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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第三章 多細胞編
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24.戦の始まり




「来た・・・かしら。」


「そうだね。」


 僕が来たほうの逆の方向から、龍の大群が飛んできていた。飛行速度は遅い龍に合わせているのだろうか、そこまで早くなかった。


「多すぎじゃね?」

「たぶん、あれでも全氷龍の半分くらいかしら。」

「まじか・・・」


『恐らく全戦力で来ていると考えられます。56体いますね。』


 僕はどうやらカタラードの逆鱗に触れてしまったらしい。実際に触ってはないんだけどね。





「カタラード様、見えてまいりました。」

「うむ、わかっておる。ふむ、二人だけか・・・」


 カタラードは少しほっとした。他の龍たちが連合を組んだわけではないということが分かったからだ。しかも、人間だ。たまたま氷龍を倒せただけかも知れない。


 杞憂だったかのう。


 そう思いながら、カタラードは鑑定を発動させる。

「鑑定不能。」


 カタラードはこの時点で驚いてしまう。


 カタラードはスキル:龍王 によって鑑定妨害は受けないはずだ。しかし、それが現に妨害されている。


つまりは相手は人のなりをした龍王・・・又はそれに匹敵するほどのものか・・・


 カタラードは柔軟な思考ができた。人化というスキルの存在を知らないのに、その発想に至ったからだ。

 もしくは人間が氷龍を倒せるほど強くないと信じたかったのか、どちらかだった。



 鑑定不能な以上戦力の把握ができない。実際に戦ってみるしか選択肢がなかった。


 カタラードの辞書には作戦という文字はなかった。計画段階においては慎重なカタラードではあったが、一旦戦場に出てしまうと、蹂躙するしか能がなかった。それは彼の強さゆえかもしれない。


 だから、カタラードは油断してしまった。自分が蹂躙できないことはないという甘い考えがあったのだ。


「諸君、敵は二匹だ。少ないからと言って油断するなよ。攻撃開始だ。」


 カタラードはそう叫んだ。





『相手が馬鹿だといいのですが・・・あまり期待はしないほうがよさそうだね。』


「不確定要素すぎるからね。」


「カタラードは慎重な奴かしら・・・でも、私たちが人間の格好をしているから油断するかしら。」


「そうしてくれるとありがたいんだけど。」

「逆にこの格好をしているから執拗に攻撃されるかしら・・・奴は人間には恨みをもっているから・・・」


「それは困るなあ。」


『馬鹿・・・というよりかは、作戦はないようですね・・・』


 レイさんが一目散に突入してくる龍たちを見てそう言った。


「そう言えば、カタラードは猪突猛進だったかしら。」


「これはこれで戦いにくそうだけど・・・」


 こうして戦の火蓋が切られたのだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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