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1月6日 悪戯精霊とアミュレット

冬休みも終わり、今日からは新学期。冬休み中はとくに何事もなく終わり…とは言っても、精霊たちがいる時点で普通じゃないし、色々なイベントっぽいのがあったり、何度か邪霊と遭遇したりはしたけど、特に怪我や病気はなく・・・あれ?十分色々あった・・・?

ともかく、今は寒い中、精霊たちと久しぶりの通学路を歩いている。


「そういえば、ルナはちゃんと課題やったの?」

「課題?なにそれ?」

「えっ」


これは…もう少し早めに聞いておけば良かったかな…


__お嬢様、ルナ様の課題は冬休み初日に終わらせているのを見届けていますよ


いつの間にか背後にいた亀ジーヤがルナの頭を器用につつきながら教えてくれる。


「あ、課題ってあれか~。簡単だったよね!」

__ルナって意外と賢いんだな。計算とかできないと思ってたぜ…

「えへへ…」


嬉しそうに笑うルナだけど、たぶんそれほめられてない…


__計算か・・・妾は苦手じゃなー

__俺も勉強はできねーな。んなもんより力の方が重要だろ!

__クレイはもう少し勉強した方がいいと思いますが…

「ミゾレは成績優秀って感じだよねー」


雑談しながらのんびりと歩き、学校が近づく頃には精霊たちはそれぞれ行きたい方向へと去り、ルナとボクだけになる。


「ところで、時間は大丈夫なの?」

「あぁっ!?」


ルナに言われ、慌てて時計を確認すると、始業時間5分前。


「遅刻ぎりぎり!?」

「レイ、もっとしかっりしなきゃね~」

「ルナも同じ時間だからね?」

「えっ…」


二人そろって学校まで走り、どうにか時間には間に合いそう。


「ふぅ…走ると体が温まるね~」

「新学期から遅刻とか、洒落にならないよ…」


ルナはなんでこうも暢気なんだろ…

どうにか遅刻を回避して、学校に到着。今度からはもう少し早く家を出ようかな…。

そういえば…朝、ジーヤから聞いた話によると今日は転校生が来るとか。なんでそれをジーヤが知っていたのかは置いておいて…転校生の人、どんな人なんだろ。

















「皆さん、今日から三学期が始まりますが、その前に新しいお友達を紹介します」


清水先生の言葉をぼんやりと聞きながら、三学期からの転校生って微妙なタイミングだな、と考える。ボクの方が中途半端だった気もするけど・・・。今思えば、なんで夏休み直前なんてタイミングでの転校になったんだろ。

先生に促されて入ってきた人を少し観察してみる。…オッドアイ仲間、かな?この町に来てから、あまり気にされたことも(多分)ないけど、同じような人がいれば少しでも目立たなくなりそうかな。そもそも、目立ってはいないと思うけど。あと、これからも目立ちたくない。変な服で町を歩いてたりする時点で妙な目立ちかたしてる気がするけど、きっと気のせい!この町、全体的にヘンだし誰も気にしてないはず…。

それはともかく。江ノ島 樹、と自己紹介したその子は、なんとなく静かな雰囲気。自己紹介が自信なさげだし、緊張してる…のかな?同じクラスなんだし、できれば仲良くしたいな。







学校での日程を特に問題なく終えて、帰宅途中。


「そういえばさ、今日転校してきた人…」

「ん?」


ルナが転校生の話題を持ち出す。無いとは思うけど、ルナが転校生の人にいきなりいたずらとかしないように見張っておかないとね…


「あの人、精霊が視えるんじゃないかなー?」

「そうなの?…ええと、そもそも、そういうのって見た目でわかるものなの?」


ボクには全くわからなかったけど、ルナが言うならたしかなのかな?


「んー…見た目と言うより、におい?」

「におい?」


そういえばルナは一応、狼の姿が本物なんだっけ。いつも人の姿だから、たまに忘れそうになるな。狼姿だと学校とか通えないから人の姿なのは当たり前と言えば当たり前なんだろうけど。


「…念のために言っておくけど、視える人だからって変ないたずらとか仕掛けないようにね?」

「えー」

「やっぱりする気だったの!?」


一応見張っておこう…三学期の初めからすごく心配だな…


「はぁ…」

「ため息をつくと幸せが逃げるって言うよ~?」

「誰のせいだと思ってるのさ…」

「さぁ?」


むぅ。まったく心当たりがない、って様子だから怒るに怒れない…気まぐれだから、しばらく見張っておけば飽きて諦める…といいな。うん。


「ところで、お嬢様にお渡ししたい物があるのですが・・・」

「ひゃぁっ!?」

「あはは、レイ、すごい声!」


ジーヤ、いつのまに後ろに…?


「お嬢様達が学校から出た辺りから、お側に居させていただいておりました」

「それなら、早く言ってよ…あと、人の心を読まないで欲しいな」

「それはそれは、失礼いたしました」


時々、思うけど…ジーヤって、何者なんだろ?


「さて、先ほど申し上げましたお渡ししたい物なのですが…」

「…ええと、変な物渡さないでよ?護身用とか言って武器渡されてもそんなもの扱えないし、そもそも日本じゃ所持禁止だからね?

「レイ、警戒しすぎじゃないかなー?」


ジーヤなら何を出しても不思議じゃないから、つい警戒を…


「いえいえ、そのような物騒な品物では御座いませんよ」


そう言って渡されたのは…ペンダント?細い銀色の鎖の先についた金属の輪に、四つの指輪を繋げてあるようなデザインに見える。


「これ、何?」

「アミュレット…お守りでございます」


ふぅん。なんでいきなりお守りなんだろ…?


「近頃は邪霊も見かけませんが、いつお嬢様に危険が及ぶかは予測不可能でございます。万一の際、お側にいられるかどうかもわかりあせん。ですので、少しでも効果があればと私どもからの贈り物でございます」

「聖霊4人とボクで作ったんだよ!」


ルナが誇らしげに話す。手作りのアクセサリか…学校には着けていけないけど、大切にしよう。


「万一の時のため、肌身離さず身につけていただきたいのですが…」

「学校でも?」

「はい、もちろんでございます」


当然といった風にうなずくジーヤ。アクセサリとかはダメだと思うんだけど…


「ばれなきゃ大丈夫でしょー。みつかっても伸しちゃえば問題なし!」

「ルナ、それは色々問題あるよ!?」


ええと…一応ちゃんとしたお守りだし、説明すれば大丈夫かな…?


「服の下ならわかんないって!」

「…はぁ…」


仕方ない、そうしよう…結構大切なモノみたいだし、仕方ないよね。

無理矢理自分を納得させて、貰ったアミュレットを日にかざしてみる。大きな輪についている白い石と小さい輪にそれぞれついている赤・青・緑・黄色の石が光を反射して、きらきら光っているのを見ていると、アクセサリとかは着けたこと無いけど、こういうのも悪くないかな、なんて思う。


「よしっ、今日はちょっとだけ豪華なご飯にしようかな!」

「わぁい、楽しみにしてるね!」

「私もお手伝いいたしますよ」


ひとまず、着替えるために家に戻らないとね。アミュレットを首にかけて、服の中に入れる。ちょっとひんやりするけど悪い感覚じゃないな、なんて思いつつ、少し嬉しいような気持ちで家路を急いだ。

豪華にするとは言ったけど、今日の献立は何にしようかな?

ようやく更新です。結局、学校にも身に着けていくことに…小さいものなので、ばれない…はず!

パッセロ様の「曖昧MEなうろな町生活」より江ノ島 樹さん、YL様の「"うろなの教育を考える会"業務日誌」より清水先生をお借りしました!

問題点などあれば連絡お願いします!

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