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星と僕らの××の扉  作者: 楠木 勘兵衛
★第2章.嫉妬にまみれた体育祭編
12/35

★第12話 そんなのありなんですか!!?

完全修正(2025.03.24)終


  ◆


 布紙先生のスタートの合図によって、開幕早々に全ての穴からモグラが現れた。穴は大きかろうと出てくるのはそこまでではないだろうと高を括っていた。そんなことなかった。僕の想像以上の大きさで、飛んでくる影で僕たち全員が覆いつくされる。



小神「で、デカアアア!!!?」

河野「大物だねーこれは…」


傘木「なんやこのデカさ、本当に能力でぶっ倒せるんか?これ!」

水速「……」


車屋「やばいねーこれ」

蛸背「めんどくせえ…」



 怯んでいる場合じゃない。先生は多分あくまでも監視役、実際に戦いの邪魔にならないよう隅っこの方にいるし…。僕はすかさずポケットからルナを取り出す。



「ルナ…行くよ」

ルナ『きゅう!』


多白「皆さま!行きますよ!!」



 多白さんの言葉に、皆が自分の能力を繰り出す。僕もルナに感情を送り、あの槍の姿に変える。前に先生と戦った時は薙刀だったけど、こうやってガチで戦う時は気持ちも強くなってこうなるのかな?



釣瓶「おっしゃ!焔火!!」

小神「大丈夫…私ならいける。…いっくよー!バチバチバチっとサンダー!!!」



 技を出せるクラスメイトが、モグラに向かって攻撃をする。意外にも簡単にモグラはやられボン!と煙を出して消えていく。そして壁の方にある別のモニターに得点が表示される。

 僕も負けじと槍をモグラに突き刺していく。突き刺していない他のモグラも襲ってくる。それは反対側の先で跳ね返すけど、それでは倒した判定にはならないみたい。突き刺したモグラは、同じように消えていき得点になった。



 ◆



 時間が経過していく。一応、制限時間は60分だけど、それにしたって最初の時より勝てなくなってきた。何度も撃ち込まないと死なない程に固くなったそのモグラの攻撃に押しつぶされそうになる。

 それでも得点は今300ポイント。順位は2位。多分1位はR組だ。彼の強さはまだ実際にこの目で見ていないけど、そうだろうって何故か納得する自分がいる。



小神「心冶君危ない!」

「!」

小神「気を付けてね」

「うん」



 気をそらしていたら、目の前のモグラに気づかなかった。小神さんが倒してくれたけど、余所見なんて厳禁だ。ちゃんとしなきゃ。



車屋「条君もうちょっとやる気出してー」

蛸背「これで倒せてるんやから別にええやろ」



 すっごいやる気なさそうなクラスメイトがいた。余所見どころか寝てるよあの人。しかも猫車の中でぐっすりと。寝ている彼は蛸背たこせじょう君で、その猫車を運転しているのは車屋くるまや朝火あさひ君だ。2人とも燈爾君の新しい友達でよく話してる人だ。

 あの2人はずっと一緒にいるから多分、昔からの知り合いなのかな。そしてクラスメイトの中で1,2を争う位にマイペースだ。今のあの姿がまさにそう。僕や燈爾はモグラ目掛けで駆けているのに、車屋君がのんびり地面を攻撃が当たらないように移動している。そして襲ってきたモグラを蛸背君が触手を出して対抗している。余裕ってああいう姿なんだ…ちょっとうらやましい。



蛸背「あよいしょ」

車屋「あ、先生の方に行っちゃった…」


「せんせー!!!!!」




 あるモグラが蛸背君の触手によって先生がいる方へ吹き飛ばされる。先生に当たったらマズイ!!僕は叫んで爆速で先生の方へ走った。しかし、触手に投げ飛ばされたモグラの方が速く先生の方へ行ってしまい…



水島「ふん」



 先生の軽い足蹴りで吹っ飛んでいった。モグラは触手で飛ばされた時よりも、断然速く壁に叩きつけられ消えていった。あまりの衝撃にクラス全員が固まる。



「先生大丈夫です……ね」

水島「お前ら言っただろ。”俺の手を煩わせるようなことはするな”って…」

「す、すいませ…」


水島「教師がこの場所にいるのは、何も監視目的だけじゃねえからな」

「え?」



 先生はそう言って、後ろの壁にあるモニターを見るように指を出す。そのモニターには-100点と書かれていて、300から200に下げられてしまった。順位も4位に下がった。



「「!!?」」


水島「さて、あと俺が出るまで10分…」

「え、え?」


小神「せ、先生がやったら点数落ちた?」

多白「恐らくそうかと…」



釣瓶「しかも先生出るって言ってたよな」

傘木「あと10分て残り時間と同じやん。これあれやな…」


「(最後の10分間、先生より先に倒さないと0点になるってこと!!?)」



水島「ほーら得点稼がないとなー。協力プレイだろ?」



 そ、そんなのありなんですか!!?



 ◆



 其の後、最後の10分間でひたすら先生より速くモグラをしばき回すことに、僕たち全員がガチになっていた。先生はただでさえ、誰も追いつけないスピードとスタミナがあるからきつかった。なんなら白星君や他の皆が先生を抑え込む係になって、僕や小神さんに燈爾君はひたすらモグラを倒した。



「つ、疲れた…」

小神「て、手がもう痺れてる…よ」


白星「先生、その異様に素早いのやめてください」

水島「まだまだひよっこのお前らに俺を抑えるのは無理だ」

「つ、次いけるかなあ…」



布紙『へいよーお疲れさん。結果発表…だけど、えっと四捨五入して1位は1000点の特殊科R組。2位は400点の特殊科Q組と工業科のS組…』


釣瓶「1位と600点も差があるのかよ」

「すごいよね…」

釣瓶「やっぱあの羽の奴が強いんだろうなー。見たこと無いけど」



 1位とずっと差がついちゃったけど、次はもっと頑張らなきゃ。


此処だけの話

※傘木君は競馬が好き(未成年なので賭けはしていない)(20歳未満はしちゃダメ)

※白星君は料理が得意で紅茶を入れるのが上手い

※寮の料理当番はできる人が主体となって、皆がお手伝いをする協力制


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