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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第一章 単細胞編
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8.勢力争い?

 レヴィは唖然とした。経った一瞬で辺りになにもなくなった。さっきまで話していた親友のレイも。どうやら、ブレスの目標は自分であったようだ。しかし、照準が合っていなかったらしい。

 こんな芸当ができるのは私以外には一人しかいないわね。レヴィはこれの犯人がすぐにわかった。そして動機も。

 だが、レヴィアタンはそいつを許すつもりは毛頭もなかった。




「くっそ、外したかよ。」

「私に何か用かしら?」

 レヴィは怒りの頂点に達していた。だが、同時に冷静であった。レヴィは報復のブレスを放った。

 海水が瞬時に蒸発し、もともと圧力の高い深海の圧力がさらに高くなる。そして、ブレスの軌跡は水蒸気爆発を起こした。流石に彼は無事では済まなかったようだ。


「ヴィレンド、許さないわよ。」

 レヴィアタンは吠えた。

「俺はただ地上で飄々としている氷龍どもをどうにかしたいだけだ。」


 今、水龍たちの中では意見が真っ二つに割れていた。一つは氷龍たちに戦争を仕掛けようという意見。一応、氷龍たちは海に干渉することはないが、海中の栄養分は全球凍結によって著しく減った。水龍たちは我慢の限界だったのだ。


 もう一つは静観しようという意見。氷龍王ヴィザードはあまりにも強すぎた。そのため慎重な龍たちはこの意見を支持している。レヴィアタンは水龍王として決断しかねていた。だから、これら二派の勢力争いは日に日に勢いを増していたのだった。




「お前は私の地位が欲しいだけでしょう?」

「そんなことはない。」


 しかし、彼の日々の行動はそうではなかった。何度もレヴィアタンが水龍王にふさわしくないと言ったり、他の人を自分こそが王にふさわしいと吹聴しまくっていた。

 だが、同時に彼には強さがあった。レヴィアタンと同じくらいの。正確に言えばレヴィアタンと同じくらいの力をもっていた。レヴィアタンはレイと出会っていなかったらヴィレンドと互角だっただろう。





 世界トップクラスの龍同士の戦いは一言でいうとすさまじいものであった。


「ヴィレンド、いい加減にするのかしら。今、私は本当に怒っているわよ。」

「水龍の未来のために俺はここでお前を倒す。」

 ヴィレンドは力強くそう言った。



 さらにレヴィのいる海底のほうに強力なブレスが発射される。レヴィはそれを何とかよける。もう、レヴィの怒りは止められなかった。自分だって水龍のことを考えているのに、何も考えていない馬鹿にそんなことを言われたのだ。それに、親友を殺されたとなると、レヴィは正気を保っていられなくなっていた。



 レヴィは報復にモリエが放ったブレスの二倍以上のものを放つ。ヴィレンドは回避がぎりぎりで尻尾の一部にブレスが直撃する。

「ぎゃああ。」

 ヴィレンドは悲鳴を上げたが、それは激怒しているレヴィには聞こえない。さらにレヴィは周りの海水を操り、ヴィレンドを大きな渦潮の中に閉じ込める。ヴィレンドは必死に水魔法で渦の主導権を握ろうとしたが、水龍王の名は伊達ではなかった。ヴィレンドでは全く歯が立たなかったのだ。



 二人が激闘又は蹂躙をしている間、海上では劇的な変化が起きていた。辺り一面銀世界だった、凍った海は二人が放ったブレスの熱と破壊によって一気に融解して、そこの部分だけ海が戻ってきていた。そして、その時に発生した熱と温室効果を持つ、水蒸気によって全球凍結が解凍されていくのは少し先の話である。


 ヴィレンドは脱出を試みるも渦によって中央へと流されていく。そこへ、レヴィがもう一発ブレスをかまそうと口を開ける。ヴィレンドはもう回避する方法は一つしかないと、渦の流れに逆らうことをやめて中央部へと泳ぎ始める。

 そして、レヴィのブレスはまたヴィレンドを掠る。しかし、未だ致命傷に至っていないのはヴィレンドも実力を持ち合わせてるからだろう。



「このままだと、ジリ貧だ。くそが。」



 ヴィレンドはブレスが放たれた後、渦の勢いが少しおさまったのを感じ取り、一気に海面へと泳ぎ始める。レヴィは水龍王、海でなら敵なしだが、空となると話は変わってくると踏んだのだろう。


 レヴィはただ、目の前の逃げて行くような敵を見過ごすわけはない。ブレスを何発も放ちながら怒りに任せてヴィレンドを追いかける。


 ヴィレンドは見事にブレスを回避すると飛行魔法で空中へと逃れる。まさに辰が天へと昇っていくようだった。そして、空中で雷魔法の雷撃を海に向かって放つ。当たり前だが、海水は電気を通す。そして、水龍は電気には弱い。



 ここでは、ヴィレンドが圧倒的に有利のように思えた。事実、雷撃は海水中を伝わりレヴィに直撃しHPを減らしていく。しかし、レヴィは水中からブレスを吐く。それが水面を貫き、空中へと放射される。

 ヴィレンドは間一髪でこれを躱すも次もできるという保証はどこにもない。


 ここで、ヴィレンドにとって予想外の展開が起こる。レヴィアタンが飛行魔法を使ったのだ。しかし、レヴィアタンは飛行魔法など使えないはず。そう思い、鑑定を発動させる。



「個体名:レヴィアタン LV.265 

スキル:レイ、嫉妬、全異常状態無効、全魔法無効、物理攻撃耐性(上)、自然影響無効、水魔法(極)、闇魔法(極)、光魔法(上)、龍王、風魔法(上)、雷魔法(中)、結界魔法(下)、賢者、頑丈、根性、威嚇、挑発、傍若無人、馬鹿力

称号:知者、嫉妬の王、覇王、水の支配者、傍若無人

ステータス:HP-930,000 MP-750,000 PA-700,000 MA-100,000 PD-880,000 MD-500,000 SP-750,000 LP-900,000」



 ヴィレンドは目を疑った。スキルが少なすぎるのだ。普通龍種だと三十、多くて五十くらいのスキルを持っているはず。それなのにレヴィアタンのスキルの数は明らかに減っていた。その代わりに見たことがないようなスキルが存在した。その筆頭がレイである。


 しかし、ヴィレンドの考える暇もなく、レヴィアタンは空中で彼と対峙した。そして、今までにないよう威力のブレス放った。そして、それはヴィレンドを直撃したのだった。


<豆知識>

世界で一番大きな生物は?

 実は菌界のオニナラタケだそうです。生物なのでキノコもありなのです。アメリカのオレゴン州にあるマルール国有林という場所の一角は巨大なオニナラタケの群生地で、このキノコのDNAを調べたところ、全て同じDNAを持っていることが分かりました。同一のキノコだとわかったオニナラタケの群生地の範囲は地表面積にして約8.903㎢。いや、広いっすね。これが一つのキノコなので、世界最大となるわけです。


 ちなみに多くの人が想像したであろうシロナガスクジラは動物界で最大の生物です。恐竜にはこれよりも大きいものがいたと推定されていますが、現存してないので比較のしようがないですね。



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