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通知の残り方
朝、エレベーターは少し遅れて来た。
表示はいつも通りで、音も変わらない。
乗り込む人は少なく、誰も話さない。
会社の入口でカードをかざす。
ランプが一度だけ光る。
通過できたかどうかは、足の運びで分かる。
席に着くと、机の上は昨日と同じだった。
カップの位置も、紙の重なりも変わらない。
画面を起動すると、通知が一件残っている。
内容は短く、既読でも未読でもない。
そのままにして、作業を始める。
指は迷わず動く。
昼は決まった店で、同じものを頼む。
味は変わらず、量も同じだ。
窓の外で、車が止まっては動く。
戻ってくると、通知はまだ残っている。
特に困らないので、触れない。
夕方になって、席を立つ。
エレベーターを降り、外に出る。
歩きながら、画面を閉じる。
通知を消して、帰路に入る。




