刀と仮面
私の名前は【魔王】ノエル・ディー・オリラルド。
この世の上に君臨されている父上の息子で部隊の大隊長を任されている。
住んでる場所は父上が統治している都市【バーディル都市】に住んでいる。
そこで魔神王による5つの戦闘部隊がありその5つを管理している
私は家族の中でも戦闘がずば抜けていた。
生まれた時から魔王で皆に期待されていた。
なんども戦争で人族側の王の称号を持っている者と戦い勝ってきた。
ここ数百年は人類側と戦争はなく、父上はずっと「興味ない」となにも考えることなく動きも見せなかった。
だがその日は突然起きた。
4年前
【魔王】ゲイル・ファン・レジベルドが心の玉核を奪い、男の子が追い払ったと情報が入った。
その日の夜父上から呼び出しを受けた。
呼び出されたのは私ともう1人一番下の妹【魔王】ルージュ・ディー・オリラルドだった。
その時父上が話したことは衝撃的なものだった。父上が話していたのはこの世界の理だった。
父上は何千年と人族と争っているがなぜ滅ぼさないのかもその日すべて話してくれた。
妹のルージュは生まれてまだ8年しかたってないが理解しているようだった。
そして最後に私たちに任務を与えた。私は刀を、ルージュには仮面を与えよ。
と刀は分かったが仮面はなんなのかわからなかった。準備ができ次第行動を移す。それまで誰にも伝えるな。
と釘を刺された。
そしてその4年後
また呼び出しがあり、2人は王座に招集された。
「時が満ちた。2人とも私の我がままに付き合ってもらい、申し訳ないと思っている。だがこれは希望だ。この男の子にかけてみるとする。ノエル、明日無事にここに連れてきてくれるか?」と急な話で2人とも呆然としていた。
「父上。その男の子は本当に命を懸けるほどなのですか?」と不満を持つほど悩んでいたノエル。
リベルは真っすぐノエルを見つめただ一言。
「たのむ。」
ルージュはリベルの近くに寄り添い、小さな雫の石をリベルに渡す。
「お父様。これがお父様にたのまれたカメンです。」リベルはルージュの頭を撫でながら笑顔で受けとる。
ノエルはその光景を見て動けなくなった。リベルが石を持ちながら「ルージュ」と呟くとルージュがその石の中に吸い込まれていった。
「ノエルよ。この石を男の子に渡してくれ。そしてその腰の刀も。頼んだぞ」と小さな雫の石を渡された。
深く父上に頭を下げ、王座から退室する。
石を眺めながら話しかけるが反応はない。ルージュはどこに行ったのだろうか。
男の子を迎えに行く日が来た。
魔力瞬間装置の前に全員集まっていた。
「おいおい。まぢで人界に行くのかよ!あそこビリビリしてていてーんだよな!ノエル1人で行けんのか?」
と肩を組んできたジルグンドが話してきた。
「お前と一緒にするな。俺は人力を取り込んで魔力に変えることができるから痛くもかゆくもない。」と手を払う。
「おいおいなんだよ!こっちは心配してやってんのによ!」と言っているが顔は他人事のような表情をしていた。
その瞬間ゲートが開いた。深呼吸をして心を落ち着かせ、ゆっくりとゲートに入っていった。
父上から身長は100㎝程で右には本を持っている。と無線が入る。
ゲートから出ると目の前に100㎝程で右手には本を抱えて前を歩いていた。
すぐに目的の子と分かった。その瞬間石も光りだした。叫ばれたら困るから口を押え抱きかかえゲートに連れ込んだ。
抱きかかえた時小さな石の雫が望月の耳にイヤリングとして付いた。
そして腰の刀が震えだした。
何が起きてんだ。取り合えず父上に連絡をした。
あとはゲートを出るだけだったがその時望月が暴れだし手を放してしまった。望月の後を追い暗い穴に入った。
そこは都市から外れた大きな森の中だった。周りを見渡すとその望月は遠くに走って逃げていた。
凄くイライラしていた。逃げれるわけないのに抗いやがって。
男の子後を追い、抑え込んだが時に石が光っていた。何かを訴えているのかわからなかったが父の言葉を思い出していた。だが男の子の殺気が強くなり、どんどん人力が上がっていた。悪魔と同じくらいの魔力量だった。
刀を抜いた時、イメージが頭に流れてきた。自分の死んだ姿だった。
こんなことは初めてだった。この刀は父から受け継いだものだがこの刀の名前もどんな能力があるのかも未だに不明だった。
だが父は肌身離さず持ってろと言われた。刀を見ると自分の魔力が吸い込まれているのが分かった。
突然空気が痛くなった。
男の子を見ると包帯が体を覆い人力が膨れ上がっていた。
勢いよく殴り、避け、刀を振るが、避けられ、蹴りが来るが、それを避けまた刀を振るうが、手の甲で受け止められ、弾かれ、反撃されと、どんどん戦闘が激しくなる。
相手してきた人族の中でもかなりの実力者だった。
自分がどんどん押されていた。
これ以上人力が増幅したらまけてしまうから早めに終わらそうと魔装を展開するが
その瞬間刀がすべての魔力を取り込もうとしていた。
望月を抑えるのに必死でノエルは気づかず、望月の力を相殺し抑え込もうとした考えていた
が2人の力が膨れ上がった状態でぶつかった。
その瞬間、人力と魔力が刀を中心に力が凝縮され全てのエネルギーが吸収された。
その反動で刀が手から離れ、気が付くと望月の顔には仮面がついていた
望月の拳はノエルのみぞおちに届きノエルは近くの大岩まで吹き飛び、さっきみたイメージ通りになった。
ノエルは意識が遠のき喋ることも出来ないほどの傷を負ってしまった。
望月は吹き飛んだ刀を手に取り、ノエルの近くまでいく。
「ぎみぃ、、づよぃな、、、、。ぎみに、はなしとか、、、ぃげなぃこ、、、、ある。わだしぃ、、、まぉぅ。 ノエル・ディー・オリラルドだ。ぎみは、、、これか、、、、あの城に,、、向へ。、、、父が待ってる。」
まだ伝えないといけないことがあったが目の前が真っ暗になり、音も聞こえなくなった。
「父?なんでぼぐぅなんだ?おい!」と叫ぶが黒い霧が体から溢れ出し、粉々になりそこから割れた石が出てきた。
力が抜けたのか腰から出ていた包帯がほどけて、腰の中に戻っていき、仮面がイヤリングとして耳に戻った。その瞬間意識を失い横に倒れた。
その数分後悪魔の3人が到着し、この光景をみて絶望していた。
ただ兄がなくなったのはすぐわかった。この子供が殺したこともすぐ理解したジルグンドは怒りが沸き上がり、トドメを刺そうとした。
右手に魔力を溜め、腕を伸ばし刺し殺そうとしたがベスに止められる。
「手ぇ、離せ。こいつは殺す。」
「やめておけジル。父上が欲しいと頼んだ子供のはずだ。殺すと父上に殺されるぞ。」
ベスは冷静にジルグンドを慰めるが、ベスも何が起こっているかわからなかった。
ベスはジルと話し合い父上の下に連れていくことになり、ベスは望月を抱え、魔神王がいる王座に向かう。
王座にはすでに魔神王が座っていた。ベス、ジルグンド、ネルメスは王座に座す魔神王の前で膝をつき、自分たちが見た状況を説明する。連れてきた子供を魔神王の近くに持っていく。
リベルはその望月を見て、刀とイヤリングが共鳴しているのが見えた。
小さい声で一言「おかえり」と笑った。