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調整済の日々

夕方の窓口は、いつもより列が短かった。

番号札の表示は、淡い色で更新されている。


待合の椅子に座る人たちは、

それぞれ端末を見たり、何も見なかったりしている。

会話はない。


天井の時計は、三分ほど遅れていた。

誰も指摘しない。


番号が呼ばれ、男性が立ち上がる。

カウンターの向こうで、職員が画面を確認する。


「手続きは、こちらで進めています」


男性は頷く。

何の手続きかは、言われない。


「一部、処理が保留されていますが」


職員はそう言って、画面を少しだけスクロールした。

男性はその動きを見ている。


「問題ありません」


そう付け足される。

男性は、もう一度頷く。


書類に署名する欄は、三か所あった。

説明はなく、指で示される。


ペンを返すと、職員は書類を揃え、

クリップで留めた。


「完了は、後日反映されます」


後日がいつかは、言われない。


男性は立ち上がり、

一歩だけ出口の方向に進んでから、

振り返る。


「確認は――」


言いかけて、止めた。

職員は、画面から目を離さない。


「必要な場合は、通知されます」


それで終わる。


外に出ると、空はまだ明るい。

建物の入口にある掲示板には、

古い案内がそのまま貼られている。


“更新予定”


日付は書かれていない。


男性は立ち止まらず、

そのまま歩き出す。

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