第二十八章 これはもうチートだろ……
「できた!」
僕はできたばかりの作品を見て歓喜した。僕はそれを比奈斗のbike JTのように収納カプセルに入れた。
「わーぴー!」
僕はわーぴーで館に戻った。
「「「「やっと戻ってきたのか!?」」」」
皆が僕に叫ぶ。
「それで?これからどう動くんだ?」
「フフフフフ…………」
「?」
「こっちに来い!」
僕は皆を物置に連れて行く。そして僕はカプセルを取り出すと地面に叩きつけた。
「離れて!」
僕は皆を機械から遠ざける。機械は段々と大きくなっていき、最終的には物置と同じくらいのサイズになった。
「なんなんだよこれ……」
「僕の最新型ロボット……テレカさ!」
「テレカ?」
ドライスが言う。
「そう!これで行ける!」
僕はテレカに入る。
「みんな乗れるようになってるよ!」
「よくこんなもんができたな……」
彦一に聞かれて僕は言った。
「エンジンは比奈斗のbike JTから取っておいたよ!」
「おい!ふざけんな!」
「なんだよbike JTって……」
「全員乗ったぞ」
「わかった!なら出発!」
颯さんに言われて僕は物置の壁を破壊して出発した。
「何お前壊してんだよ!?」
「いいでしょ?人の館なんだから」
「お前に人の心は無いのか……?」
ドライスがドン引きしているが僕は無視した。堂々と廊下を歩いているとKAIZINが現れた。
「まずい!KAIZINだわ!」
「大丈夫!行け!テレカ!」
『……ミサイル発射』
テレカからミサイルが現れ、KAIZINに発射される。KAIZINは五メートルほど飛ばされ、テレカはKAIZINに突っ込みパンチを顔面に与える。しかし、KAIZINに傷はつかなかった。
「全く効いてねぇぞ!?」
「そんな時はこれだ!」
テレカの手から薬が発射される。薬を浴びたKAIZINは動かなくなった。
「睡眠薬だよ。マジックゼリーと100円高いただの薬草を混ぜてすり潰したらできた」
「へー。そ、そうなんだぁ~」
「次に眠りにつきたい奴は誰かな?」
僕は睡眠薬をKAIZIN達に巻まき散らす、玄関にいたKAIZINは全員動かなかった。次に僕は壁を突き破りリビングへ行った。そして穴がある所へ行く。
「このサイズじゃ入れないだろ?」
比奈斗に言われて僕は気付く。確かに、これじゃ意味がないじゃないか!ならば……
『……ミサイル発射』
テレカからミサイルが発射され、穴は大きくなった。
「まだ小さいじゃないか」
「まだだ!いけー!!」
テレカから無数のミサイルを発射した。爆音が部屋中に響き渡る。
「もうやめてぇ――!!」
*
――数分後
穴があった場所は隕石が落ちた後のようなクレーターが広がっていた。
「いつまでやってんだよ!」
「ここからは一応ガスマスクをつけておいてね」
「要るかよ!?」
「一応だよ。だってこの機械、換気だけはとても優れれいるからね!止めることはできないけど!」
「だから俺と入夏以外静かだったのかよ!?」
みんなを起こしてガスマスクを着けさせると下水道へと行った。
下水道は誰も居ず、テレカの足音だけが響き渡っていた。
「どうやら誰も居なさそうですね」
「一応睡眠薬やっておく?」
「農薬みたいにやるんじゃないわよ!?ていうか下水道に薬やるんじゃないわよ!」
*
――数分後
「こっちも行き止まりだな」
「あっちはどうかな?」
「あそこは結構長そうね」
下水道はずっとテレカの足音だけが日々わたっている。
「もうめんどくさい!テレカ!bike JTだ!」
テレカからbike JTのエンジン部分だけが出てくる。そして一気に水路の奥まで行けた。
「どうだ!これがbike JTの力だ!」
「かなりの速さだな」
「お前いい発明家になれるんじゃねぇのか?」
「そうだな。俺もそう思う」
「ちょっとあんた達、それはコイツが作ったのよ」
入夏は比奈斗を指しながら言う。
「やったー!出口だ!」
「まさか……その穴も……?」
『……ミサイル発射』
「またかよぉ―――!?」
僕がテレカで穴を破壊して上がると背後に何者かが居た。
「なかなかやるようだな……だが、私には意味はないがな……」
「誰だ!?」
振り返ると誰も居なかった。
「何だったんだ……?今のは……」
「とにかく!部屋があったから次へ行こうよ!」
僕達は扉と壁を破壊しながら次の部屋へ行った。
*
「これは……?」
僕達は声を漏らす。この部屋は巨大な崖、滝……もはや大自然であった。
「なんだこれ……これは館というか……」
「植物公園じゃない?」
「絶対に違うだろ!」
「なら、温室か何かかしら?」
「入夏様!?絶対に違いますよ!」
「それにしても大きな崖だなぁ……」
「まぁ登るに越したことはないね!」
つぶやいたドライスと変なやり取りをしている彦一を無視して僕達はテレカのジェットを使って巨大な崖を登り始めた。
「この上って何があるんだろうねー?」
「これでただの壁だったらふざけんなよ……」
「照馬さん!後ろにKAIZINが現れました!」
「わかった!ダファキン!」
僕は後ろを見て驚愕する。そのKAIZINは通常の二倍ほどの速度で走ってきていたからだ。そして見た目は少し違い、頭は栗型、そしてドラゴンのような爪を持っていた。そいつは崖に引っ掛かっているツルで登ってきている。
「なんなんだこのキメラは!?」
「このままじゃ追い付かれるぞ!」
「食らえ!睡眠薬!」
僕は睡眠薬をKAIZIN2(仮名)に振り撒く。しかし全く効果は見られなかった。
「こうなったらどうする!?奴らは死なないんだぞ!?」
僕はテレカの上に出て剣を振りまくった。
「ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!ファイン!」
「何してんだよ!?」
「このツルを燃やせばいいんだよ!そうすればこいつが落ちていくだろ!」
僕はうまくKAIZIN2(仮名)が掴んだツルに火球を当て落とすことができた。他のツルが少し燃えてるけど……気にしない。気にしない。
僕はテレカに戻り、再び操縦を再開するのであった。