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推しのヒトが家出中でして  作者: 瀬田川 廡輪
2/2

第一章~承前

続き、書いてみました。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。

朝八時。

今日は大学の講義も一限からはなく、朝は割合わりあいゆっくりできる。

本来ならサラダちゃんのチャンネル、サラダちゃんねるから配信開始のアラートがスマホに届き、それを聴いてすぐにサイトを開いて彼女の盆組を視聴している時間だ。

だが、ここ三日、彼女による配信はぱたりと止んでいた。

しかし今は、彼女のハスキーな美声の代わりにどこからか、安物のスピーカー音源の爆音がひびいてくる。

知っていると言えば知っているキャスターだかアナウンサーだかのがなり声。朝のワイドショウというのどろうか、何処かの事件現場のレポートを垂れ流しているようだった。

二階の住人は、テレビのスピーカーの音量を下げる気はないらしかった。

いつものことだ。テレビがうるさい。

不動産管理会社には、何度も苦情の電話は入れていた。

なのに一向に事態は改善されてはいなかった。むしろ、苦情を入れるたびに逆ギレしているのか、音は大きくなるような気さえしていた。

俺は朝から晩まで続く、階上からの騒音に辟易へきえきしているのだった。

「うるせえ」

俺は小さくもなく大きくもない程の声で怒鳴った。

聞こえてか聞こえずか、テレビの音量が下げられることはなかったのだが。

━━サラダちゃんの放送は今日もやらないのか?

さらなる階上への鬱憤うっぷん晴らしの代わりに俺はつぶやいた。

一体、彼女の身に何事かが起きたとでもいうのか?

あれだけ、インターネット生配信、登録者数獲得に熱心だったサラダちゃんが、なんの理由もなく配信を中止してしまうなどとは、とてもではないが思えなかった。

俺は、いつもの日課どおりにホイッター・アプリを起動した。

そして、DMダイレクト・メールのボックスに未読メッセージがないかを確認した。

サラダちゃん全力応援垢宛のメッセージは、毎日数件は届く。

ポイッターユーザーの多くは、俺が常日頃つねひごろからサラダちゃんの応援をしているのを知っていた。

だから、サラダちゃんに関して得られた情報の多くは、善意の提供として俺のもとへと送られてきた。

日付昇順で、上からメッセージを確認していった。

今日はその中に目をひくメッセージが一つだけとどいていたのだ。

件名━━匿名とくめい希望サラダファンのひとりより

本文━━四日前の夕方、五時前、サラダちゃんと思われる女性が自家用車に乗るおとこによって連れ去られるのを目撃したのでここに報告する。

      以上。

それを読んで、俺は大いに驚いた。


お読みになっていただきまして誠にありがとうございました まだまだ書きます

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