8月3日 猛(?)特訓!
サブタイトルって難しいと思います・・・
「せぇいっ!」
「それで攻撃のつもりか、ああ?」
”創造”した身の丈くらいの白い棒を振りおろすけど、槍を構えたクレイ(人型では茶髪、ツンツン頭の目つきの悪い青年)にあっさり受け止められる。・・・それなら・・・!
「どぅりゃぁあああ!」
棒をおもいっきり投げつけて、すぐに新しい棒を創造。
「ふべっ!?」
「命中っ!」
「これ、レイ!妾の話をちゃんと聞いておったのか?創造は使いすぎるとそなたの体力を消耗する。一度創ったものを簡単に手放すでない!」
後ろから綺麗な薄黄緑色の髪のちんちくりんな女の子に怒鳴られる。
「二つくらいなら大丈夫だよっ」
「あほぅ、相手が一体とは限らぬのじゃぞ?力はできる限り温存するのじゃ!」
むぅ・・・投げた方が早いのにな~・・・
「仕切り直しってか、あぁ?」
「そうしようか・・・今度は投げなくても勝つよっ」
「上等だ、かかってこいや!」
クレイってなんでこんなに喧嘩腰なんだろ・・・と、ともかく今は集中しなきゃね。
「せいっ!」
振りおろし、受け止められたところにハイキック。精霊憑きになって、体力は落ちたけど瞬発力は並の人間以上になったと思う。それを活かして一気に決着をつける・・・!
「こんなもんか、あぁ?」
「甘いっ!」
蹴りを気にせず放たれた突きを棒でたたき落とす。・・・危ないなぁ・・・今更だけど、なんで槍なんて使ってるのさ。
「オラオラ、まだまだいくぜ、コラ!」
「っと・・・それ、訓練、で、するような、動きじゃない、よねっ!」
連続突きを全て弾き、隙ができたところで相手の槍を思いきり弾き上げる。道場で習ったこと、思ったより使える・・・。
「でりゃぁあああああっ!!」
「ぐぅっ・・・」
無防備になったクレイに渾身の袈裟斬り・・・って、棒だから斬ってないか。なんて言うんだろ?・・・まぁいいや。
「今のは効いたぞ、オイ。・・・まぁ、それなら次第点てとこだな」
「そういいながら何ともなさそうだよね~・・・」
平気な顔して起きあがるクレイ。結構本気で叩いたのにな~・・・。まぁ、怪我してもらっても困るけどさ・・・
「あぁ?テメェ、聖気が精霊にとってどういうものか、しらねぇのか、おい!」
うん、ほんとになんで喧嘩腰・・・?
「何も聞いてないけど・・・どういうものなの?」
「それはアレだ、アレ。おい、シルフィ!こいつに説明してやれよ、」
「クレイ、そなたも理解しておらぬのじゃろ・・・。訓練前に何度か説明したはずなんじゃがのぅ・・・」
呆れたような様子のシルフィ。もしかして、クレイって頭が悪い、とか?何か、いかにもな感じだし・・・
「では、妾が説明するぞ。まず、精霊を構成するモノのことからじゃ。それらのことは”魔力”と呼ばれておる。これは性質が変化しやすくての、水や空気、火や土、果ては光やや影にまで色々なモノに含まれておる。とはいっても、そのものと同じ性質になっておるから普通はわからぬのじゃがの。ここまではよいかの?」
「お、おぅ・・・魔力?・・・が俺らを構成して、その魔力がそこら中にあるってことだろ、オイ!」
ええと・・・クレイの言ってることで大体あってるのかな。それに、魔力は普通、あっても気づかない・・・と。
「うむ、レイは理解できていそうじゃの。・・・クレイは・・・まぁよい。」
「オイ、その間は何だ、あぁ!?」
シルフィに食ってかかるクレイ。精霊って、階級が上だから偉い~とかは無いんだよね・・・
「ところでさ、クレイは何で喧嘩腰なのさ・・・」
「文句あっかよ?」
「いや、そういうわけじゃないけど・・・」
おもいっきり睨むことは無いと思うんだ・・・顔怖いし。
「これ、話が脱線しておるぞ。次は聖気の話じゃ。これは、普通の動物が持つ生命力を練り上げた・・・まぁ、高密度のエネルギーじゃな。レイもそうじゃが精霊憑きは無意識でもこれを作ることができるそうじゃ」
ええと、聖気は高密度のエネルギー、と・・・。よくわかんないけど、ボクはそれを無意識に作ってるみたいだね
「その聖気っつったか?それ、精霊にはつくれねぇのかよ、オイ?」
「クレイ、その言葉遣いはもう少しなんとかならぬのか?・・・まぁよい。聖気は精霊には作れぬ。精霊憑きと、素質のある人間にしか作れぬようじゃ」
ふむふむ・・・霊感とか、超能力とか、そんな感じなのかな。
「で、じゃ。本題の精霊にとって聖気はどんなものか、じゃな。まず、さっき言うたように聖気は高密度のエネルギーじゃ。そして、魔力は性質が変化しやすい。聖気が魔力にふれると、魔力に”聖”の性質が・・・と、まぁ性質の話はいつかするとしようかの。ともかく、聖気は魔力を増幅させる、とでも思うておけば良い」
どこか誇らしげに胸を張るシルフィ。・・・こんなこと言ったら怒りそうだけど、かわいい・・・
「ふむふむ・・・ええと、それとさっきの話になんの関係が?」
「察しが悪いのぅ・・・」
呆れたように顔を手で覆い、やれやれと首を振るシルフィ。なんだか小馬鹿にされてる気分・・・
「聖気で作った武器で精霊を殴っても、ダメージは与えられん。むしろ回復の効果になるのじゃ。衝撃はあるがの」
なるほど、それでクレイは平気な顔して起きあがってくるのか・・・
「まぁ、精霊がそなたと敵対することはないじゃろうし、気にすることでもあるまい」
まぁ、それなら気にしなくてもいいかな・・・。
「さて、疑問も解消したことじゃろうし特訓再開じゃ!」
「えぇ~・・・まだやるの?」
夜は更けてゆく・・・はぁ・・・ボクの睡眠時間が・・・
初めてのアクション(?)シーンと聖気についての説明を少し入れてみました。読みにくかったらごめんなさい・・・