8月2日 特訓?
__レーイー、妾が遊びに来てやったぞ!
「・・・もう少し寝かせてよ・・・」
朝、ちっちゃい虎が顔に乗った状態で目を覚ます。なんでわざわざ顔の上に座るのさ・・・
__もう朝じゃぞ?そなた、相変わらずのねぼすけなんじゃの・・・
「起きてるって・・・」
しっかり起こされたし。休みの日くらい、昼までゆっくり寝かせてほしいよ・・・。まぁ、もふもふだし悪い気はしないけど。
__で、じゃ。今日はそなたに用があってきたのじゃが・・・
「ん、用って?」
またやっかい事か面倒事な気がしなくもないけど・・・
__今日から、そなたを特訓しようと思うのじゃ!
誇らしげに胸を張って宣言するチビ白虎。
「特訓?なんの?」
運動部に入ってるわけでもないし、なにも特訓するようなことはないと思うんだけど・・・
__まだわからんのか・・・邪霊対策の特訓をすると言うとるのじゃ!
「邪霊対策って・・・この前浄化、だっけ?したけど・・・」
もういない相手の対策をしても仕方ないと思うけどな~・・・
__なにを言うとるんじゃ?邪霊があれ一体だけなわけも無かろうに。そなたは精霊だけでなく邪霊も呼び寄せる体質じゃ。あれ一体で終わりだとは思わぬ方がよいぞ
「えぇ~・・・」
あんなのがたくさんいるのか・・・すごく嫌だな。
「あれ?でもこの前みたく適当なの作って投げればいいんじゃ・・・?」
__それで済めば良いのじゃが、奴らの中にはすばしっこいものもおる。それに、いつでも精霊が近くにいられるとも限らぬしな。そなたには一人でも戦える技術を身につけてもらうぞ
なるほど・・・あれよりやっかいなのがたくさんいるのか・・・。うん、なんでそんなの呼び寄せるのさ・・・。まぁ、呼んじゃうものは仕方ないし、自分の身は自分で守らなきゃ・・・か。
「で、特訓って何するの?」
__うむ、そなたに教えるべきことはいくつかあるが・・・先ずは自衛手段からかの。そなた、聖気を用いての”創造”はできるのじゃろ?
チビ白虎が威張ってると、背伸びしてるみたいでちょっとかわいいな・・・声も幼い感じだし。
「創造って言うと・・・この前のあれかな?形だけしかできなかったけど・・・」
銃、作ったけど結局投げたんだっけ・・・。
__ふむ・・・大方複雑な機械でも創ろうとしたのではないか?しっかり理解した上で形を創造せねばまともなものは創れぬぞ。
「ええと・・・つまり、細かいところまで創造しなきゃ創れないってこと?」
__うむ、そういうことじゃ。
なるほど・・・もっとこう、魔法みたいな・・・万能なのを想像してたけど、不便だな~・・・。
__そなたじゃと、つぶてか・・・まぁ良くて単純な武具あたりが限界じゃろうな。
「むぅ・・・なんかバカにされてる気分・・・」
たしかに想像力は無いけどさ・・・
__そなたの頭が悪いと言うとるわけではないぞ?まぁ、頭が良いと思えぬのも事実じゃが・・・
「あっ、今はっきり言った!」
失礼な。これでも学校の授業とかはしっかり理解できてるし・・・2度目だけど。
__コホン・・・ともかく、そなたの頭が問題ではないのじゃ。聖気は生命力を扱う技術故、使いすぎればそなたの生命に危険が及ぶ。それを考慮すると、複雑なものは創れぬ、ということなのじゃ。
この前は知らずに使ったけど、相当危ないものなんじゃ・・・?
「ええと・・・結局、何を特訓するの?」
__うむ、まずはそなたが創った武具を扱えることになるのが優先じゃな。そなた、棒術の心得があったのではないか?
「え?まぁ、一応・・・でも、そんなに上手くないよ?」
一応、道場の中では一番だったみたいだけど・・・実践ではたぶん使えないし・・・
__ふむ・・・では、それで訓練するとしよう。そうじゃな・・・今夜から毎晩相手を変えて特訓するとしようぞ。
わ、勝手に話が進んでる・・・。でも、自衛手段は必要かな・・・
__さて、ほかに教えたいことがあることにはあるが・・・一度に教えても理解できぬじゃろ。今日のところは帰るとするかの。
「むぅ・・・そんなに物覚え悪くないってば!・・・って、行っちゃったか・・・」
失礼な・・・これでも暗記とかには自信あるんだけどな~・・・。さて、と・・・訓練は夜からみたいだし、とりあえず買い出しに行かなきゃな・・・
訓練のお話はまたの機会に・・・と。こんな流れですが、バトルモノにはなりませんよ?・・・多分。