表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/15

王国乱戦

森の奥、城の外縁。

魔力の濃度が限界を超え、空間が軋む音が響いていた。


杉山・八田・滝尾の3人は、星夜の気配を追って進んでいた。

だがその前に、黒い影が立ち塞がった。


「……来たか、人界の精鋭ども」


現れたのは魔王の兄弟たち――

• 【悪魔】四男・イグス:空間を歪める魔術師

• 【悪魔】五男・ジルグンド:炎の拳を纏う戦闘狂

• 【悪魔】三女・ネルメル:精神を揺らす感覚魔術師


杉山が前に出る。

「星夜を連れ戻す。それだけだ」


ジルグンドが笑う。

「なら、通ってみろ。俺たちを超えてな」


イグスが空間を裂き、木々が逆巻く。

滝尾が銃を構えるが、弾道が歪められ弾かれる。


八田が地を蹴り、ジルグンドに接近。

「炎の拳か……なら、型なんていらねぇ」


「無式・連閃」――型を持たない連撃がジルグンドの防御を崩し、腹部に一撃が入る。

だがジルグンドは笑いながら受け止め、炎で八田を吹き飛ばす。


ネルメルが静かに手を広げる。

「……あなたたちの“記憶”を見せて」


杉山の脳裏に、星夜が泣いていた夜の記憶が流れ込む。

一瞬、動きが止まる。


「……くそっ、精神干渉か!」


滝尾は静かに銃を下ろし、足元に手をつく。

「……零域、展開」


その瞬間、滝尾の周囲に半径3メートルの“静寂領域”が広がる。

空気が凍りつき、魔力の流れが“凍結”する。


ネルメルの精神干渉が途切れ、杉山が正気を取り戻す。

イグスの魔術が凍りつき、空間の歪みが止まる。


ジルグンドが一歩踏み出すが、拳の炎が凍りつき、砕ける。

「……なんだ、この空間……魔力が……凍ってる……?」


滝尾は冷静に言い放つ。

「ここでは、魔族の力は凍る。俺の“零域”は、魔力の流動を凍結させる」


杉山が叫ぶ。

「八田、滝尾!今だ、突破するぞ!」


森の裂け目。

魔力の濃度が限界を超え、空間が軋む。

星夜の足元には星紋が広がり、帯が黒く脈打っていた。


その前に立つのは――魔人ミミ。

猫耳のような魔紋が髪に浮かび、影が地面から立ち上がっていた。


「……よくも。父を殺したわね」


星夜は仮面をつけたまま、笑っていた。

「そうだよ。俺が斬った。俺が、終わらせた」


ミミの瞳が赤く光る。

「なら、次は私が“終わらせる”」



ミミが地面に手をつくと、影が猫の形を成し、星夜の足元に忍び寄る。

「影術・猫爪封印」


影が星夜の足を掴み、動きを封じる。

同時に背後から猫型の影が跳躍し、爪で仮面を裂こうとする。


星夜は笑いながら叫ぶ。

「ハハ……ハハハッ!いいね……もっと来いよ!」


帯が暴走し、影を裂く。

「星閃・狂閃型――一刀流・裂界!」


刀が振り下ろされると同時に、空間が一閃され、影猫が吹き飛ぶ。


ミミは後退しながら叫ぶ。

「あなたはもう人間じゃない!魔力に呑まれてる!」


星夜は仮面を外し、笑いながら涙を流していた。

「……俺は、誰かを守るために斬ったはずだった。なのに……今、俺は……楽しいんだよ」



ミミが両手を広げる。

「影術・猫陣封界!」


地面に巨大な猫型の影陣が展開され、星夜の魔力を吸収し始める。

星夜は苦しみながらも笑っていた。


「痛い……でも、気持ちいい……これが、俺の“鍵”か……?」


刀を逆手に構え、跳躍。

「一刀流・逆閃・星紋崩し!」


刃と影がぶつかり、空間が爆発。

森が震え、木々が裂ける。


ミミは地に伏しながら叫ぶ。

「無事に帰れると思うな!」


星夜は立ち上がり、仮面を再びつける。

「ん?アハハ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ