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Project Potechi  作者: teresi-
33/44

第三十二章 ミ〇オン

「お前!?さっきの話聞いてなかったのか!?」

「ああ、だからこそ思ったんだ」

「いくらあなたが平気だとしても限界があるでしょ!!」

「そこでだ。君達二人の水魔法を頼みたい」

 ドライスは入夏と颯を指差して言った。


「水魔法をか?」

「そう。少しでも効果があるなら無いよりはマシだろ?」

「私は何をしたらいいんでしょうか?」

 ダファキンがドライスに聞いた。ドライスは少し悩んだ末、ダファキンへ言った。


「お前は俺が鉄格子を開けた途端にお前の本来守るべき人の元へ行け」

「私は最後まで協力しますよ!?」

「お前はボディガードだ。使命を果たしに行け」

「……わかりました」

 ドライスがダファキンを説得すると俺達へ呼びかけた。


「よし!もうそろそろ始めるぞ!」

「待て!」

 俺はドライスを止める。ドライスは困惑した顔でこちらを見た。

「どうしたんだ?」

「夜だ!夜に出発した方がいい!」

「なんでなのよ?」

「照馬の使っていたテレカ……。あれから出てきたのは何だ?」

「ミサイルと……」

「睡眠薬じゃないか……!」

「そうだ彦一。あれでKAIZINは眠った。ということは奴らは夜になると睡眠をとる。故に夜が絶好ということだ」


◆ 草野 照馬 ◆


「……こいつでどうじゃ?」

 おじいちゃんの後ろには見覚えのある老人が立っていた。

「……上吉さん!!」

「久しぶりじゃな」

「わしら二人を連れて行け」

「でも!おじいちゃん達はさすがに危ないんj――」

「――わしらに任せるんじゃ!」

 上吉さんが僕の肩を叩いて言った。


「それでどこへ行くんじゃ?住所は?」

「おぬし比奈斗くんがさらわれたって言っただけ出たもんだから全く状況を理解しておらんじゃろう!」

 住所といえば!そういえば颯さんが住所を教えてくれたな……

「その前に行きたいところがあるんだけど……」

「どこじゃ?」

「……住所ってどうやって読むの?」



――数十分後

「ここか……」

 家の前の名前が書いてあるプレートにはご親切に『蛙王あおう』と書いてあった。

「ちょっと緊張するな……」

「……わしらはちょっと肩慣らしに行ってくるぞ」

「逃げるなぁ――!!」

 僕はチャイムを鳴らした。中から返事が聞こえる。しばらく待つと中から緑色のセーターを身にまとった中年の女性が出てきた。


「蛙王ですけどどうかしましたか?」

「あの!蛙王あおう そうさんのお宅であってますか?」

「はいあっていますけど……弟は留守ですよ?」

「颯さんの話なんですが……」



 中年の女性は蛙王あおう織百(おと)と名乗った。話を聞いた感じ、彼女は颯さんの姉らしい。僕は事情を説明した。

「なんですと……!?」

「それで今ここに訪ねてきたんです」

「……そうなったなら」

 織百が思いっきり玄関ドアを開けて叫んだ。


「野郎ども!行くぞ!」

 織百さんの声が廊下中へ響き渡ると一匹玄関から小さな生き物が出てきた。

「…………!?これって……?」

 玄関から出てきたのは蛙だった。僕は蛙が大の苦手だ。僕は玄関から少し後ずさりした。


「安心してください!全部私のペットなので!」

「安心できませんよ!?」

「大丈夫ですよ!もっといるので!」

「……へ?」

 途端に廊下からものすごい数の足音と鳴き声が聞こえてきた。


「ぎゃぁぁぁ――――っ!!!!」

 雪崩のように蛙が流れ込みやがて庭は一面蛙に埋め尽くされた。しかし廊下は綺麗にいない。


「これで……全部……ですかぁ……?」

 僕はか細い声で織百さんに聞いた。

「あと一匹いますね」

 織百さんが言うと廊下の奥から足音が聞こえる。

「……来る……!」

 やって来たのは僕と同じくらいの身長の巨大な二足歩行の蛙だった。


「彼がここのボス。隕石蛙です」

「どんな名前してんの……?」

 他の蛙は庭でゲコゲコと鳴いている。なにこれ?これミ〇オンなの?この人もしかして前世グ〇ーだったの?


「我が隕石蛙です。よろしく」

 隕石蛙はべとべとの手で握手を求めてきた。僕は少し迷ったが握手をした。後でしっかりと手洗おう……。

「隕石蛙、あなたの船を貸してあげなさい」

「まぁ颯の仲間ならしょうがねぇな」

 蛙達は家へ入っていく。全員が入ったのを確認すると隕石蛙は指を鳴らした。



――数分後

「なんだあれ!?」

 空から飛んできたのは隕石。やがて隕石は着陸したが衝撃はなかった。隕石にはドアがついていてそこが開いた。


「コイツを使っていきな!」

 隕石蛙が言うとそのまま去ってしまった。織百さんは僕へ話しかける。

「私手芸ができるので何かできることがあれば言ってください」

「なら!これをお願いしたいんだけど!」

 僕は織百さんへ小声で言う。織百さんは快く承諾してくれた。



――数十分後

 目当てのものが手に入った僕はアクウルへ行った。

「次はアクウルへ何の用じゃ?」

「ちょっとお城に……ね!」


 僕は城へ入ると王様へ言った。

鮫子ざめこさんと沙羅子ざらしさんいませんか?」

「鮫子と沙羅子はいるが……どうしたの?っていうかなんで茂蔵しげぞう上吉うえきちがここにいるの?」

「それはちょっと深い理由があるんじゃよ!」

「何の話なの?」

「……詳しくは照馬くんに聞きなさい」

「ちょっと上吉さん!?事情知ってそうに見えてまさか比奈斗のこと以外何も知らないんですか?」

「もちろん!」

「……わかりましたよ上吉さんへの説明も兼ねて今までの状況を説明します」



「……それで普段はシャチ蔵の世話をしているって聞いたんですけど……協力してくれないかなって」

「なんだそんなことね!わかった!呼んでくるよー」

 王様はそのまま呼びに行った。

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