7月23日 病弱?なボクと冷たい突風
日付が変わったばかりですが忘れないうちに投稿~。先走っちゃってる感じが・・・?
「あつ~・・・」
学校が終わり、夕飯のために買い出しの帰り道。2日目ともなれば学校で質問責めにされることなんて無く、平穏な学校生活を送ることができそうだ。同学年からも子供扱いされてる感じがすることが納得行かないけど・・・。本来、ボクの方が年上なのに、とは言えず・・・。このまま定着しちゃいそうだな・・・はぁ・・・。ともかく、昨日ルナに言われたことは気にしないことにした。気にしても誰がそうなのかわからないし、普通に生活してるってことは普通の人と変わらないってことだしね。・・・それにしても、今日は暑いな~・・・。極力日陰を通っているけど、それでも暑いものは暑い。
「はぁ・・・もう少し涼しくならないかな~・・・」
そう呟いたとき、ふわっと冷たい風が吹いた。振り向くと、ボクにしか見えていないであろうちっちゃい和服姿が優雅にお辞儀して・・・
__これでよろしいでしょうか?
「ミゾレ、ついてきてたの?」
__はい、レイのことですから一人にすると迷子になると思いまして。
「なんでそんな風に思うのさ・・・。子供じゃないんだから、一人でも大丈夫だよ。」
まったく、ウェズといいミゾレといい、失礼な・・・
__この街に来てから二日間連続で迷子になっていたのではありませんか?
「ぅぐ・・・それは・・・土地勘がないからだよ!別に、ボクが方向音痴とか、そういうわけじゃないからっ!」
元いた町では、ちゃんと精霊や町の人たちに道を聞いたりして・・・あれ?・・・と、とにかくボクは方向音痴ではない!うん、違う!
__ふふっ・・・では、そういうことにしておきましょう
「わ~ら~う~な~!!」
__それはそうと、レイ。あまり大きな声を出すと周りの人に聞こえますよ?
そういわれ、周囲を見回すと自分に視線が集まっていることに気づく。
「そういうことは早く言ってよっ」
恥ずかしくなったボクは小声でミゾレに文句を言いながら、走ってその場を立ち去るのだった。
「はぁ・・・はぁ・・・。走ったらよけいに暑く・・・」
__逃げるように走ると、なおのこと不審に見えると思われますが・・・。
「だからそういうことは早くいってよ!」
はぁ・・・暑すぎて頭痛がしてきたよ・・・
__レイ?顔色が悪いように見えますが・・・
「気のせいじゃないかな・・・?」
ボクはそこまで体が弱い方でもなかったはず・・・あ、この姿になってからはどうなんだろう?
__急に暑くなったので体調を崩したのかもしれません。今日は早めに帰宅た方が良いと思います。
「うん、そうするよ・・・」
結局、家に着いてからも頭がくらくらしたり目が霞んだりして、ミゾレと家にいたルナ(人型に変化していた。人型のルナはボクにそっくりだけど左右の目の色が逆になっている)にベッドに押し込まれることになった。ミゾレは冷却シート(おでこに貼るやつ)を買いに外出中。
「レイは体が弱いんだから、暑い日とかは気をつけなきゃだめでしょ」
「・・・ボクはそこまで体が弱かった記憶はないけど・・・」
「あれ?言ってなかったっけ・・・。精霊憑きは体が弱くなるんだよ?」
「聞いてないよ・・・」
精霊憑き、良いこと無いじゃん、なんて思っているとそれを察したようにルナは苦笑しつつ
「回復力は上がるから、少し休めばすぐに良くなるはずだよ」
「ふぅん・・・。じゃあ、夕飯は自分で作れそうかな・・・」
起きあがろうとしたけど、ルナに押し戻される。
「だめ!一応、今日は寝ておいて。夕飯ならボクとミゾレが作るから。」
「むぅ・・・。もう調子が良くなった気がするし、大丈夫だよ」
そういいつつもう一度起きあがると、今度は冷たい突風に押し戻された。寒っ・・・しかも、息ができない~・・・!?
「まだ顔色が悪いように見えるのですが。無理はいけませんよ」
なんとか顔を動かすと和服姿だが、ボクよりも大きいくらいの身長になっているミゾレが部屋に入ってきたのが見える。まず、風を止めてもらわないと・・・
「・・・ちょっと・・・止め・・・」
「ミゾレ!レイが呼吸困難になってるよっ!!風強すぎ!!」
「あっ・・・」
ミゾレがあわてたように風を弱め、ボクは解放される。
「ぷはっ・・・」
し、死ぬかと思ったよ・・・。なんで真夏に凍えなきゃならないのさ・・・。
「ごめんなさい・・・私はレイのことが心配で・・・」
「むぅ・・・わかった、今日はおとなしくしてるよ・・・」
二人に心配そうに見つめられたら大丈夫だと言って無理矢理動く気にはなれないよね・・・。それにしても、ミゾレはやりすぎることが多い気がする・・・。気遣ってくれてるのはわかるんだけど・・・
「じゃあ、ボクとミゾレはご飯作ってくるから。大人しくしててね~」
「むぅ・・・言われなくてもちゃんと大人しくしてるよ・・・」おでこに冷却シートを貼られ、ベッドに戻される。二人が出ていったとき、心細さを感じるあたり身体の年齢に精神も引っ張られてるのかな。・・・学校、ちゃんとやっていけるかな・・・?
そんなことを考えていたら、いつの間にか寝てしまっていた。
「・・・レイは、ボク達精霊がしっかり守らないとね。」
「えぇ・・・彼女のようなことがないように・・・今度こそ、失わないように・・・」
夢なのか現実なのか、そんな会話が聞こえた気がした。
今回はちょっとシリアス風・・・?この伏線のようなもの、ちゃんと回収できるようにしないと・・・。