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森のダンジョン食堂~ドラゴン定食始めました  作者: REI KATO
10 召喚者による桃源郷の設立
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温泉レジャー施設計画1

 これは女子たちが10階層に到達する少し前の話しである。


「フレイヤ様のいう通り、俺達全員、職業がバージョンアップしたな」


「この半年、結構ダンジョンで頑張ったもんな」


「10階層にたどり着く人間は殆どいないらしいな」


「僕たちの転生者特典+ダンジョン効果+ダンジさんの料理効果の3つが集約した結果も大きいらしい。そうフレイヤ様が言ってた」


「ダンジさんの料理効果?」


「スキルや能力を向上させたり、体調・健康を整えたり、若返り効果とかがダンジさんの料理にはあるんだって話だよ。高位魔物のみなさんも重宝してるんだって」


「へえ。さすがは大調理人だな」


「これで、俺が運び屋から大商人、雲母が作男から大農民、南足が遊び人から勝負師、馬越が素破から忍者に」


「ボクは忍者になって忍術使いになったのが一番嬉しいな。火遁の術とか水遁の術とか、魔法互換のある術で映える」


「でも、馬越の場合はむしろて諜報活動、謀略活動といった影の部分の能力が目立つよな」


「まさしく、忍者、忍びの者、現代ならばエリートスパイだよな」


「オレは商人というか、運送能力に特化してるよな」


「肉丸は最初からマジックバッグ持ちだったんだが、それに加えて転移魔法が使えるようになったのが凄い」


「まさしく、歩く宅急便、この世界の物流革命の持ち主だ」


「僕は大農民。イメージは地味なんだけど、フレイヤさんがいったとおりだ。かなりイケてるね」


「雲母の能力は農業特化とはいえ、広範囲にわたるからな。4属性魔法は中級レベルが使えるし、薬師、バイオ魔法、鍛冶スキル、木工スキル、魔道具師スキルと盛りだくさんだ」


「この世界では生産の要と言われるだけあるわ」


「で、俺。遊び人がある意味正常進化して勝負師になった」


「フレイヤ様が言うには南足はゆくゆくは賢者って話しなんだが」


「遊び足りんというわけか(笑)」


「確率操作とか幸運スキル向上とか、博打打ちに最適のスキルが発現している」


「南足自体はなんの生産活動をしていないように見えても、いるだけで幸運が舞い込んでくるという」


「究極のニートか?」



「でな、おまえらに聞くんだが、この世界で欲しいものってなに?」


「美味しいご飯はあるし」


「力も修行中で盛り上がっている最中だし」


「そりゃ、優しい彼女でしょ。優しいってところがポイントね」


「あー、おまえ、それを公言するなよ。盛大にやり返されるぞ」


「あ、ああ、封印、封印。べ、別にクラスメイト女子が優しくないってわけじゃないからね」


「でも、彼女欲しい」


「切実だよなー」


「美也さん、俺の彼女になってくれないかなー」


「ああ、美人で優しくて頼りがいのある理想のお姉さんだよな」


「ダンジさんになびいてるからなー」


「あの4人はどうなんだよ」


「いや、それこそ、ムリ」


「みんなルックスは俺達がどうこう言うのもおこがましいレベルで可愛いんだけど」


「やっぱり、彼女たちは優等生なんだよなー。生真面目っていうか」


「雲母なんかはバレンタインでも一人勝ちだから文句つけんなよ」


「雲母とオレ達でどこに差があるっていうんだよ」


「肉丸、おまえはお腹の脂肪に差がありすぎんぞ」


「どうやったらそんなに脂肪が貯まるんだよ」


「ほっとけよ。これがオレのパワーの源なの」


「そのお腹にマジックバッグが装填されてるんか?そう考えるとちょっと引くよな」


「異次元空間だっての」


「おまえ、ちょっと服めくってみろ。お腹に渦巻いてるんじゃないか?」


「巻いてるわけねーだろ」



「まあまあ。肉丸いじりはおいといて。ちょっとマジ話してもいいかな?今、欲しいものは何か、ということで雑談してるんだけど、このところなんだけどさ、俺達ってちょっと行き詰まってるよね?」


「ああ。10階層で足踏み状態」


「だけどさ、無理して奥を狙うのも違うよね。10階層以降に行く気力が湧かないんだよなあ」


「僕たち、だんだん魔人になっているんだけど、職業的にも力を追求するタイプじゃない。強い魔物を倒してもさ、で?って感じなんだよな」


「ダンジさんの食堂関連の手伝い、という線もしばらくはありだろうけど、俺達、職業的にダンジョンの10階層は似合わないと思うんだよ」


「正味のとこ、10階層は環境的にちょっとつらいしね。特に魔素的に」


「ボクたちはダンジョンよりも外で生きるタイプばかりだから。特に大農民と大商人は明らかだよね」


「だからといって、このダンジョンのアドバンテージもあるだろ」


「まずは、なんと言ってもダンジョン食堂だよな。日本でもあのレベルの食事はなかなかとれないぜ」


「あっても、行列・予約がバンバン入るとか、値段が高すぎるとかだよな」


「それから、ダンジョンはボクたちの能力向上には欠かせない」


「ああ。強い魔物を倒す必要はないかもしれないが、それでも魔物を倒すことで得られるスキル発現は欲しいよな」


「魔石もな。欠かせないぜ」


「結局、オレ達は何をしたいのか、何をしてこの世界でやっていくべきなのかって話か」


「俺が妄想してるのはさ、レジャー施設なんだけど」


「さすが、勝負師南足。どうせ、カジノとか言い始めるんだろ」


「いや、まさにそのとおり。この世界ってさろくな賭け事がないよな」


「サイコロとかトランプとか持ち込んだら、きっと大ヒットするよな」


「ましてや、ルーレットやスロットマシンなんて映えるぜ」


「この世界版ラスベガスか」


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