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星と僕らの××の扉  作者: 楠木 勘兵衛
★第2章.嫉妬にまみれた体育祭編
21/35

★第21話 可憐なる小さき華は、メカニック気質の司令塔系お嬢様!!

本当は布紙先生が競技の実況しているけど、邪魔なので設定のみ存在している。

完全修正(2025/04/13)



 ◆



 体育祭のパンフレットに載っていたルールには、先生より許可が下りたロボットの持ち込み可能って書いてあった。工業科だけと制限はされていない。実際に特殊科の河野さんが機械でできたショルダーバックらしきものを背負っている。それのおかげで小神さんは飛ばされずに済んだ。



河野「(30秒の制限だけど、当たるまで足を止めさせて、当たった瞬間に能力を解除する。そうすれば効率よくあたしたちを狩れる…中々なお嬢様みたいね)」

小神「今ボールはどこ?」

河野「あっち。釣瓶っち達がやってるんね」



釣瓶「蛸背!」

蛸背「はいはい、了解やで」

釣瓶「ボール投げんのは得意だぜ!オラアッ!!」


○○「なっ…!?」

布紙「はーいアウト。やられたら先生たちと同じで場外に出たボール送り役な」



 少し離れた場所でめっちゃ活躍していた。蛸背君や車屋君が能力で追い詰めて、燈爾君が火を込めて当てて行く。コンビネーション、連携がしっかりとれてる。



布紙「5分経過。ボール一個増やすぞー!」


「増える形式…」

小神「だからあの特別勝利って誰もやらないんだね」



色身「向こうは…やってくれるでしょう。なら、私は貴方方を倒すだけ」



 色身さんは無表情で僕たちを見渡す。新しいボールが入ってきたけども、僕たちの所には無い。少し目を離して確認すれば、傘木君が持ってる。対する単独のS組の色身さんはボール持ち。人数差はあるけども不利な状況だ。



色身「では、お覚悟を…。騎士ナイト、ロケット発進!」

騎士『ロケット装填…発射』


「ロケットオオ!?」



今度はボールではなく、あの二足歩行ロボットの肩からロケットが発射した。なんてことだ。僕たちのこのドッチボールみたいな戦いで、本気のロボット兵器をお見舞いされるとは思わなかった…。ロケットの見た目はすごく可愛らしいけど…殺傷性はあるかもしれない。当たったら一たまりもない。でも、ロケットの軌道を読むなんて…



小神「任せて!【トドロキサンダー】!!」



 小神さんは手からバチバチと雷の音を立てて、ロケットに向かって放つ。雷は個々に飛ぶロケットに感電し、小さく爆発して消えていった。



小神「いよっし!」

「凄いね小神さん!僕も…」

ルナ『きゅ…』

「(ゑ?)」



 きょ、拒否された。あのルナに僕のお願いというか何というか運営しようとしたら無視された。い、今までこんなこと無かったのに…も、もも、もしかして、さっきの戦いで体力を消費したから今は動きたくないってこと!?やばい。僕はそれだとただの心が読めるだけの攻撃能力皆無の人間に成っちゃう!いやもう成ってる!!



河野「何泣いてるんね」

「せ、戦力外になりそうで…」

河野「あたしらは皆で戦っていくんさ。できることできないこと色々だよ。さっきの戦いのアンタは超かっこよかったんだ。今はできなくても、安心しなね」

「うん…」



 ルナが動かないなら僕は本当に心を読むことしかできない。無理に動かすやり方なんて僕は知らない。いや待って、攻撃できなくてもできることは確かにある!



色身「(Q組の強さがどれほどか…私には知りえないこと。でも確実に分かることは、白星を早急に退場させること。いやという程、あの能力の厄介さは私が知っている…!他は皆様に任せましょう)」

「(白星君に狙いを定めた…)」


「河野さん」

河野「何?」

「色身さんの目標は白星君みたい。あと、クラスメイトの指揮とってるみたい…」

河野「まあよく知ってる従者を倒すのは最善かもね。んじゃ、白星君に任せてあたしたちは別のところ攻略しようよ」

「そうだね…(白星君に全部任せて良いのかな…)」

小神「でも、色身さんやった方が良くない?」

河野「と、言いますと?」



 どうしようかと河野さんと相談していると、ひょっこり現れた小神さんが遠くを指さす。その先には阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り出されていた。



釣瓶「けほけほっ。チョークしばくロボット厄介すぎだって!」

蛸背「あかん。自分の周りにコバエ飛んでるんやけど…」

車屋「小型のロボット!?マズイ、条の触手パンチは痛いからヤダ!!に”ゃ”ー!!」


傘木「傘で防いでんのに、勢いで負けてる…」

牛視「」


「あれは…」


河野「あっははーしてやられたんね。流石は色身さんだ」

小神「色身さんって凛ちゃんがいつも褒めてるよね。あのお嬢様の人」

河野「そりゃあねー…あたしとは色々因縁的なのあるし」



 僕は向こうの地獄絵図に夢中で、河野さんと小神さんの話を聞いていなかった。燈爾君の助けに入った方が良いよね?でも、ルナは戦うこと拒否してずっとポケットの中で籠城してるし…助けに行こうにもただの一般人並みの攻撃じゃ勝てない。傘木君は謎の高速で水を発射する機械に気を取られてるし…。迂闊に僕が出たって邪魔になるだけだ…どうしたら…。



河野「ねえねえ」

「え、あ、はい…」

河野「冶っちが言ってた通り、白っちに集中しつつクラスメイト運用してるみたいだね」

「そう…だね(冶っち…)」

河野「雷ちゃん、雷ボールで力を貸して。そんで冶っちも…」

「……?」


河野「ああいうのは一人のカリスマ性に頼っているだけやんね。頂上削げばこっちのもんよ」



 ◇



[白星ノア]


 お嬢様は重点的に私を狙っている。恐らくは私の能力を警戒しての一点集中。お嬢様の能力は頻繁に使用できない。それはお嬢様自身も理解している事。ここぞというタイミングを狙い、私の自由を奪って倒す作戦…絶対そうでしょうね。



色身「(皆様へ翻弄の仕方は伝授済み。ならば、後は白星を脱落させる。小神というお方の能力は厄介でも電気は対策できる。河野様は水中外は能力は皆無に等しい。あともう一人の彼は、武器を出されては厄介。即刻排除すべき事項…)」

白星「何かお考えですかお嬢様」

色身「ええ。勝つための策です。こうして皆様に伝えるので」

白星「工業科だからこそ、伝達方法は自力で作れる…流石ですね」

色身「私が今日の日までに用意しましたの。色身家の将来を担う私としての役割です」



 お嬢様やS組の皆様の耳にはイヤホンが付いている。あれでお嬢様が指揮を執り、私のクラスメイトの方々を混乱させている。工業科しかり、最近の工学は著しい発展を築いている。火・水・雷・大抵の精密機械の弱点を補われた優秀な機材でできた技術の結晶。能力で攻撃しても簡単には勝てない。



色身「貴方も攻撃したらどうです?」

白星「ここで消耗しては次に困るので」

色身「負ける気無いのですね」

白星「ええ」



 折角あれほど頑張ったのですから、負ける気などさらさら私にはありませんから。ここで私の能力を使ったところで、知っているお嬢様に対策をされるだけ。攻撃を避け、ボールに当たらないように注力すればいい。



色身「ここ!」

白星「くっ…」



 ついに足と地面の色を奪われた。動かそうにもびくともしない。それほど強力な力だ。お嬢様のお爺様はこれ以上に高頻度で広範囲に渡って駆使していたそうだ。全盛期に出くわしたら十中八九負けるのは私の方だ。



色身「貴方はいつまで平気なふりを続けるの?」

白星「生活に著しい支障はありません。私の第一は貴女と貴女の家族への恩返しなので」

色身「自分のことは二の次ですのね。哀れな人」

白星「どうとでも言ってください…」



 今が良ければそれでいいんです。そして、貴女や貴女の家族へ尽くせることが私にとっての絶対。母が私をどう思って生んだのか願ったのか、それは知る由もないですが、これが私の最適解の人生です。必要以上に自我も自己も持たず、ただ相手へ尽くせばいい。



色身「では、勝ちに行きます」

白星「それは、こちらも同じです」



 この勝利を狙う気持ちも、クラスメイトへ捧げる為。ただそれだけ。



河野「だよねー。折角死闘で1位獲ったんだから最後まで1位に輝かないといけないんね」


色身「っ!?」


河野「能力は引き継いでるからね!あたしが投げても効くんだよね!!」



 きっと強い自我や自己があれば、ああやって勝利を自ら掴み取る選択をするのだろう。



 ◇



[悟川心冶]


 白星君に気を取られ、背後から忍び寄る河野さんの正体に気づけず、あっという間に色身さんは外へと吹き飛ばされてしまった。河野さんは能力を力に上手く籠められない(水中限定なので仕方がない)。だから小神さんの雷を使ってぶん投げる。僕はただあくまで河野さんが色身さんに気づかれないように、視界の端に映りそうな場所で走っていただけ。ううぅ…もっと役に立てるようにならなきゃ…。



○○「あっ、色身さん!」


釣瓶「指揮が乱れた!今だ!」

最上「わかたん!えいやー!」

多白「最後の一発お見舞いですわ!」



 各々が最後の攻撃をお見舞いする。S組は司令塔の色身さんを失い呆然自失状態。そこの甘えた隙を狙って当てれば簡単にS組の生徒は吹っ飛ばされてしまった。

 


布紙「試合終了!Q組は全員生き残ったね。S組は3人だけか、てことでQ組の勝利!」



色身「……これは、潔く負けを認めましょう」

河野「結構勢いつけてやっちゃった。大丈夫?」

色身「ええ。流石は特注の物です。普通のボールと異なり人への衝撃は薄いみたいですね。今後の参考になる技術です」

河野「上昇志向いいね。あたしもこれ分解して取り入れようかな…」


布紙「おいおい、企業秘密だぜ。生徒でもダメだぞ」


河野「わかってるんね」

色身「いずれは私の方で研究してみましょう」

河野「流石は色身家のお嬢様やんね」

色身「貴女も充分素晴らしい方ですよ。コンクール常連の河野さん。ですが、高校生のコンクール優勝は私たちが獲るので」

河野「えっへへ。そんなに有名なんだねあたし。嬉しいね」



 河野さんと色身さんが楽しそうに会話している。よく表情に感情が出てる河野さんと、口角一つも上がらない無表情の色身さんの2人の空間は真逆であって、同じ機械を作る者同士で話がよく合っているみたい。

 それにしても、あのボール…。能力や力を込めても人への衝撃が少ないってどんな技術なのかな。何か物理法則的な何かを無視している気がする…。



○○「お嬢ちー負けちゃった。ごめんね」

色身「構いません。私達にはこの先も色々行事がありますから」

○○「そうだね。作品コンテストに文化祭マジ楽しみ!」

○○「色身さん、この後売店行きましょう。美味しそうな屋台見つけたんです」



 和気あいあいと、楽しそうにクラスメイトと色身さんは帰っていく。お嬢様と言われるほどの立場であっても、この学校では対等に友人関係を築いているみたい。



「色身さんって交友関係広いんだね」

白星「お爺様の教育の賜物たまものです。コミュニケーション能力は人生に置いて大切な物だと。跡取りでもありますし」

「色身さんってそんなに凄い家なの?僕そういうのにうとくて…」


白星「知らないのですか?色身家は現当主のお爺様のお爺様の代に、製糸工場として起業され、姿や様式を変え現在はあの【色彩堂しきさいどう】という会社ですが」

「え!?」

白星「会社は有名ですから知っていましたか。社長がお爺様でお嬢様はお爺様に見習い経営や工業を学ぶとしてこの学校に入学されたんです。私も同行としてですね。受ける学科は自分の好きにしなさいという事で、特殊科ここにしました」

「そ、そうだったんだ…」

白星「うふふ。私も社会を学んだ頃に、自分が仕えている色身家が凄いところだと知りましたから」



 まさか、まさかのスーパーエリートお嬢様だった。しかも次期社長候補として既に勉強をしているというエリート街道を歩いている人だった。

 何といってもあの【色彩堂】の家だなんて知らなかった。世間に少し疎い僕でも、あの会社が何かは知っている。いや、特殊な歴史を歩む社会になってその歴史を嗜む人間として必ずその名を知るからだ。

 現代における扉の災害から守るトップの会社で、主に禍福課生の方々に制服や武器を提供をしている。公私関係無く禍福課を支え、共に国に迫る脅威から守る理念を持っているそんな会社だ。アメリカにはもっと大きな企業もあるけど、歴史的にはこっちが古い。日本におけるシェアも大体はこの会社で賄う程、信頼と実績の地位もあるんだ。


 あ、長々と心の中で喋っちゃった。少し自重しよう…。



白星「勝ちましたね。お次の決勝戦、お相手がどうなることやら」

「あ、そうか。次で最後なんだ…」



 次が最後の戦い。学年1位を決める決勝戦。別の戦いではR組とL組が戦う。十中八九というと失礼だけど、絶対R組が勝ち上がる。僕は不思議とその結果になることを確信している。



「頑張ろうね。ここまで来たら、優勝しよう!」

白星「そう…ですね」

「白星君。何かあったら言ってね。苦しいこと抱えてると押しつぶされちゃうからね」

白星「ええ…。同じ志を持つ者同士ですから」


色身しきみ彩華あやか:15歳・女・148cm・8月12日生まれ・【一人称】わたくし・出身地:神奈川

【能力】:色を奪うなどの能力(対象の色を奪い物本来の役割を放棄させることができる)

無表情でクールな性格。ドライそうにみえて、心の中では熱い魂がある。お人形の様に可愛らしくちんまりとしている。白星とは生まれた頃ぐらいからずっと一緒の幼馴染。発明が好き。白星含め家族が好き。

【好物】:苺・クッキー・発明・家族


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