毛繕いしてるのが視界に入って、それでも授業に集中できる人はいないと思うんだっ!たしかにボクはルナに大人しくしてるように言った。言った、けどそれは何か違う・・・!授業中だから直接言うこともできないし・・・。しかも何人かの人がチラチラルナの方をみてる!?あれ、見えてることはない・・・と思うけど気配とかを感じてたりするよねっ!?って、そいえばこのクラスに”見える”かもしれない人がいるんじゃかったっけ!?声も聞こえてたらどうしよう・・・
「・・・では、この問題を・・・如月さん、解いてください」
いろいろ考えていたせいで思考が逸れているところに容赦なく当てられる。でも、一応ちゃんと聞いてたから大丈夫・・・なはず。
「ひゃい!」
うわっ、変な声でた!?何人か笑ってるし・・・うぅ・・・
「え、ええと、2x+4yです」
「正解ですね。この問題の考え方として・・・」
数学の授業でよかった・・・。英語とかだったら答えられなかったよ・・・。この授業が終わったらルナに話を・・・
__・・・くぁ・・・。さて、と・・・。レイは大丈夫そうだし、帰ろうかな
「あ、逃げたっ!?」
あ・・・。教室中からの視線を感じて自分が声を上げてしまったことに気付くがもう遅い。
「………如月さん、立っていなさい」
「はい・・・」
先生の無情な一言で、ボクはその授業を立って受けることになった・・・。
その日、帰ったボクがルナと”話し合い”をしたのは言うまでもないよね。話し合いは遊びに来たウェズが止めるまで続いて、終わったときにはこころなしかルナの毛並みが悪くなってた気がするけど気のせいだよね。
「っとと、夕飯の材料買いに行かなきゃ・・・。ちょっと言い過ぎちゃった気がするし、今日の夕飯はルナの好きな肉料理にしようかな」
__ほんと!?じゃあ、ボクもついてく!
「はいはい・・・」
ルナの立ち直りの早さに少し苦笑しつつ、手早く準備をしてスーパーに出かける。ハンバーグがいいかな。挽き肉、安いといいけど・・・
連続投稿今日まで詐欺・・・。今度は本当にストップです。・・・たぶん。