第十章 ステータス
僕たちはそのまま進んでいると地面からスルナトが四体出てきた。
「一人で二体倒そう!」
「そうだな」
僕は二体のスルナトにタックルをした。スルナトは後ろに倒れた。そしてもう一体のスルナトに蹴りを入れてファインを放った。スルナトは倒れたまま動かなくなったどうやら倒したようだ。
比奈斗のやつ遅いな、こっちはもう二体倒したさ。そんなことを考えていると目の前に黒い小さな玉が飛んできた。そして僕に直撃して一メートルくらい飛ばされた。
「闇魔法、グランだ!」
比奈斗が叫ぶ。どうやら敵はまだ一体生きていたようだ。だから僕は普通の剣をスルナトに投げた。するとスルナトの頭に当たって倒す事が出来た。比奈斗の方もちょうど倒し終わったらしい。スルナトを倒した時に何か技が思い浮かんだ。なので僕はステータスを見る事にした。
Lv.6
HP 349
MP 133
攻撃力 42
防御力 32
素早さ 46
魔力 120
才能 炎系魔法(大)、風系魔法(中)、回復魔法(小)
特技 わーぷ、ファイン、ヒミンク、タックリー
「なんか増えてる!」
「今さっきタックルしたことによって超突撃、タックリーを習得したようだな」
「そんなことあるんだ」
*
しばらく進むとラジングより少し発展した町があった。
「カニスってあれか?」
「地図によるとそうだけど……」
僕たちは違和感を感じた。話によればカニスは賑やかで基本的に平和な国だ。しかし今のカニスは人気が少ないように見えた。
「とにかく入ってみようよ」
*
カニスに入ると外から見た通り人気が無かった。
「みんな家の中にいるみたいだね」
「そういえばオッサン達がスルナトが大量発生中って言ってたしな」
「だからみんな引きこもっているってこと!?」
「み、店は空いてると思うぜ!」
街の中央に行くと噴水や店が並んでいたが、全て閉まっていた。
「全部閉まってるよ!」
「スルナトが来るからみんな隠れてんじゃないか?」
比奈斗は地図を広げながら考えている。地図を見てみるとカニスの南西に『スルナト注意!』と書いてあった。
「そっちの方向にスルナトの巣があると思うよ」
「確かにそっちの方角がスルナトの被害が多いしな」
「早速行ってみよう!」
僕達はカニスの南西に向かった。始めはスルナトが二、三体出てきただけだったけど進むにつれてスルナトの数も増えてきた。
……そして今、僕達は六体のスルナトに囲まれている。
「多すぎない!?」
「さすがに六体は多すぎるな」
その時僕はふと考えた。スルナトのステータスがどれくらいなのか気になったのだ。
「比奈斗!ステータス覗き見メガネない?」
「ステータス覗き見メガネ?」
「ステータス覗き見するメガネだよ!」
「そのまんまの事を言うな!」
比奈斗がステータス覗き見メガネを僕にパスしてきたのでキャッチした。
Lv.5
HP 128
MP 156
攻撃力 75
防御力 14
素早さ 10
魔力 110
特技 グラン
「一体がレベル5だよ!?」
「は?」
「だから一体レベル五だって!」
「ステータス覗き見メガネって人間専用のやつだ」
「え?」