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森のダンジョン食堂~ドラゴン定食始めました  作者: REI KATO
10 召喚者による桃源郷の設立
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1階層レジャー施設

「へへへ。俺、凄いアミューズメント作ってるんだ」


「ダンジさん、何ですか、それ」


「へへへ、聞きたい?」


「ええ、ぜひ!」


「あー、どうしよっかな」


「じゃあ、いいです」


「雲母君、違うでしょ。そこは聞きたいでしょ」


「面倒くさい大人には関わるなってじっちゃんが言ってました」


「まあ、いいから聞けって。俺、18階層でマリンレジャースポーツを展開してるのよ」


「えー、18階層?とんでもない深層じゃないですか。魔素、大丈夫なんですか?」


「俺的には10階層とそんなに変わんないね」


「それにダンジョンでマリンスポーツっておかしくないですか」


「18階層はほぼ全面が海なんだよ」


「は?」


「凄いっすね。ダンジョンあるあるって感じ?」


「そうなの?」


「ファンタジー小説だと割とある話っすよ」


「えー、そうなんだ。俺はかなり驚いたんだけど」


「ダンジさん、ネット小説とか読まないでしょ」


「てか、ネットあんまり関心ない。そっか。でもさ、18階層は常夏らしくって、俺、そこにビーチハウス建ててみんなで浜辺でパーティしたり水上オートバイでかっとばしたり」


「あー、いいっすね」


「でさ、暑いしみんな当然水着姿のわけよ」


「「「ガタッ!」」」


「女性陣もですか」


「俺がさ、いろいろ水着を提案したわけ。そしたらノリノリでね。女神様のビキニなんてもうこれもんで。夏の太陽より眩しいぞ」


「あー、殺生な。僕も行きたい」


「俺も」「ボクも」「オレも」


「まあ、頑張り給え」


「あっ、でも10階層の流れる露天風呂ならいけるんじゃないですか?」


「女神様たちには流れる露天風呂、イマイチらしくってさ。基本、あんまり動きたくないらしい」


「じゃあ、なぜ18階層は」


「よくわからんが、水上オートバイに夢中なんだよ」


「へえ?意外」


「スピードがポイントかな?時速150km以上は軽く出てる。彼女たちの魔法を使うと200kmぐらいはでてるんじゃないか?」


「は?」


「魔物もバンバン出てくるからな。なにせ、女神様達、魔物を魔法で狂戦士化させてるから」


「わざわざ魔物を凶暴化させてるわけですか。危ないじゃないですか」


「全然。女神様達、高速で海上をかっとばしながら、バンバン魔物を倒していくんだよ。気分爽快らしい」


「あの上品な女神様が……」


「いや、彼女たち基本的にダーク系だぞ。腹黒いとかは一切ないし、裏表はないんだけどね」


「イザナミ様ならわからんでもないですけど」


「あー、彼女はいかにも女王様って感じだもんな。でも、イザナミ様と女神様は基本的に双子」


「うわー、そうなんですか」


「まあ、やんごとなきお二人だからな。感覚がパンピーとは全然違うんだろ」


「やっぱり、僕たちの女神様はミヤさんだけですね」


「ああ、ミヤは素直でいい子だな」


「そういや、ダンジさんはミヤさんとどうなんですか?」


「どうなんですか、って考えたこともないし、そもそも年齢的に釣り合わんわ」


「えー」


「人の心配してないでおまえらはどうなんだよ」


「この世界の女子っていうか人族は腹黒が多くて」


「まあ、そうみたいだな」


「オレ的にはセリア街の冒険者ギルド窓口、グレースさんが一押しっすね」


「あー、彼女は美人で優しそうだよな」


「でしょでしょ」


「でも、彼女、恋人がいるって聞いたぞ」


「え、マジっすか」


「多分」


「あー、大ショック!」


「ボク、ちょっとしばらく引きこもる」


「アホなこと言うなよ。だいたい、おまえら村を拡大してるんだろ?村人にいい子いないのか?」


「それがですね、じいちゃんばあちゃんか10歳未満の子供ばっかりなんですよ。若い人も来はじめてるんですけど、男ばかりか旦那持ちばかりで」


「ああ、そうなんだ。でもよ、1階層のレジャー計画、進んでないみたいだけど」


「まだですね、村の充実が先かなって」


「まあ、そうだよな。1階層は対象客が人族だろ?そりゃ長期計画が必要だよな」


「ですよね」


「でもさ、俺たち、ちょっと凄いもん発明しちゃってさ」


「なんですか、それ」


「魔石作成魔道具」


「え、魔石作っちゃう魔道具ですか?」


「まあ文字通りそういうこと」


「それ、画期的過ぎませんか。地球的にいえばガソリンとか燃料を自動的に補充しちゃうってことでしょ?」


「そゆこと」


「凄すぎる」


「でさ、セリア街からの街道、作ってんじゃん」


「ええ、お陰様でセリア街からOK出ましたんで」


「でもさ、あっこから村まで軽く50kmはあるよね」


「ですねー。人の足だと早朝出発しても日が暮れますね」


「しかも、森のダンジョンは超おっかないS級ダンジョンで悪名高いかんな。ダンジョンやその近くの村には普通は寄り付かんよ」


「確かに」


「でさ、魔石作成魔道具をさ、馬車に組み込んでみたらどうかなって」


「え?」


「魔導エンジンを開発してさ、馬車から馬を取り払って」


「ああ、いいですね」


「で、道が悪いでしょ?だからいっそのこと風魔法で車体を浮かせて」


「ホバークラフトってことですか?」


「そうだよ。ちょっとうるさいかもしれないけど、乗り心地は抜群だよね。しかも速度は50kmぐらいは出るでしょ。セリア街からは1時間ぐらいだよ」


「ああ、そりゃホバークラフト自体がアトラクションですね」


「そうだよ。でさ、それを定期便にして料金は格安または無料とか」


「ああ、燃料タダだし」


「足代で儲けなくても、魔導ホバークラフトを売れば金はどんどん入ってくるでしょ」


「ですね。世界中から注文が来ますね」


「間違いないよ。貴族とか富裕層がバンバン買ってくよ」


「でさ、ホバークラフトの終点はダンジョンの1階層レジャー施設。温泉あり、カジノあり、超美味のレストランあり」


「ああ、ワクワクしかないですね」


「入場料とか料金はスライム討伐の魔石で払うとなったら、庶民でも遊びに来られるでしょ?」


「確かに。ディズニーランド格安状態。入場制限が必要かも」


「ダンジョン協会の人と話してたらさ、そうやって1階層とか2階層の低レベル魔物を討伐してくれると助かるって」


「そうなんですか?」


「低レベル魔物でもさ、数が集まるとスタンピード化する可能性が高まる。スライムぐらいならまだしも、それが奥に波及連鎖すると大変なことになるんだよ。だから低レベル魔物でも定期的に狩っていきたいんだけど、なにせ高位魔物は数が少ないじゃん?なかなか手がまわらんのよ」


「ああ、わかりました」



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