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星と僕らの××の扉  作者: 楠木 勘兵衛
★第2章.嫉妬にまみれた体育祭編
20/35

★第20話 最終種目:クラス対抗頂上決戦!!

完全修正(2025/04/06)



 ◆



[悟川心冶]



布紙「なんと1位はQ組の1400点!次にR組が2位で1200点。3位は工業科のS組で4位は普通科のL組だな。皆よく頑張った!最終戦に出れないのは可哀想だけど…学校行事はまだまだあるから文化祭や次の体育祭でもっと目立って行こうな!!」



 物凄い死闘の後、休憩時間でリフレッシュして回復した僕たちは、第二種目にて先着し見事1000点を手に入れ1位で通過することができた。それもこれも、蛇島君が能力で止めてくれたおかげだけど。でも、これってR組から見たら利敵行為だよね…。そんな悪いことをさせてしまったことは本当に申し訳ない。



布紙「ルールとしてはまず簡潔に言うならドッチボールだな」


小神「最後はドッチ…」

河野「エンターテインメントとしては良いかもしれないんね」


布紙「これは普通のドッチボールじゃない。まず、このボールは特注品でな…能力を使えば投げられる。そうじゃない場合は落とす以外で一切手から離れることは無い。お前らの能力の質にもよるが、強ければ強い程ボールの勢いや迫力が増す。これを使って相手を場外に出す。残っている人数の多さで勝敗が決まるぜ」



 布紙先生が実演する。先生が持って能力をこめた瞬間、ボールには布が巻き付かれ、そのまま勢いよく壁に投げられる。そこまで強くはなかったけど、当たったら痛い軽快な音は聞こえた。



布紙「でもって、このボールの1番の見どころは、込めた能力を引き継ぐところだ。仲間とパスしあえばボールに能力が蓄積される。敵に打ってないからな。そうして全員の力を溜め込めていく。特別ルールで、全員の力を込めて打ったボールが敵を1人でも倒した場合、その時点で打った側の”勝利”だ」


「そんなのあり!!?」

小神「すごいルール…」

釣瓶「最後の問題できたら3億点もらえるみたいなやつじゃねーか…」


布紙「だって皆やらないからねー。普通に能力が使えるエースがポンポン当てれば勝てるもんね。今の3年も成功したこと無いし(惜しかったけど)ここ数年はどこのクラスもそれで勝った記録無いもんねー。繋げただけ上出来ってところかな」



 そういうものかな。そういうものかも。

 それよりもR組の空気が悪い。こっそり心を読んでも、何か声がするよりかはもやもやと何か雲がかかっている。黄緑色の何か…黄緑?僕は気になってR組の方に顔を向けてもっとしっかり全員の心を読む。僕の目には疑わしい光景が広がっていた。全員の心に黄緑色のもやがかかり始めていた。その靄を生み出しているのは、あの羽海の緑色の心からだ。よく目を凝らす。体調が悪くなろうと、彼を止める為には目に入る全部の情報も手に入れないといけない。



「(ひび…入ってる?)」

 


 あの時見た心の形からはそこまで変わっていない。でも、一つだけ気づいた。羽海君の心にひびが入っていた。何か這出るんじゃ…いや、そんなものない。そんなこと…いや、やっぱり感染系のエンティティなのかな。それじゃあ、今の状況本当に最悪なんじゃないの!!?



布紙「まずは2位と4位の戦いで。Q組とL組はこの場に残り、あとの2組は観客席にいるとよろし…参考にしたほうが良いもんな」



 いやでも、次のやつ僕出場だ…。それに多分この後RとL組が戦う。時間が!時間が長い!どうしよう。先生たちに報告した方が良いよね。羽海君を止めるとは宣言したけども、まさか他の皆にそんなマーキングみたいなのするとは思わないじゃん!



水島「……星冥先生」

天王寺「何?」

水島「よくあの子を見ていてくださいね」

天王寺「…了解。君のように実践積んでる人の意見は大事だからね。そう警戒してるようだと。またカッコいい所魅せてくれるのかい?」

水島「……問題解決の鍵は生徒が握っていますから」

天王寺「そう」



 僕は何も言えないまま。流されるまま。この箱庭のグラウンドにはQ組とS組だけが残った。係のAIが白線を引いてコートづくりをしていく。



傘木「コートばり広いやん…」

牛視「ざっとバスケの2倍かなー…」


布紙「範囲は最初こそ広いが、じょじょに縮んてくからな。気が付いたら線外でしたなんて集中してるとザラに出る敗因だぜ。あとドッチボールと違うのは、相手との区切る線が無いことだな。つまり自由に動いて自由に相手を倒せる。固まっていたら一番の的だぜ」


多白「皆さま、足元、目の前、注意していきましょう…!」


小神「折角の1位だもん。皆でこのまま優勝目指そう!」

釣瓶「やるかー」


車屋「あっはは。もうそんにゃやる気出ちゃうかー」

蛸背「あんだけ最後頑張ってたのを水の泡にすんのは哀れになるやろ」

車屋「それもそうだね~」



 皆やる気が出てる。軽快で熱を感じる音がする。僕もやらないと、絶対に羽海君とちゃんと対峙したい。ここで負けたら全部が終わる…!喝を入れよう。僕は頬を叩いた。



 ◆



布紙「最初のボールは自分達で決めてな~。外に行っても先生やAIがすぐに近くの生徒に渡すからな~」


傘木「誰が最初行く?」

牛視「こういうのは一旦は個別で行動した方が良いよね。固まりすぎると的になるって言ってたし」


多白「ボールはすぐに攻撃できる方が持っていた方が良いと思うのですが…」

蛸背「あ~じゃあ自分持ったるわ」

車屋「いいね~相手をばんばか倒していこー!」



 各々個別か少数で固まり、ボールのトップバッターは蛸背君に決まった。



布紙「それではーよーいドン!」


小神「いよっし行くよ!」

「おー」

河野「おー!」

白星「皆さん、待ってください!」



 勢いよく開始の合図と共に飛び出したその瞬間。白星君に呼び止められた。急ブレーキをかけて止まると目の前に僕たちより早い足でやって来る何かが現れた。よく見ると白や赤色青色とカラフルな二足歩行のロボットだった。それは目の前で止まると、後ろから誰かが出てきた。



××「貴方の活躍見ていましたよ。白星」

白星「それはそれは…とっても嬉しゅうございます。お嬢様」


「お嬢…」

小神「様!?」

河野「およよ?」



 目の前に現れたのは、ロボットを従えた小さく可憐な雰囲気を漂わせる女子生徒だった。冷たい無表情で、縦ロールに三つ編みもある黒髪のお嬢様のような人…というかお嬢様。ミント色のリボンがついたカチューシャに綺麗な佇まい。まるでお人形のよう。



色身「ごきげんよう。私は工業科S組の色身彩華という者です。以後お見知りおきを」



 色身さんは何か僕たちの足元を見る。すると指をさして何をした。足元をつられて見れば、地面と足の部分が白色になっていた。お絵かきで言うとカラフルの場所を白くする”白抜き”のようなものだ。取り敢えず、危なそうだから足を動かし…



小神「え、足!?」

「動かない…!」

色身「…」


河野・白星「「危ない!」」



 2人の言葉に前を向くと、ロボットがボールを発射していた。さ、避けられない!

 当たる直前、河野さんの機械と白星君の小さな惑星でボールをはじき返した。ボールは遠くに行き、先生が拾い上げて別のS組の生徒に送った。


小神「びっくりした…」

「うん…足のは多分能力かな…」


河野「二人の足のやつお嬢の能力?」

白星「そうですね。お嬢様の能力は色を奪う能力です。奪われた箇所は一切の能力を失います。しかし、一つを奪っても意味が無いです。二つの”もの”を奪えばより強くなります。今で言うと、”地面”と”足”の色を奪うことで動かせないようにしたのです」

河野「厄介な能力やんね~。気楽に足を止めてられないかも」

白星「奪えても30秒が限界です」


色身「お喋りしてる暇はありませんよ」

白星「わかっておりますとも…負ける気は一切ないので」



 なんだか二人バチバチみたい…?見に来てくれるって言ってた時は凄い嬉しそうだったのに。

 何かあるのかな。もしかして、白星君のアレを知ってるのかな…。


蛸背たこせじょう:男・15歳・175cm・10月10日生まれ・【一人称】自分/俺・【出身地】:京都

【能力】蛸の触手を出し操る能力(※どこにでも出せるし、カスタムも可能)

面倒くさがりのマイペースな性格。地頭良いが面倒くさがりの性格でテストの結果はいつも半分程度。車屋とは幼馴染でよく自分の身を彼の猫車に預け、自分はサボるのが最早十八番。面倒くさがりだが動けばテキパキとしており、掃除には精を出す。謎の関西弁で喋る。年の離れた妹がいる。

【好物】:蛸料理・ぐうたら寝る・綺麗に整理整頓とこまめな掃除


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