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新陳大社で初詣で

作者: 歌川 詩季

「しんちんたいしゃではつもうで」。

「おおやしろ」が正式でしょうけど。

 あたしが初詣(はつもう)でに連れてこられたのは

 頻繁(ひんぱん)に改築をくりかえす新陳大社(たいしゃ)


 老害を排して 古い角質を()ぎおとし

 脱皮とうまれかわりを願う神社だけど

 ちょっと待って!!


 あたしは歴戦の古参兵のありがたみを

 よぉく知ってるから むしろあのひとたちが

 老害ならぬ老獪(ろうかい)として

 現場にとどまってくれることを望んでる


 新しい風を吹きこむことだけが組織のためじゃない

 幾多(いくた)の大地を駆け抜けてきた

 ベテランの風や

 いままさに この大気の流れをかたちづくってる

 中堅の風

 新しい風だけでは ひらききることがかなわず

 とじた循環のなかで(よど)んでしまわないように

 異国の香りもらたしてこじあけてくれる

 外来の風

 そしてまだ風とも呼べぬ おさない空気のうねりである

 ルーキー


 それらが一体となってひとつの嵐を渦巻くのだ


 古き風が役目を終えて吹きやんだとて

 そのすきまとなった(なぎ)を埋めるように

 新しい風が吹きこんでゆく

 そうして渦巻きつづけてきた嵐を絶やさないことこそ

 ほんとの新陳代謝だって あたしは思うわけ


 ベテランのを老害呼ばわりしたあげく

 窓ぎわにおいやって

 オフィスのビルからつき落とすことじゃないよ


 お賽銭に50円玉をほおりながら

 じつはそんなふうに考えてたんだ

 初詣で、行ってないや。

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n8379
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― 新着の感想 ―
「新陳大社」!!! 大ウケしました(*^。^*)
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