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森のダンジョン食堂~ドラゴン定食始めました  作者: REI KATO
10 召喚者による桃源郷の設立
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ダンジョンのマリンレジャー施設1

「なあ、以前の話だとこのダンジョンには海ステージってのがあるらしいな」


「そうじゃの。そんなに広くはないがの。10階層と同程度、縦横10km程度じゃ」


「凄いな。泳いで渡るってわけにはいかんだろうな」


「魔物もおるしな。かなり危険じゃろ。じゃが、海ステージまで来れるようなものは泳ぐものもおる」


「強者だな」


「空を飛ぶやつもいるしな。まあ、普通は手前の階層から魔素を抜いた木をもってきて船を作るとかな」


「なあ、ちょっと行ってみたいんだが」


「ええが、何か興味があるのか?」


「ああ。上手くいくのならそこにマリンレジャーできんかなと思ってるんだ」


「マリンレジャー?」


「ああ。ちょっとこっち来てみろ」


 俺はフレイヤを流れる温泉風呂につれていき、マジックバッグからボートを出した。


 「まだ実験的なものだがな、こうしたボートで海遊ぶをするわけよ」


「面白いのか?」


「速度は100km以上。できれば150km程度はほしいな。それで水面をかっ飛ばすだけじゃない。どうせ、魔物もいるんだろ?魔物を退治しつつその数を競い合ったりな」


「ふむ。妾たちはあまり水に慣れておらん。新鮮な感じがするの」


「まあ、ちょっと行ってみようや」


 ◇


 今回は俺・フレイヤ・女神様の3人で行動することにした。前回、海に行ったときには女神様から文句を言われたわけじゃないが。


「私も連れていきなさい」


 これはイザナミ様。最近、10階層に彼女の離れが完成したのだ。というか、ほぼ毎日離れに住んでるようだ。転移魔法で黄泉の国と行き来しているというのだが、大丈夫なんだろうか。


 ということで4人でレッツゴー!

 俺は15階層まで、イザナミ様は10階層までしかたどり着いていないので、11階層からよーいドンで18階層まで一気に走って行った。


 もう凄いよ。

 森林だろうと岩場だろうと時速100km以上で走っていくし、障害物は拳で吹き飛ばすし、低位魔物たちは恐ろしがって逃げていく。


 15階層近辺に棲息する魔猪でさえも、俺達というかイザナミ様たちを補足した瞬間にダッシュで逃げていく。


 てなわけで、10階層から18階層入口まで1時間強でたどりついた。


「はぁはぁ」


 俺は疲労困憊だ。総行程100km前後走ったからな。それも俺的には全速力だ。彼女たちは俺に合わせてくれたから余裕だったようだが。


 それはともかく、俺はマジックバッグから椅子とテーブルを取り出し、ドリンク類を並べる。



「皆さん、どうぞ」


「おお、これは気が利くの」


「「どうもありがとうございますわ」」


「ここがダンジョン海か」


 確かに海だった。

 海風にのり潮の香りがする。

 波が岩場に押し寄せる音。

 空も快晴で雲ひとつない。

 見渡す限り、青一色だ。


「ここはの、常夏の海なのじゃ。いつも暑いからの、日焼けに注意するのじゃ」


 どこに太陽があるんだろう。

 でも、日差しが強烈だ。


「あとの、このダンジョンでは珍しく雨が降る。暴風雨になることもある。それも注意じゃの」


 なるほど。東南アジアあたりのビーチって感じか。なんにしても常夏のビーチっていうのがいいよな。ますますレジャー気分が上がるぜ


「ダンジ、それで早くボートやらを出すのじゃ」


「はいはい……まだ2艇しかありませんから、順番にのりましょう。じゃあ、じゃんけん」


「ぽい」


 最初は、フレイヤとイザナミ様から乗ることになった。簡単な操作方法を教える。


 ボートのエンジンはジェット水流だ。

 このエンジンを自分の魔力で動かすことになる。

 ただ、最高速には上限がある。それでも加速に関しては各自の能力に依存する。ボートの舵もある。


 無論、自分の魔法をぶっ放せばより速くすすみ曲がることもできよう。それは各自の楽しみということで。


「キャッホー!」


 二人共えらいはしゃぎようだ。縦横10kmの広さなので結構な広さだと思うんだが、縦横無尽に走り回っている。


 一応、水棲魔物もいるはずなんだが、二人に恐れをなして海底でひっそりしているようだ。


「おーい、そろそろチェンジ、チェンジ!」


 呼びかけてようやく戻ってきた。


「これは面白いではないか!」


 イザナミ様もフレイヤも大興奮している。


「あら、では私も行って参りますわ」


 優雅に女神様の船を出発させた。

 俺もその後を追う。


 女神様は最初こそお淑やかと言うか、恐る恐る船を進めていたが、すぐに勘どころをつかみ、全速力で走り回るようになった。


 はっきり言う。俺では彼女に全く追いつかない。暴走族なら特攻隊長でもできそうな、船から体を乗り出してジグザクかつ高速に曲がっていく。


 一応、船の最高速は100km程度を予定しているのだが、女神様は明らかに速度超過だ。エンジン以外に自分の魔法をぶっ放している。




「これは本当に楽しめましたわ!」


 二人に続いて女神様も大興奮して船を降りてきた。


「地上と違いまして、進路や速度の加減が自分の思い通りにならないのが最高に面白いですわね!」


「そうなんですよ!不自由さがあれほど楽しいとは思いませんでしたわ!」


「まったくじゃの!これはダンジョンの連中も楽しめるぞ」


「今は2艘しかありませんが、混雑してきましたらもっと楽しめますわね!」


「衝突のスリルが味わえますわ!」



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